77-2 サブキャラ再登場
色々あってリハビリしております。
まずはこっちで復帰。
長い長い長い、1年以上にも感じるカラオケでの歌合戦が終わり……俺は都内にある某高級ホテルレストランで食事をしていた。
そして今、俺の目の前にはドレス姿の生徒会長が鎮座している。
「えっと会長って……まだ未成年ですよね」
以前から年齢供に謎の存在の会長は、ワイングラスに入っている紫色の飲み物を美味しそうに嗜んでいた。
「当たり前でしょ?」
高校生とは思えない艶っぽい仕草の会長は、少し頬を赤らめながらとろんとした目でグラス越しに俺をじっと見つめている。
出会った頃の様なその姿に、俺はドキドキを隠せないでいた。
「いや、昨今は未成年の飲酒はかなりタブーな」
「別に商業化やアニメ化するわけも無いし問題無いでしょ?」
「いや、BANの可能性は否定出来ない気も……」
「じゃあノンアルコールワインって事で手を打ちましょう」
「まあ、それなら……」
俺はそう言うと手に持っていた……ノンアルワインをゆっくりと口に流し込む。
そして目の前には噂に聞く生ハムメロンという恐ろしい組み合わせの料理が鎮座している。
俺はどうやって食うのか分からず、フォークで生ハムを弄っていると
「よく栞さんが許したわよねえ」
会長はワイン片手に首を少しだけ振りながらそう言った。
「まあ、意外とこういう勝負事には素直に従うタイプですから」
以前美月との勝負でもなんだかんだで従っていたし。
そこが可愛い所でもあるんだよな。
まあ、俺を送り出す時、かなり涙目だった事は会長にば黙っておく。
「でも……今は付き合っているんだし、きっぱり拒絶しても良かったんじゃない?」
「まあそう…………え?」
俺はとりあえず生ハムメロンの生ハムだけをフォークで取り、口に運ぼうとした手を止め会長を二度見した。
「あははは、バレて無いとでも思った?」
「……」
「ちなみに私だけじゃなく、生徒会の皆知ってるわよ?」
「……本当に?」
「……そっかあ、覚悟を決めて遂に禁断の愛に目覚めたのねえ」
会長はケラケラと笑いながら美しい所作で生ハムメロンを口に運んだ。
「だ!」
ま、マジか……騙された!
「あははは、大丈夫よ、気付いているのは私ぐらいだから」
さっきまでロイヤルファミリーを彷彿させる美しい所作で食事をしていたかと思うと、急にその辺にいる様な女子高生に戻り大笑いをする会長。
「人を引っかけといて良く言うよ……」
俺は冷静を取り戻す様に会長の食べ方を真似して、生ハムメロンを口に運んだ。
そうやって食うのか……思ってたより違和感無い……かな?
「まあ、貴方よりも栞さんを見れば一目瞭然だけどねえ」
「そうですか……」
ですよね……。
「うん、新婚旅行の新婦さんみたいな顔してるから」
「あーー」
全く隠す気がない栞のこの所の行動を思い出す。
「それで……もうしたの?」
「ぶふぉ!」
そのストレートな問いに俺は思わず生ハムメロンの口直しに飲んだノンアルワインを吹き出してしまう。
「あらあら」
「な、何を?!」
「惚けてる振り? 今時、高校生の男女が付き合ってする事って言ったら一つしか無いでしょ?」
「…………手を繋ぐでしたっけ?」
「ふーーん、ちゃんと言葉にして言って欲しい?」
「いや、大丈夫です」
俺は吹き出したワインをナプキンで拭きながら周囲を見渡した。
只でさえ場違いな高級ホテルのレストラン、若くて美しい会長とバリバリ高校生風な俺との奇妙なカップリング、しかも今俺がワインを吹き出した事により更に注目を浴び、皆ヒソヒソとこっちを見ながら話をしていた。
「で?」
「するわけ無いでしょ」
俺は周囲を気にして小声でそう答えた。
「あら、何故?」
「……付き合って直ぐにとか、俺も栞もそんな軽く無いですから」
口元まで出ていた『妹だから』という言葉を飲み込みそう答えた。
「シスターコンプレックスやブラザーコンプレックスの主な原因は二人きりでいる時間が長かった。姉妹から異常な迄に愛情を注がれた。姉妹を守りたいという兄の願望……ふふふ、全部貴方たちに当てはまるわよね」
まるで見て来た様にそう言う会長。
「……まあ、否定はしません」
しかし、会長は一体何が言いたいんだろうか?
俺達の関係を止める為とは思えない……。
「シスターコンプレックス、ファザーコンプレックス、マザーコンプレックス、エディプスコンプレックスなんて物もあったわねえ、全て近親間のコンプレックス、言わなくてもわかるでしょうけどコンプレックスというのは劣等感っていう意味なのよね、まあ最近は劣等感というよりは趣味趣向って意味で使われる事が多いけどね」
「……それで?」
「貴方はその劣等感に苛まれて、栞さんに手を出さないってところかしら?」
「──どうですかね」
「それともただ臆病なだけ?」
「……一体会長は何が言いたいんですか?」
もうこの際はっきりと聞いてしまおうと俺は会長を睨みそう言った。
「ふふふ、じゃあはっきりと言ってあげるわ、私がその練習相手になってあげましょうか?」
「……は?」
「ほら私って一応、経験豊富だしね」
「いやいやいやいやあ、会長の経験ってあの時のでしょ?」
出会った頃、洗脳された状態だった会長。
あの時の事をはっきりと覚えているのかも怪しい。
「そうね……あの時の私は私であって私じゃない、だからね……貴方に上書きして欲しいの」
会長はそう言うとテーブルにカードを一枚置いた。
このようにホテルの名前が入ったカード。
「貴方は経験が積める、私は忌まわしい記憶の上書きが出来る……悪い話じゃないと思うけど」
会長は少し悲しそうな顔で懇願するようにそう言った。
会社が無くなり父親が他界母親が癌で入院
ちょっと色々ありすぎて暫く休んでいましたがとりあえず来年より復帰します。
まだ色々あって少しずつになると思いますが、宜しくお願い致します




