表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
282/339

67-3 記憶の中の妹


「ちょっと待ってええええええ」


「大丈夫大丈夫、見慣れてるから」


「いやいやいやいや、兄の……を見慣れてる妹ってどんなシチュエーションなんだよ」


「もう、お兄ちゃんだって見慣れてるでしょ!?」


「な、何をですか?」

 妹は俺のズボンを脱がせると、ゆっくりと立ち上がり平然と服を脱ぎ始めた。


「わ、わわわわわ!」

 俺は慌てて後ろを向く、そしてあくまでも動きづらい為に、足首まで落ちているズボンから足を抜く。


「わーった、わーーったから、せ、せめてタオルは巻いてくれ」


「ふふふ、しょうがないなあ」

 後ろから妹の笑い声、いや、待って、俺と妹の関係っていったいなんなの?

 そもそもこんな可愛い娘が俺の妹とか意味がわからない、全然似てないだろ?!

 でも確かにさっきの写真、一緒に俺が写っていた。


「ほらお兄ちゃん、入るよ」


「あ、ああ」

 俺は仕方なく服を脱ぎ、腰にタオルを巻いてゆっくりと振り返る。

 そこには、白い透き通る様な肌をバスタオル1枚で隠す天使が立っていた。

 白い肌を際立たせる漆黒の髪、細く引き締まった腕、綺麗で細い白魚の様な手。

 長くスラリと伸びた足、細い足首。

 なんだこの美人は……絵画の様なそんな神々しさを感じてしまう。


「えへへへへへ」

 そんな神々しさを台無しにする笑い方だけど、でもそれのおかげで近寄れる。身近に感じられる。


「じゃ、じゃあ……お願いします」


「はい、お願いされます!」

 妹は、妹らしきその栞という女神は、そう言うと俺の腕にしがみつく。

 支えてくれているというよりも、押し付ける様に……。


 小ぶりだけど形の良い胸が俺の腕に押し付けられ、俺は思わずフラフラと倒れそうになる。


「ほら! お兄ちゃんまだフラフラしてる、だから言ったでしょ?」


「いや、これは……」

 貴女の胸にときめいたからなんて言えるわけも無い。

 っていうか、この妹と言い張る可愛い女の子は俺と風呂に入るのになんの躊躇もしていない。

 肌を見せる事さえ、なんとも思っていない。

 つまり、二通り考えられる。

 一つは俺の事を家族と思っている。仲の良い家族、子供の頃から今に至って毎日の様にお風呂にはいっていた兄妹。

 ない事はない……お父さんと高校生でも一緒に入れると言っている娘もいるとかいないとか……。


 そしてもう一つの可能性。

 これが一番濃厚な気がする。


 俺がどうしようもない奴で、すでにこの妹と思わしき人物と、行くところまで行っている。


 しかも、俺は複数の女子と付き合っていて、今回の旅行も酒池肉林の……いやいやいやいや、まさか俺ってそんな奴?

 そしてあの婚約者がそれを聞きつけて……。


 辻褄があってしまう。


 そして俺はあの中の誰かに殴られこんな事に。


 でも、美月は、あのいとこは違うと言っていた気もする……いや、そもそもなんで美月があそこにいたんだ?

 まさか、俺はあんな幼い子供にも……あそこにいたのは全員……。

 そう考えた瞬間寒気がした。


「お兄ちゃんどうしたの?」


「いいいいい、いや、なんでもない、俺はロリコンじゃない」


「は?」


「いや、なんでも……とにかく入ろうか寒いし」


「うん!」

 俺は妹に支えられるようにして浴室に入った。

 そしてとりあえず湯舟で温まる為に二人でシャワーを浴びる。

 彼女の肌に水しぶきが当たり、ポロポロと玉のように落ちていく。

 それを見て俺は思わず生唾を飲んだ。


 いや、だって俺には全く記憶がない。

 いくら妹だと言われても、そんな感情はないんだ。

 いきなりこんな美少女と密室にぶち込まれ、あられもない姿を見せられ……興奮しないわけがない。

 そして俺には経験という記憶もない。今の俺はくそ童貞、そしてそういう事にまったく慣れていないヘタレ男なのだ。

 前の俺はどうだったかは知らないが……。


 俺はシャワーを浴びると慌てる様に浴槽に飛び込んだ……だって……さすがにこれは恥ずかしい。

 

「あん、お兄ちゃん危ないよ~~」

 妹は俺の後を追うように浴槽に入ってくる。

 うわ、うわわわわわわわ……。

 俺は慌てて目を背けた……だって、だって……いえるか!


「はああああ、温泉も良いけど、家のお風呂が一番落ち着くね」


 気持ちよさそうに肩まで浸かる妹……らしき人物……ああ、もうめんどくさい、栞さんと呼ぼう。

 栞さんは、そう言うと俺をみてニッコリと笑った。

 

 とりあえず怖いけど聞いてみよう。

 俺は単刀直入に栞さんに聞いてみた。


「あ、あのさ……俺たちって、本当のところどういう関係なの?」


「え? 普通に付き合ってるけど?」

 妹は真顔でサラッととんでもない事を言った。


「は?」


「えっとね、高校入学前に私が告白して、お兄ちゃんがOKしてくれたの」


「ええええええ!」


「あ、これお兄ちゃんがくれた指輪ね」

 妹は俺に安っぽい指輪を見せつけた。

 左手の薬指にはめた指輪を……。


「ほ、ほほほ、本当に?」


「本当だよ、私の目を見て、嘘をついてる目に見える」

 湯舟の中で、恥ずかしそうにする事なく、じっと俺を見つめる栞さん、いや、目を見ただけではわからんけどここまでのシチュエーション、状況証拠がすべてを物語っていた。


 俺は……栞さんと、妹と……付き合っている。


 そう、確信してしまった。



 


この作品の完全改稿版を書き始めました。

『超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。』

https://book1.adouzi.eu.org/n1184hi/

処女作で前半部分があまりに拙い為に修正を試みましたがうまくいかず、一から書き始めております。タイトルも最初だけしか合っていないので変えております。


とりあえず公募用に第24部分 7 兄と妹として

まで書いて、そのあとそこで終わらすか全部書き直すか決めます。


筋は変えてないので、途中からでも割り込みはできるとは思いますので(笑)


これを機会に読み直していただければ幸いです。

完全にどちらかに決めるまでは、こちらも随時更新いたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ