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15-4 俺の嫁?

 

 妹は若干顔を赤らめ、興奮した様子で会長に、敵意まるだしで問いかけている。


「ふふふ」


 会長が笑う


 俺の中でゴングがなる カーーン


「何がおかしいんですか!私は真剣に聞いているんです!」

 周りは呆気に取られている、白井先生に至ってはのけ反って椅子から落ちそうになっている。テレポーテーション使うなよ。


 一度不敵な笑みを浮かべ、再びアルカイックスマイルに戻して会長が答え始めた。


「笑ったりしてごめんなさい、栞さんはお兄様の事が大好きでいらっしゃいますのね、羨ましいですわ、でもご安心下さい、あなたの大事なお兄様を取ったりはしませんから」


 妹はぐっと前に出た、恐らく答えになって無いとでも言おうとしたんだろう

 しかし機先を制して会長が答える。

「あれは、外でお食べになっていたので、頭に虫がついておられましたの、失礼とは存じましたが、払って差し上げただけですよ」


「会長さんが悪い虫だったんじゃないんですか?」


「ふふふ、栞さんは楽しいお方ですのね、私もあなたの沢山のお友だちの一人として、お仲間に入れていただきたいわ、私たち仲良くなれると思いますよ」

 丁寧な口調で丁寧に返事をした。


「失礼しました」

 仲良くなれる、つまり手を出すつもりはない、その隠れた言葉を読んだのか? 妹は席に座り、周りにという体で謝罪する。


「ありがとうございます、分かって頂けてうれしいわ」


 怖いよー、怖かったよー、会長の裏の顔と、妹の俺に対する思いを知ってるだけに、何もいえなかったよー

 俺はすっかりびびってしまい、ただでさえ周りは女子ばっかり、まさに何かの弾みで、なろうの上位にランキングされたら、周りがみんな書籍作家ばっかりだった時のように怯えてしまう。



「えっと、誤解も解けた所で、今後の事を決めましょうか」

 さすがにこのままではと、白井先生が冷えきった空気の中で提案する。


「そうですわね、でも今からお話しもちょっと遅いですわね、とりあえず次回からにしましょう、さしあたってお二人の来週のご予定はおありで?」


「特には」

 それほど長い時間は経ってないので、今からでも良いだろうとは思ったが、この空気では恐らく何も出てこないだろうからなー。


「では、次回は来週の火曜日にいたしましょうか、そこで今後のお話しもしましょう」


 と言うことで一旦解散、というか俺と妹だけ解散なんだが二人外に出る。


「お兄ちゃん」


「ふぁいっ!」


「帰ろっか」


「あ、うん」

 おもいっきり噛んだ俺を気にせず家路に着く。


 そろそろ暑い日もあり、冬服では日中汗ばむ時もある5月の終わり、衣替えまでもうすぐだが、夕方はまだ少し肌寒い、そんな中での妹との帰り道。

 いつもはよくしゃべる妹が、今日はあんな事があったせいか、全くしゃべらない。

 心配になって声をかけようかと思った時に、ようやく妹が話し始めた。


「お兄ちゃん、ごめんなさい……あんな事言うつもりなかったんだけどつい」


「あ、うん、大丈夫だよ」


「私、あの会長さんを見たら、何か我慢出来なくって……」

 何に我慢が出来なかったのか、俺と会長の仲を疑った事をなのか、そう考えていると。


「あの会長さん、何か嘘っぽい、何がとはわからないけど、だから怒らせてみたの……」


「え?」

 その妹の言葉を聞いて一瞬背筋に寒気が走る。


「でも、それってお兄ちゃんを困らせる事になるって考えなかった、私最低だね」

 一瞬会長の裏の顔をここで言ってしまおうと思った。

 しかしあの会長の、『ビックリでも偶然でも自分の意思に反してでも同じよ、ばらしたらただじゃおかない』という言葉を思いだし躊躇してしまう。

 妹がその話しを他の人に言うとは思えなかったが万が一でもと考えてしまってる間に妹が話し始めてタイミングを逃す。


「駄目だなー私、お兄ちゃん最優先なのに、あんな事しちゃって」


「今日だけじゃないけど、栞は凄いんだから、俺の事なんて気にしないで、もっとどんどん自分の事を優先してほしいな」

 妹はじっとこっちをみる。


「えーーっと、それってあれでしょ?、最後に私の為に身を引く決意をとかっていうお決まりのエンディングとか考えてるんでしょ」


「えーーーと?誰に言ってる?」


「お兄ちゃんに決まってるでしょー、そうは問屋がおりません、絶対に離れてやらない、何があっても離れられないんだからねーだ」

 妹は俺を見てべーーっと舌をだす。


「ふっふっふっふ」

 その妹の言葉を聞いて、ついに来たと笑ってしまう。


「ん?」

 その笑いに意味がわからない妹は、俺の顔を見て首をかしげた。


「栞、そうは問屋が卸ろしませんだぞ」

「え?あ!」


「栞でも間違える事はあるんだな」


「それは、当たり前でしょー」


「どうだ俺に負けて悔しいだろー」


「え?私お兄ちゃんにいつも負けてばっかりだよ」


「なに言ってんだよ、勉強だって、運動だって、何もかもお前の方が……」


「ううん、そんなのは大した事じゃないよ、がんばれば良いだけ、お兄ちゃんは私なんかより全然凄いよ、私じゃお兄ちゃんには勝てないの、でもそれが嬉しいの、お兄ちゃんは素敵だなって」


「だから、お前は俺の事、買いかぶり過ぎてるんだよ」


「ううん、大切な事で、私がお兄ちゃんに勝ってる事は、お兄ちゃんの事を好きって気持ちだけ」

「だから、お前またそんな照れる」


「あと、友達の数かな~~~」


「しーーおーーーりーーー、お前、それは言うなって言ってるだろおおおお」


「あはははは」

 妹の頭に軽くチョップをしようとするも、頭を押さえてかわす妹に、さらにチョップを繰り出す。

 笑顔で逃げ回る妹を見ながらふと、3人の事を思い浮かべていた。


 妹と会長と白井先生の事を……









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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
― 新着の感想 ―
[気になる点] 長谷見なのか長谷川なのかはっきりしてほしい 白井先生出てきたあたりから酷すぎます
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