23-2 天国に一番近い海
明日は6時に朝食を食べて、すぐに出かけるという事を決め、それぞれ部屋に戻った。
戻る時に、美智瑠がこっちをずっと見ていて、妹になにやら目で威嚇していたのが気になったが……
部屋に戻ると俺はさっきから気になっていた、二人の異変について妹に再度聞いてみた。
「なあ、栞、本当に二人となんかあったのか?特に美智瑠の様子も変だし」
「うーん、まあ、あったと言えば、あったのかな~?」
「なにがあったんだよ?」
「えっとねー言わない!、良かったねお兄ちゃん、ふーんだ、さあ明日早いんだから寝るよ~」
そう言って妹はベットの方に行き、服を脱ぎ始める……服をって……
「ちょっと、まてい!!」
「ん?」
既に半袖ブラウスのボタンを半分外して、ブラがチラチラ見えている状態で正面を向く。
「なぜ着替える!」
「え?パジャマに……駄目なの?」
「いや、そうじゃなくて、俺がいるぞ」
「うん、いるね」
そう言って妹はさらにボタンを外す
「いやいやいやいや、だから見えてるぞ」
そのままブラウスを脱ぎ、上半身ブラ一枚の状態で、スカートに手をかける。
「お兄ちゃん見たいの?」
こっちを見ながらスカートのチャックを下ろす。
「いや、見たいか見たくないかと言えば、見たくなくはないけど……」
「じゃあ、見ていいよ~~」
鼻歌でも歌いそうなテンションで見ていいと言われても……
といっている間にスカートを脱いだ音がパサッと……
ヘタレな俺は後ろを向いた。
「うーーんとあれ? フックが噛んでる、お兄ちゃんブラのフック外してーー」
「勘弁してください栞さん」
「えーーー、あ、外れた」
外れたって事は今…………
「はーい、いいよこっち見て」
「いや無理っす」
「パジャマ着たからー」
言われて振り向くと、上は裾にフリルが付いてるピンクのキャミソールパジャマ上下セット、下は半ズボン(8400円税抜き、俺の査定)を着ていた。
「どう?可愛いでしょー、今日の為に買ったんだー」
クルリと回り俺に見せるが、おそらくノーブラだろう胸の動きが気になって仕方がない……
「お兄ちゃん着替えないの?」
「ああ、そうだな」と部屋に置いてあったリゾートウェアに着替えるべく上着を脱ぎ、ズボンを脱ごうとして……妹を見た。
「……」
妹は無言でこっちを見てる……
うーーん何だろうこの感覚……まあ別に素っ裸になるわけじゃなし、男が恥ずかしがっても誰も萌えねえし、とズボンを降ろすと……
「ヒイッ」
変な声に再度振り向くと、妹が手で顔を隠して指の間から顔を真っ赤にして見ている。
そんなベタなと思ったが、顔が真っ赤?、それを見た俺の中のSっ毛がむくむくと湧き上がる。
「あれあれあれ、栞さん、恥ずかしいの?、さっきの大胆さは何処へ?」
「うううう、だってえ」
ゆでダコの様に顔を真っ赤にしてうつ向く
やばい、可愛いぞうちの妹……そう言えば観覧車のゴンドラでもそうだったが、やはり妹は結構うぶで、しかも意外と攻撃に弱い?
妹の攻略法が見つかった様な気がした。
「ほれ、着替えたぞ、寝ようか」
「う、うん」
そう言って二人ベットに入る、勿論別々だけど。
電気を消して、暫く天井を見つめていると、妹が話しかけて来る。
「お兄ちゃん、一緒の部屋で寝るの久しぶりだね」
「うーーんよくばあちゃん家だとあったけど、いとこが何人かと一緒だったからな、二人きりっていつ頃以来だっけ?」
「小学校3年生の時かなー?、お父さん出張で、お母さんが急に病院に行かなきゃ行けなくて、二人きりになった時、私なんか寂しくなってお兄ちゃんのベットに入り込んだの」
「ああ、起きたら栞が隣で寝てたやつな、覚えてるよ、部屋間違えたのかと思ってた」
「懐かしい……」
「そうだなー」
二人の沢山ある中の一つの思い出、今も現在形で積み重なっている二人の思い出……
「ねえ、お兄ちゃん、そっちに行っていい?」
妹がまたもや大胆な事を言ってくる、またズボン脱ぐぞ!
「えーーーーーー、駄目だろ、小学生じゃ無いんだから……」
「お願い……お兄ちゃん……」
しかし今日は、お風呂からの様子がおかしかった、最近のわがままを言っている感じでは無いそのセリフを聞いて俺は……
「じゃあ、今日だけな……」
そう言って布団をめくると妹は起き上がり、自分の枕を持って俺の隣にくる。
妹が隣で寝たのを確認して布団をかけると、目の前に妹の顔が……
薄暗い灯りでも分かる程、顔は赤く、目がうるうるしている。
そんな妹を見て俺の鼓動が早くなる。
「えへへへへへ、お兄ちゃんと一緒のお布団」
そう言って俺の胸に顔を近づける。
妹のシャンプーの香りにクラクラする自分を抑え
「明日早いから寝るぞ」
そう言って目を瞑った。
妹は泣いているのか、笑っているのか、少し震えるような仕草をしていたが、暫くすると寝息が聞こえて来た。
……凄いな妹は……
俺は今夜は寝れないな、明日船で寝るか……




