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33-1 会長って恐怖の存在だったんだよね

 

「お兄ちゃんちょっといい……」

 3人でとりあえず部屋を片付け、寝れる状態を作る。


 そのあと美月に風呂に入るように言った後、自分の部屋に戻るとすぐに妹が来た。


 勿論美月は一人で入ってるよ、また一緒にと言われ風呂場に引っ張られたが、うちの家は二人で入れる程広くないと言って美月一人たたき入れて来た。



「お兄ちゃん……、美月ちゃん……、うちにずっと住むの?」


 部屋を片付けながら、少し嫌そうな顔をしていたので、聞きに来るかなと思っていたが、さっそく来たか……


 俺は弥生さんに話して貰った事を、ほぼそのまま妹に話した…………



「…………」

 それを聞いた妹は絶句していた、美月の謂れのない扱い、出来過ぎる事がそんなにいけない事なのか、そんなに怖いのか……そう思っているんだろうか?


「だから、せめて俺達美月の親戚、いや、家族だけは美月の事を分かってやりたい、美月に優しく接してやりたいんだ、いつ長野に帰るんだ?……何て美月が聞いたら俺達まであいつを拒絶しているようで、そんな寂しい思いはもうさせたくない……そして美月は栞を認めてる、自分より出来る人がいる、自分は独りじゃないって喜んでいるんじゃないかな?、だから栞も美月を俺達の家族として、ライバルとして接して欲しいんだ」


 俺がそう言うと、妹は驚いた顔をした後、少し戸惑いの表情を浮かべ、そのあと笑顔になった。



「ごめんお兄ちゃん、私駄目だね……お兄ちゃんってやっぱり凄いな…………」

 妹が俺を見つめる、自分で言うのも何なんだが、いとおしそうな顔で見つめられると凄く照れる。



「私ね、てっきりお兄ちゃんが遂にロリコンすぎて美月ちゃんを飼うのかと思っちゃってた」


 前言撤回!!、いとおしそうな顔じゃない、憐れみの顔だった~~~


「!し、栞!! 訂正しろ、また俺にロリ疑惑がかかるだろ!!」


「あははは、訂正しま~す、お兄ちゃんはロリコンじゃありません、芯の通ったロリコンです」


「なんだ芯の通ったってええええええ」


「ふふふ、でもやっぱりお兄ちゃんは凄いな~、本当に…………分かったよ、じゃあ美月ちゃんは私の妹だね、お兄ちゃん妹が二人になったよ良かったね~~」


「良いんだか悪いんだか……そして俺はロリじゃない……」

 ……よりによってもの凄い妹が二人になったもんだ……


「お兄ちゃんを見習って、妹には優しくしないとね~~~」


「そうだな、まあ宜しく頼むよ」

 そこまで妹に意識して優しくした覚えは無いけどね。


「でもねお兄ちゃん、いくら美月ちゃんでも、ううん他の誰でも、私、お兄ちゃんを譲る気は絶対に無いから、そこだけは優しく出来ないからね」


 妹はそう言うと挑戦的な顔を俺に見せる……相変わらず妹の愛が重い……



 その時さっき久しぶりに電源を入れた俺のスマホからラインの音が…………俺に送って来る奴って限られてるって、うるさいよ、その最有力候補が目の前にいる、つまり残るはあの人か……あ、まあ麻紗美とかもたまには……


「やっぱり……あいつか……」

 スマホの画面を見るなり、げんなりする俺


「お兄ちゃんどうしたの?誰から?」


 妹が心配そうな顔をする、大丈夫大丈夫、前は怖かったけど、今はむしろ違う意味で楽しいから。


「栞、悪いんだけど明日美月の面倒を見ておいてくれる?、俺ちょっと出かけるから」

 そろそろ行かないとめんどくさいからな~あの人……






 #####




 翌日、とある豆の出る喫茶店、この間出し忘れたのか?出なかったけど豆くださいと言えない小市民な俺……


 いつもの店奥の席、そして目の前に、おお!久しぶり、俺の最近の遊び道具が……、いやいや、会長様がいらっしゃられている。


 あまりに久しぶりで、以前の投稿見ないと風貌が言えない、えっと……髪は金色……は、もうやってないので……えっと、ああそう、赤みがかったウェーブのロングで、えっと確か、名字はは中川?那珂川?、名前がえっと、ああ青井さんと結婚して青井葵になっちまえの葵さんだ。



「あんた……何で目の前に私が居るのに、そんな思いだしながらの説明? そして誰に説明してるのよ!?」


「一応自分にって事です、はい……」

 開口一番、おこな会長、テンプレですなー


「なんか本気であんたに殺意が芽生えて来た……、そんな事より、どういう事!?」

 やっぱりおこですなーそれでこそ会長だよ!!学校の作り笑顔よりよっぽどいい


「どういう事とは?」

 いつもは呼び出しておいて、注文が来るまでスマホを見てこちらを無視する会長が、今日は初手から突っ込んで来る。


「あんたの両隣にいる二人よ……」


 4人スペースなのに、俺の両隣に密着して座る二人……まあ二人とも小さい方だからそこまでぎゅうぎゅうでは無いんだけど……


 窓際に座って居るのは妹


「兄に付いてきただけですのでお構い無く~私に遠慮なさらず、どうぞお話し下さい」

 ニコニコしながら説明する妹、威嚇しているのか、少しイントネーションがいつもより、きつい感じがする。


 そして、通路側には……


「お兄ちゃま、このシ○ノワール食べていい?、あ、でもかき氷も美味しそう~~」

 この怖い会長なんぞ全く気にせずにメニューを見てはしゃいでいる、美月小学4年生……


「あんたの妹はまあ良いとして、このガキは何よ?あんたの隠し子?」


 隠し子って俺いくつだよ……


「いとこだよ、夏休みで遊びに来てるだけだ」


「ふ、子守りってわけ?ご苦労様ね」

 なんか少し小馬鹿にされてる?違うぞ!美月に子守りしてもらっているのは、寧ろ俺だ!……


 昨晩あの後宿題をやってたら後ろからそーっと入ってきた美月が「あ、それ間違ってる」って言いやがった……あまりのショックでそのまま手伝って貰ったぜ!!…………小4に宿題やらせる高1ってどんだけ鬼畜だよ……とりあえず、ノックはしようね美月ちゃん……エロゲとかだとフラグだからって………勘違いしないでよ、パソコン持って無いからやった事ないよ、無いんだからね、聞いた事あるだけだからね。


 閑話休題……


 その後注文をして、皆の料理、まあ美月以外はコーヒーだけなんだが、それが揃うまで各々喋っている、喋っていると言っても俺と美月だけでなんだけど……


 妹は相変わらずニコニコしながら会長を見続け威嚇中……会長はスマホを見ている……


 全員の注文が揃う、美月はかき氷を(>Д<)な顔で食べている……やだ可愛い


「それで?」

 コーヒーを飲み、豆を一粒口に放り込み、会長に今日呼び出した理由を話す様に促す。


「そうね……実は貴方、いえ、あなた達に生徒会に入って貰いたいと思っているの」


 生徒会長と葵の中間位の言い方とテンションで生徒会に入れと言ってくる葵会長……


 ああ、まためんどくさい事になりそうな予感が~~


 夏休み終了まであと半月ちょっと……、ゆっくり本を読む事はやはり無理そうだ……






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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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