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28-2 洗髪はエッチな事ですか?

 

 美術館を後にし、ちょっと遅めの昼食を食べに来ていた。

 さすがに喫茶コーナーには戻れない、通報される……、さっきも美術館のスタッフの方が来られて、大丈夫ですか?なんて言われ、慌てて出てしまった……お土産も買ってねえ……


「お兄ちゃん、この店ちょっと微妙だね」

 妹は頼んだドリアを口にして、しかめっ面になる


「……良かった、どこに来ているか詳しく言わなくてって、そうじゃない、栞さっきの事なんだけどな」

 自分の料理が来るのを待って、俺は改めて、さっきの風呂の一件について話しをし始める。


「ん?」


「いや、首かしげてスプーン咥えて、ん?じゃないよ、可愛いけど……さっきの事だけどね、やっぱり駄目だろ」


「なんで?」


「いや、なんで?じゃないよ、一緒に入るとか、駄目でしょ」

 なんか今回風呂ネタ多すぎない?、もっと他にねえのかよ……


「なんで?」


「いや、だって、恥ずかしくないのか?」


「お兄ちゃん恥ずかしいの?」


「そりゃ恥ずかしいよ、栞は恥ずかしくないのか?」


「全然、でもお兄ちゃん美月ちゃんと入ってるじゃない、美月ちゃんなら恥ずかしくなくて、私なら恥ずかしいの?」


「え、あ、まあ……」


「なんで?」


「えっと……」

 なんでだろう?言われて見ればうーーーん、美月が幼いから?、幼いと恥ずかしくないのか?、でも美月は姿は幼いけど、頭は全く幼くない、むしろ妹の方が幼いくらいだ……


「もう~~、お兄ちゃん!、いいでしょ!美月ちゃんと入ってるんだから、ずるいよ~~美月ちゃんばっかり~~」

 妹がスプーンを持つ手でテーブルを叩く、俺は周りを気にするも、やはり微妙な味のお店だけあって、お客もまばらで、こちらには誰も気付いていない。


「美月はまだ子供だろ?」


「私だってまだ子供だもん!」


「いや、美月は9歳だし、栞は15歳だろ、全然年が違うじゃないか」


「あのねお兄ちゃん、9歳と15歳、このご時世、一緒にお風呂に入っちゃ駄目なのは9歳の方じゃないかな?」


「いや、両方駄目だろ」


「駄目なのに美月ちゃんとは入ったんだ、へーーー、ふーーーーん、やっぱり……」

 だから俺はロリじゃない!!


「いやいやいやいや、髪洗っただけだって、何にもしてないって」


「だったら私にしてくれてもいいでしょ~~ずるい~~~美月ちゃんばっかり、ずるいよ~~~~~~~~」

 ああ、もう、わがままが始まった、どうすればいいんだよ?、もう本当に理性が限界なんだよまじで……


「わかった、じゃあ水着で入ろう!」


「えーーー家のお風呂で水着って、お兄ちゃんなんか変態みたいだよ」


「悪かったな、変態で、兄妹で混浴を強要する栞も変態だろ!」


「強要じゃ無いもん、お願いだもん」


「お願いだったら断ってもいいよな」


「へーー、お兄ちゃん美月ちゃんのお願いは聞いて、私のお願いは聞いてくれないんだ、へーーー」


「なんでそこまで一緒に入りたがるんだ?、そんなに俺の裸を見たいのか、栞のスケベ」

 そう言うと、妹は顔を真っ赤にして俯いた。





「見たいもん……」



「え?」

 妹は顔を上げ、真っ赤な顔のまな俺を見つめる、そして、その顔の赤さは恥ずかしくて赤くなったのではなかった。




「お兄ちゃんの事は隅から隅まで何でも知りたいもん!、美月ちゃんだけ知って、私が知らないなんて嫌!、お兄ちゃんの事を一番知ってるのは、何でも知ってるのは私だもん、私が一番じゃなきゃ嫌!!」


「あと、私の事をもっと知って!、私をもっと見て!、美月ちゃんの髪を洗ったら、私のも洗って!、本当は私が最初にやって欲しかった、お兄ちゃんの一番は私じゃなきゃ嫌、お兄ちゃんの最後は私じゃなきゃ嫌、もう我慢出来ない、後悔したくない、お兄ちゃんは私の一番じゃなきゃ嫌、私がお兄ちゃんの一番じゃなきゃ嫌、嫌なの…………」


 そう言って再び俯く妹は少し震えている。

 俺に対して、美月に対して、自分に対して、何かに対して怒りや悲しみや嫉妬、色々な感情をぶつけてしまった罪悪感に俺に嫌われるかも知れない事に震えているようだった。



 俺は少し考え、余りまとまってはいないが、自分の思いを妹に伝えた。


「……えっと、俺の中で世界一可愛い妹は栞と思っているよ、……正直に話すとね、俺だってもっと見たいし、もっと知りたいし、もっと触れたい、……でもごめん、俺にはそんな覚悟がない、栞を俺の物に……、恋人にする覚悟がない、妹として出来る事以外の事をする覚悟がない、……出来ない……デートはいい、一緒に寝るのもいい、でもそれ以上は俺がもたない、自分が止められない、欲望が押さえられない、栞を傷つけたくない」



「……私はお兄ちゃんに何をされても傷なんて付かないよ」

 顔をあげ俺に対して微笑む、その笑顔に、その言葉に一瞬理性が崩壊しそうになる。



「それでも駄目だ、前だってとりあえず付き合おうなんて言って栞を傷付けた、栞の希望全てを叶えるのが栞の為に、俺の為にならない事だってあるんだよ」


「…………」

 妹は無言で俺を見つめる、俺も妹を見つめ返す。



 しばらく見つめあっていた、お互い何を言っていいかわからない状態だった。

 そして先に妹から口を開く。


「でも……美月ちゃんと差が付くのは嫌……負けるのは嫌だもん……」

 それでもと、このままでは納得出来ない、ここで終わらせるのは嫌と妹が言う。




「じゃあさ…………」


 俺は最大限譲歩をして、自分が押さえられるギリギリの提案を妹にした。





「うん!!」


 妹は俺のその提案に頷いてくれた。


 ……まだ引っ張るのかよこのネタ…………
















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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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