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第69.5話「原因」

書籍化します!

【出版社】角川スニーカー文庫

【発売日】2018年4月1日(日曜日)


挿絵(By みてみん)


※表紙イラストです。マイさんと……クレスも美人さんですね。

詳細を活動報告に上げておきます。

 帝国からそう遠くないとある森。

 それは最近になって魔獣が増加した場所。

 そしてクレスとセンが目指す所でもある——


「準備はどれだけ進んでいる?」

「っは! もうまもなく第二陣は完成、第三陣の方も着々と準備が進んでおります!」


 魔獣増加の原因。

 それは——魔族であった。

 

「ふむ……」

「はい……」


 しかもそれを実行しているのはただの魔族ではない。


「それでターナカ様、他に気になった点などは……?」

「特になし。持ち場に戻ってくれ」

「っは!」


 ターナカと呼ばれた魔族は『元人間』である。

 かつていた日本で事故に遭い、そしてとある魔族種に転成する。

 その種とは——


『しっかしスライムだというのに、あの威圧感は凄いな』

『流石は堕天の魔王、グラシャラスに認められた方』

『今回は四天王たるターナカ様が指揮を執ってくださる』

『ああ。この作戦で勇者もろとも人間を滅ぼしてくれるわ』


 森のアチコチで魔族が帝国に攻めるための準備を整えている。

 ただし少数精鋭でだ。

 その中心に指揮官たるスライム、ターナカは鎮座していた。

 細心の注意を払い、人間にバレないよう事を進めている。


「……佐藤が行けとウルサイから渋々来たが、ここも大概だ」


 魔族たちは小さな声でブツブツと。

 その殆どは畏怖されてのものだが……

 彼は同じく四天王の1人にして元人間、佐藤なる者に言われてここに来た。

 今度こそ勇者を倒せと命じられたのである。

 

「最初はスライムなんてと絶望したが、いやはや、この種こそが戦闘では最強だ」


 スライムとは一般的に最弱の魔獣(モンスター)として知られる。

 三十路の彼でも某ゲームでだいたいソレは察した。

 しかし工夫すれば意外、四天王になるまでの存在となる。


「ふっふっふ。同胞には悪いが、俺はスローライフを送りたいんでな」

 

 いや元同胞か、そう付け加える。 

 

「ここは実力主義の世界、情けはかけん」


 やるかやられるかなのだ。

 今は帝国を落とすため、下準備として静かに魔獣を増やしていた。

 

「最近になってようやく気づいて来たようだが、もう遅い」


 気づいたと言っても、魔獣が増えてきたんだというレベル。

 まさか四天王が姑息な準備、そして潜んでいるとは万が一にも思わない。


「これで——」

「た、ターナカ様!」

「む、どうした?」


 魔族の1人が血相を変えて四天王の元に飛んでくる。

 

「そんなに慌てて……何かあったのか?」

「に、人間が来ました!」

「人間? また冒険者か? 対処はお前たちに頼んでいたはずだが」

「で、ですが、その人間がオカシイんです!」

「おかしい? まったく世話が焼ける。一体どんな輩が……」


 使えない部下だなと内心でターナカは思った。

 だがそれは仕方の無いことであったと、後から思う。

 なにせ……




「————おーっと、大将っぽいのみーつけたー!」




 深い森の中、力強い女の声が響く。

 彼女の姿、ターナカも目視で確認する。

 

「おんな……?」


 それは人間、真っ赤な髪と瞳を持っている。

 背中には巨大な剣を背負っていた。

 服は適当に着ているせいで多くがはだけ、露出した肌は陽の下でよく映えている。


「不穏な感じしたから来たんだけど、なんか面白そうなのいるなぁ!」


 ハッハッハと笑いながら、ターナカへとゆっくり近づいていく。

 彼女の歩いた道は煙を上げる、近くに草花や木々はチリチリと燃えていく。

 

 ——普通の人間ではない。

 転生者たるターナカは一瞬でそう悟った。


「……何者だ!?」


 スライムの薄い肌に緊張感が宿る。

 赤い女はそれに対して飄々。

 その静かな歩みを止めず。

 ただ近づきながら、ニヤリと笑ってその正体を告げた。


「名はアウラ・サンスクリット!」


 轟。

 名乗った瞬間に豪炎が舞う。

 辺りを圧倒的な熱量で融解、荒野へと変貌させる。

 

「——私は5番目の災厄!」


 手甲に刻まれた『Ⅴ』の刻印を見せつける。

 それは魔力を通し、真っ赤に輝く。


災厄の数字(ナンバーズ)っ!?」

「た、ターナカ様!」

「まさか勇者サイドに付いたとでも言うのか……」

 

 赤い女はバーサーカー感を前面に。

 ターナカの頬に流れた汗、それはきっと暑いからだけではない。

 戦闘が始まるのを予期してこそ。


「スライム! お前をとりあえずぶっ倒す——!!」

「っく、俺に厳しいのはこの世界も一緒か——!」



 炎の災厄と、スライムに転生した元人間。

 今ここに衝突————


 どうも。東雲です。


 書籍の方、当初から言われていた事を思い出しながら執筆しました。

 クレスが鈍感すぎるとか…ヒロインがチョロすぎるとか…

 ラップ調も封印、ほぼ一から書き直しましたかね。


 なのでこの書籍版に限っては、皆さんと一緒に書いたつもりです。

 だから今より、もっともっと面白くなってるはずです!


 少しずつですが、イラストや情報を公開していきます。

 個人的にはナンバーズの集合イラストが気に入っています(笑)


 あと実は、特典SSをどうするかずっと悩んでまして…

 ネタがある、また読みたい話がある方は、今回の活動報告で是非教えてください。

 どんな話でも構いません。1本は絶対採用します。(たぶん2本ぐらいは…)



 そして最後に言いたいことは……

 『アマゾン』や『楽天』などで既に予約が始まってます(宣伝です。スイマセン)

 1巻だけでも、手に取って頂けたら幸いです。


 Special thanks.

 この素晴らしい読者方に祝福を!

 よろしくお願い致します。



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