EPISODE,14:誰かのために打ち明けられた過去
時刻は夜の十一時。
この時間の高校生のほとんどは、夜ふかしをしているであろう。
ちなみにだが、俺はもうこの時間にはすでに寝ている。
もちろんと言うべきか、彩音さんも寝ている。(というのも、前に本人がそう言っていた)
そんな俺は、今日は彩音さんの家に泊まっている。(え?何度も言いすぎだって?いやだって、未だに今いるこの状況まだ信じていないんだから、何度も言いたくなっちゃうんだよ。そこは了承してくれるとありがたい)
夕食も済ませ、風呂も入り、(裸見ちゃったし・・・いや、忘れろ、俺。自分の身のために)一息ついていた頃。
俺は彩音さんに呼ばれ、ある問題の解決の糸口を探していた。
その問題というのが
「なんで、家って布団一つしかないんだろ・・・」
「いや、逆にこっちが聞きたいよ」
そう、「布団問題」だ。
「ていうか、普通三人家族なら、三つはあるだろ、布団」
「いや、家ってかわるがわるに帰って来ては、布団使ってるから一つで足りるんだよね」
「ん?どゆこと?」
「えっと・・・簡単に言うとね。親が共働きで、夜のこの時間私が寝てて、私が学校行ってる時間帯が母親が寝てて、
父親は海外にいるってこと」
「あー、そゆことね」
一つの布団を二人で使う。
まあ、そうしてる家庭はあってもおかしくはないのか。
特に、同性の親なら特に抵抗ないって人も多いからな。(知らんけど)
「どうしよっか・・・」
「そうだなー・・・あ、俺今日ソファーで寝るよ。彩音さんは布団で寝て」
「ダメ。もし、隼斗さんが風邪引いたら私が困るから。せめて、掛け布団だけでも使って」
「いやいや、掛け布団も一つしかないし。今晩寒くなるらしいし。ていうか、俺だけそれ使って彩音さんが風邪引いたらどうするんだよ・・・。母親への説明もしなきゃだし」
「あ・・・そっか・・・・・・」
とまあ、こんな感じで、「一つの布団を二人で寝るのか問題」。
略して、「布団問題」の解決のために、一時間以上議論するハメになっていた。
「というか、隼斗さん。私と一緒に寝るのは嫌なの?」
「いや、そういうことじゃなくてさ。さっき言ったでしょ?『自分の理性』の話」
「だから、もしそうなったら」
「うん。あの・・・それが怖くて眠れないんだよ」
「むー・・・わかった。殺めたり、投げたり、襲ったりしないから。とりあえず、今夜だけ一緒に寝よ?」
「待て待て。具体的に教えて?どういう感じに襲われるの?俺」
「具体的に言うと?うーん・・・『関節系』かな?」
「余計怖いって・・・」
「わかった。何もしない。でも、襲ってきたら・・・わかってるよね?」
「分かってるから・・・。まあ了解、そうするよ。言っとくけど、誤って俺を殺すなよ。早死にしたくないし」
「うん。わかってる、わかってる」
と、こんな感じで問題は一応解決した。
まあ少し(少しどころじゃねぇな。だいぶだな、これ)不安はあるが、とりあえず寝ることにした。
共に同じ布団に入ってから二時間後、
二人はというと・・・。
「寝れるわけない・・・」「寝れないよぉー・・・」
ハモリはしなかったが、似たようなことを言ってしまった。
時刻は夜一時半。
まだ、朝まで結構時間がある。
「あの・・・なんで寝れないの?」
「私?こうやって一つの布団を二人で使うの、物心ついたときにやったことないからさ、緊張しちゃって。・・・あと、男子とだし」
「あー、異性の相手だったら特にね」
「そうそう!・・・って隼斗さんも?」
「うん、俺もなんだよね。こうやって誰かと一緒に寝るの」
「あ・・・そっか・・・。なんか、ごめん」
「いいよ。全然気にしてないから」
「うん・・・」
まあ、俺の親ぶっちゃけ、俺に興味なかったからな、無理もないわな。
「あ、そういや、聞きたいことあるんだけどいいか?」
「うん、いいよ。何?」
互いに背中合わせにしながら、俺は聞いた。
「あ、言っとくけど・・・」
「どした?」
「その、私のスリーサイズは教えないからね!?」
「聞かないし、そもそも興味ないから」
「うー・・・・・・、それはそれでなんか傷つく・・・。あ、えっと、それで?聞きたいことって?」
俺は自分の体を彩音さんの方に向けた。
彩音さんの身体は、遠くで見ても、今のように近くで見ても、華奢な体つきをしていて、なんていうか・・・触れてしまったらすぐに砕けてしまいそうな・・・そんな感じがした。
「あの・・・。あんまりジロジロ見ないで。その・・・恥ずかしいから・・・」
「あ、すまん。えっと・・・その、見惚れてた・・・」
「見惚れるなぁ!」
「「あ・・・」」
向かい合わせになって、彼女の顔が見えた。
その顔が赤く染まっていたことは、言うまでもない。
「あの・・・聞きたいことって?」
「あ・・・うん。えっと・・・」
慌てて思い出した俺は、彼女に問いかけた。
それは、
「その、彩音さんもなんか犯したの?俺みたいな、罪を」
自分が同じ質問をされたから、聞き返したのではない。
ただ、気になった。
それだけの話だ。
すると、彩音さんは俺の方を向いたまま、答えた。
「うん・・・私にもあるよ。罪」
あっさり認めてしまった。
俺のときは、誤魔化しきれなくなっだから、自白しただけ。
そういうところを考えると、すごいな、彩音さんって。
そう考えていたら、急に、不意に、唐突に彼女は、告白した。
「私ね、自分の父親を殺したの」
信じられなかった。
その真実を、事実を、最初は。
でも、これだけはわかった。
お互い、形は違えど人殺しの犯罪者なんだということ。
そして・・・似ているんだな、俺と彩音さんって。
何が似ているかはわからない。
でも、似ていると断言できるところがある。
そう、断言してもいいくらい、
「心」が似ている。
EPISODE14です。
いつも読んでくれる方々、ブックマークしてくれた方々に感謝でございます。
彩音さんの罪は結構悩みました。「誰かを殺した」ということだけ決まってて、その「誰か」がなかなか決まらなかったです。
それで、考えてたときに友達に「自分の身近な人を殺すとしたら、誰?」と聞いたんですよ。(って、今思えば物騒なこと聞いたな)
するとその人は「父親かな」って答えたんですよ。
それで理由を聞いてみたら「自分の父親が嫌いだから」って答えたんですよ。
その時に、EPISODE15のアイデアを思いついて、そこから
進んでいったら、いつの間にか決まっていたって感じですね。
父親って子供に好かれにくいって思ってるの、僕だけですかね?(子供いないし、結婚してないし)
というわけで、次回、EPISODE15の予告をするなら、
いつもより、少し長めってことを予告しておきます。
お楽しみに!
では、EPISODE15でお会いしましょう。




