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23-3 天国に一番近い海

 

「さあ、いよいよ行くぞー!」


 改めて言っておくと、銀髪美少女だが最近すっかり残念僕っ子娘となりつつあるが、実は学校で1、2を争う成績の持ち主、スポーツも万能、渡ヶ瀬美智瑠が気合いを入れている。


「ねみい……」

 そして全く気合いを入れてない俺、普通万歳、ボッチじゃねえよボッチ気味だよ、長谷川裕が返事をする。


「えっとねぇ、チケットとれたよぉ、さあぁ乗ろうかぁ」

 最近すっかり明るくなって友達増えた、良かったな裏切り者、ゆるふわ系ショートボブ、たれ目が可愛いぞ、そして主張のある胸を揺らしてチケットを持ってきた、おっとりしゃべりの酒々井麻紗美


「えへへへへへへへ」

 もう朝起きた時から、異世界に行きっぱなし、頼むから途中で止まってどうにもならなくなっている異世界連載をその完璧スキルと超絶コミュ力で何とかしてくれ、ロングの黒髪ちょっとつり目だが大きな目が超絶可愛いぞ、俺の妹、長谷川栞


 以上4人で船に乗り込んだ。


 船は釣り船に毛が生えたような小ささ、これで1時間以上のるの? って思わされる。


 そして言ってなかったね、行き先は、日本有人最南端の場所、そこは、波照間島、はてるまじまと読む、ちなみに沖ノ鳥島が日本最南端だけど、あそこは人は住んでいない、てか住めない。




 時間になり、船が石垣島を出港する、港を出るとやはり海が綺麗だ、船は最初は普通に進んでいたが、暫くするとエンジン音変わり速度が上がったり下がったりし始める。


 まだ30分も経ってないのになぜスピードが変わると正面を見ると、操舵手、多分船長だと思うが、右へ左へと忙しく舵を切っている。


 どうも波に対して真っ直ぐ進んで乗り越えようとしている。


 大きな波が横から来ると危険なのか、波を選びながら進んでいる印象だった。


 俺は寝ようと思ったがその波を乗り越える時の揺れに寝れる状態じゃない、横を見ると妹はやはり俺と一緒だからか楽しそうにしているが、麻紗美は硬直しているし、美智瑠に至っては青い顔して天井を見ている。


「うわ、マジかこんなに揺れるの?」

「うわーお兄ちゃんジェットコースターみたいだねー」

「うう、きもちわるい……」

「………………」


 そんなこんなで1時間強、まさに荒波を乗り越え無事に波照間島に到着した。



「うう、死ぬかと思った……」

 とりあえず、美智瑠の逆襲は避けられたようだ。


「麻紗美は大丈夫か?」

 なんか硬直していた麻紗美に大丈夫か聞いてみた。


「私はねぇ、嫌な事があるとぉ、意識を無くせる特技があるのぉ、小学校からぁ、みんなに色々言われてぇ習得したんだぁ」

 なんか、かなり悲しくなる特技なんだが……


「タヌキ寝入りみたいだな」

 たれ目でゆるふわショートボブがちょっとタヌキっぽい


「ああ、うんそうだねぇ、死んだふりだねぇ、ただねぇこの特技、使いすぎるとぉ帰って来れなくなるって言うかぁ、本当に死にたくなっちゃうっていうかぁ」


 麻紗美さんもう止めて、というか、誰か麻紗美を止めて


 妹は楽しんでたなと見てみると

「えへへへへへへ」

 またか……以下略



 3人がすぐに復活したので、港の外に出ると、何やら車やマイクロバスが集まっていた。

 どうやら宿の迎えと、レンタサイクルの迎えらしい。


「麻紗美どうする?島観光はするの?」


「うーーん、あの写真のビーチはぁ、この近くなんだよねぇ、どうしよっかぁ」


 少なくとも今の美智瑠に自転車をこいで島内一周とかムリぽみたいだからいいかな?


「とりあえず、近くなら海行ってから考えようか」


「そうだねぇ」


 ということで、島内観光は後回しにして、島で唯一の泳げるビーチ、あのガイドブックの写真の場所ニシ浜ビーチに向かった。


「うわ!」

「うあああああ、なにこれえ」

「す、凄い」

「ほええええ」


 暫くすると到着したが、もう何て言っていいか、関東の海しか見ていない人間にとって、ここはもう海じゃない、本当に天国じゃないかって思うほど美しい、石垣島のホテルから見たビーチも目茶苦茶綺麗だが、もうここは何ってくらい凄い、海の水の透明さが半端じゃない、そして青い、とにかく色々な青が入り乱れている。


「僕、泳ぐぞ!」



 その海を見た美智瑠の顔が青から赤に変わった、そのまま上に着ていたTシャツを脱ぐ


「お、おい!、あ、着てきたのか」

 美智瑠が着ていたのは、深紅の紐ビキニ……


 白い肌、外国人の様な容姿に真っ赤なビキニ、いや、可愛いよ、可愛いんだけど、体型がお子様過ぎてなんか痛々しいって言うか……


「あー脱いじゃったぁ、あのねぇ美智瑠ちゃんー、この先にぃ穴場があるからぁそこでぇ水着になろうとぉ思ったのにぃ」


「穴場?」

 穴場って、もうこの島自体が穴場じゃないかって思うんだけど、石垣島のホテル前のビーチに比べれば全然人なんてまばらじゃない?


「うん、水平線しか見えないらしいし、誰もいないかもってぇ」


「へーこの先にあるんだ?」


「うん、ただぁ遊泳禁止なんだぁ」


「泳げないの?」


「うん、まあぁ沖に出ちゃいけないってぇ事だと思うけどぉ一応、でもここも深いところに行くとぉ珊瑚があって足怪我しちゃうからぁ沖で泳ぐならぁそれなりにぃ装備が必要みたい」

 へー珊瑚って危ないんだ


「じゃあ綺麗な海を見ながらそこまで散策だな」


 そう言ってみんなで歩いていく


「え?僕この状態で行くの、それより、ゆう、ほら僕のビキニだぞー、おーい、感想は、ちょっと待ってよー、おーい」


 美智瑠が後からブーブー言いながら付いてくる、こいつってこんな残念キャラだっけ?

(当初の考えは違いました……)






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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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