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69 美月の誤算

閑話休題(笑)(=゜ω゜)ノ


「ふふふ、遂に出来た」

 ここの所少しお姉ちゃまに差をつけられたのは否めない。

 でも、私には切り札がある。


 それさえあれば、お兄ちゃまは美月の物に。


 ただ、これはチート行為……お姉ちゃまとは正々堂々と戦いたいと思いずっと封印していた。

 でもお姉ちゃまのあの自信……これはうかうかしていられないって、そう思った。


 そして私は禁断の封印を解き、遂に完成させたのだ。


「出来た……これでお兄ちゃまは……美月の物、ふふふふ、ふふふふふ」

 完成した……遂に完成した……ロリコンになる薬、名付けて『ロリコンになーれ』

 これさえ飲めば、お兄ちゃまは……ロリコンになる!

 

 そうすればもう美月にメロメロに……えへへへへえええ。


 二番じゃ駄目なのだ、恋とは二番じゃ駄目なのだ。


 今まで勉強でも運動でもぶっちぎりで一番だった。

 今までこんなにままならない事は無かった。


 一番欲しい物が手に入らないなんて……嫌。


 もう、うかうかしていられない。どんな手を使ってでも、お兄ちゃまには美月の事を一番に思ってもらわなければらない。


 これをお兄ちゃまに飲ませれば、美月の勝ちは確定する。

 私は出来たての薬品を手に、お兄ちゃまの元に向かった。


 お兄ちゃまとお姉ちゃまは、いつものコーヒータイム。

 そこでこれをお兄ちゃまに飲ませれば、お姉ちゃんまの前でお兄ちゃまは美月にメロメロになる。

 それをお姉ちゃまに見せつけ、私は勝利宣言を高らかに上げる。


「これで追い付ける……いや、大逆転出来る。ふふふ、あはははは」

 私は音をたてずに1階に降りると、リビングの様子を伺った。


 お兄ちゃまはリビングにいる。

 お姉ちゃまは多分キッチンだ。


 頭の中に以前より考えていた作戦を浮かび上がらせる。


 まずはお姉ちゃんまがコーヒーを持ってくる。

 そして二人がイチャイチャし始める……ふん!


 そこでキッチンから何か倒れた音、お姉ちゃまがキッチンに向かう。

 すかさずリビングに入り予め持っていた水をお兄ちゃまにかける。

 

 お兄ちゃまが部屋に着替えに行った隙に『ロリコンになーれ』をお兄ちゃまのコーヒーに入れる。



「完璧!」


 美月はお姉ちゃまがリビングに行ったのを確認し、キッチンに入ると氷を使った時限装置を素早くセッティングした。


「5、4、3、2、1」


「ガタン」


「ん? なんか落ちた?」


「俺が見てくるか?」


「んーーん、大丈夫、お兄ちゃんは寛いでて」


 今日の気温を考慮した時限装置は完璧なタイミングで発動するも、お兄ちゃまの優しさまで考慮していなかった。

 しかし幸いな事にお姉ちゃまの尽くしがそれを上回り作戦は続行した。


「お兄ちゃまあ」

 私は甘えた声でリビングの扉を開けると、お兄ちゃまに近寄る。


「おーー、美月いぃ、今、栞にコーヒーいれて貰ったんだ、美月も飲むか?」


「大丈夫、美月はお水がああああああああぁぁぁぁ」

 私はこれ見よがしにコップを見せると、そのまま躓いた振りをしながらお兄ちゃまにダイブする。


「み、美月いいい、だ、大丈夫か?!」


「う、うん、お兄ちゃまごめんなさい、ズボン濡れちゃった」


「ああ、平気平気、それより何か拭くもの」


「あ、お兄ちゃま美月が拭いておくから早く着替えて来て」


「いや、だけど」


「大丈夫、ほら偶然美月、布巾も持って来てるから!」

 私は予め持っていた布巾で床をゴシゴシと拭いて見せた。


「凄い偶然だな、じゃ、じゃあ」


「うん! 早く帰って来てねえ」

 私が笑顔で手を振るとお兄ちゃまはどこか腑に落ちない顔をしながらリビングから出ていく。


「チャーーンス」

 すべては作戦通りである。

 私は素早くスカートのポケットから薬を取り出すと、そのままお兄ちゃまのコーヒーに数滴垂らした。


「ふふふふ、これで」


「何をしてるのかな? 美月ちゃん?」


「え?!」

 その陰気な声のした方に振り向くと、そこには美月が仕掛けた時限装置を持ち阿修羅の様な形相をしたお姉ちゃまが仁王立ちしていた。

 阿修羅なのか? 仁王なのか? よくわからないが、とにかく怒りに満ちた雰囲気を醸し出している。


「何を入れてたのかな?」


「べ、べええつううにいい」

 私は持っていたアンプルを後ろに隠す。


「ほら! 今、なんか隠した?!」


「隠してないもん!」


「いいから見せなさい!」

 お姉ちゃまは短いスカートをきにする事なく美月に襲いかかって来る。

 

 私は素早く逃げようとしたが、おもいっきり足を滑らせソファーに倒れこんだ。

 あああ、私とした事が、床が濡れている事を失念していた。


「美月ちゃん!」

 お姉ちゃまが私の上に乗って来る。

 私は這うようにしながらソファーの端に身体を滑らせるも、肘置きに行く手を遮られてしまう。

 絶対絶命……作戦は失敗に終わった。


「それは何?」


「こ、これは……お兄ちゃまを……ロリコンにする薬」


「……は? なんでそんな物を?」


「だ、だって……」


「美月ちゃん!?」

 あ、ヤバい……本気で怒ってる。

 そりゃそうだよね……こんな狡い方法なんて……お兄ちゃまの身体の事もカンガエテ無いし……。

「ご、ごめ……」


 その時だった……いつの間にかリビングに戻って来ていたお兄ちゃまが呆れた顔で私達を見ながら、反対側のソファーに座りコーヒーを一飲みする。


「「あ!」」


「ん?」


「おおおお、お兄ちゃん!? だ、大丈夫?!」


「……何が?」


「お兄ちゃま?! なんともない?」


「ん? いや、相変わらず仲がいいなあって思ってさ」

 

「ど、どういう……事? 効かなかったの?」

 お姉ちゃまは不思議そうな顔で私に聞いてくる。


「…………あ」


「え?」


「ん?」


「そっか、あはははは、お兄ちゃまは元からロリコンって事だ」


「は?」


「え?」


「あははははは……」

 そうだった……元からロリコンに『ロリコンになーれ』が効くわけがなかった。

 私の作戦は見事失敗に終わった……。

 

 次はもっと強力な薬を……ってこれ以上ロリコンになったら美月よりも年下に興味を抱くかもしれない。

 それはさすがに犯罪でしょ?


 うーーん……お兄ちゃま……結構手強い。



『突っ込み不要で』



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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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