66-14 生徒会の旅
「あらあ、こちらは男性用ですわよ」
茜は俺の上にまたがったまま、焦る事なく来ることがわかっていたかの様に、栞と美月に向かってそう言った。
「へえ……じゃあ貴方は男って事ですね、お兄ちゃんはBLには興味無いよ」
「そうだよ! お兄ちゃまのエッチな本の中にびーえるは無かったよ、ちなみに一番多いのは美少女○辱で次にロ○でその次に○物だから、まれに○○や、○○○なんかもあって、美月じゃあまだ無理だけど頑張れば」
「やああめえええろおおおお!」
なんだ、虐めか? お前ら助けに来たんじゃ無いのか?
しかもなんで全部バレてるんだ? いや最近隠して無いけど、でもあれは囮で本命はちゃんと……。
「お兄ちゃん……妹○なんて……」
イヤンイヤンと栞が頬に手を添え顔を赤らめるって、さっき美月が伏せ字にしたのにそれじゃ意味ねえだろ? それに以前から言ってるが、あれは雑誌の中に数話入っているだけだ、勿論○リもだ!
そんな事より思わず裸の栞を見てしまい慌てて目を反らす。
最近全く隠す気無いな……。
「まあ、私は別に見られたままでも良いですけど、ね? ダーリン」
茜はそう言いながら指で俺の○○を触った。
「いい加減にしろ!」
美月はタオルで身体を隠したままツカツカと俺達の前に歩いて来ると、茜の肩目掛けて手を……え?
下からのアングルにヤバいと思うが美月は直ぐに俺の視界から消えた。
「きゃ!」
悲鳴を残し美月の身体が宙に舞う、そして『ザバーーン』と大きな音を立て、そのまま風呂の中に落ちていった。
「触らないで貰えます?」
俺の上でなんでも無い顔をして茜はそう言った。
「み、美月!」
俺は相変わらず茜が上に乗っているので、顔だけ起こして美月の姿を追おうとしたが、美月が身に付けていたタオルが俺の顔の上に落ちた。
あーーでも、うん、逆に助かったかも……これが落ちたと言う事は、美月があられもない姿で飛んで行ったと言うことだから。
それに栞はタオルも何も付けてはいない、勿論茜もだ。
つまり茜はそんな姿で俺のお腹の上に乗っているのだ。
俺は目を塞がれ感覚が鋭敏になる。
このお腹の生暖かい感触に思わず気が遠くなる。
「そこから退きなさい!」
「嫌よ、退かしたかったら力ずくでやってみたらいかがかしら?」
「そ、じゃあ……遠慮なく!」
栞がそう言ったその時空気を切り裂く、ちょうどバットで素振りをした時の様な音がする。
そして『パチン』と、肌を叩く音、『ブン』『パチン』『ブン』『パチン』とまるで香港映画の戦闘シーンの様な音がする。
しかし美月のタオルが俺の顔に掛かっているので二人が実際何をしているのか、その姿を見る事は出来ない。見た所で詳しく説明も出来ない。
「ぶうううう、油断した!」
さらに浴槽から美月の声が……つまり今ここには2人の美少女と1人の美幼女が裸でしかも想像だととんでもない姿でいるって事になる。
つまりこの顔に掛かっているタオルを外し詳しく説明すると、BANされる可能性があると言うこと……つまり俺は3人を止められないって事だ。
「ふふふ、やるわね」
「お兄ちゃんは渡さない」
えっと……なんだこれ?
まるでラブコメしか書けない作者が異世界の練習とばかりにラブコメの中で戦闘シーンを書いたら面白くなって他でも書き始めちゃった……テヘペロ……って言うような、よくわからない急な展開に俺は戸惑う。
「お姉ちゃま、ここは美月にやらせて!」
「ふん、ガキが生意気に私とやろうっての?!」
「あらあ、さっき迄のお嬢様言葉はどこへいったの? 急にキャラ変わるとお兄ちゃまに嫌われるよ?」
ああ、うん俺に嫌われるというよりは、だれだかわからなくなるっていうか……。
「○も生えていないガキが私とやり合うなんて10年早いわよ」
「生えていないのはそっちもでしょ?」
「私は処理しているだけよ」
「…………」
思わず栞はと思ったその時……「いっってえ!」俺の脇腹につねられた様な痛みが走る。
その突然の痛みで俺は思わず飛び起きた。
そして万有引力により、俺の顔に掛かっているタオルが腰上に落ちる。
「がは!」
栞は俺の脇にしゃがんで俺をつねっている。そのあまりの光景に思わず目を反らすと、そこには美月が茜向かって回し蹴りを放つ瞬間だった。
やーーーめーーーてーーーくーーーれーーー
どこを見ても色々とヤバい状況だが、俺にはどうする事も出来ない。
いや、一つだけ手があった。
こういっちゃなんだが、原因は俺なのだ、俺の取り合いなのだ。
ほんと自分でも何をいっているんだとは思うが、そういうことなのだ。
あかねが退いて自由になっている俺は、栞を見ないようにしながら素早く立ち上がると……そのまま走って脱衣場に逃げ込んだ。
「あ! お兄ちゃん!」
「おにいちゃま!!」
「ダーリン!」
後ろから3人の声が聞こえるが、俺はそれをすべて無視して乱暴に浴室の扉を閉めた。




