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62 お兄ちゃんの視線


「うふふふふ……えへへへへ……むふふふふふふ」

 お婆ちゃんの家から帰って来た。明日から学校が始まる。私は一通りの準備をし、部屋でくつろいでいた。


「きゃははは、むふううう、いひひひひひ」

 えっと断っておくけど、別に頭がおかしくなったわけじゃないからね……嬉しいだけなの。


「えへへへへへへへへへへへ、ぐふふふふふふふふ」

 私はお兄ちゃん抱き枕(自作)を抱きしめながらベットで寝転びこの幸せを噛みしめていた。


「お兄ちゃん……今日も私を見てくれた……えへへへへへへ」

 スキー旅行からの帰り、お兄ちゃんは私と目を合わせてくれなかった。でもお兄ちゃんが泣いて、その後私を抱きしめてくれて、それからお兄ちゃんの視線が変わった。

 

 私はお兄ちゃんの事をずっと見続けている。お兄ちゃんの事はなんでもわかる。まあ、心の中まではわからないけど、それでもお兄ちゃんに変化があればすぐにわかる。

 お婆ちゃん家でも視線が、私を見る目が少し変わった気がしていたけど、特に家に帰ってきてからが全然違う。優しく無くなったの……ううん、言葉とかそう言うのはいつも通り優しいんだけど、視線が、私を見る目が優しくなくなった。

 

 いつもはね、なんて言うのかな? 慈しむ様な凄く優しい視線だったの……


 それが今は何かこう、獣が獲物を捕らえる様な視線って言うのかな? そうそうたまに私の事に気がある男子が見せる視線って言うのかな? あれと同じ視線をお兄ちゃんから感じるの。

 

 もちろんお兄ちゃん以外の人からそんな目で見られるのは物凄く嫌だし、そんな目で近寄られたら身の毛もよだつ思いになる。けど、それが……お兄ちゃんだったら、お兄ちゃんがそんな目で私を見てくれたら、もう本当に最高! って思っちゃう。


 早く食べて! お兄ちゃん私を早く食べて~~~って思っちゃう。


「お兄ちゃんの中で何かが変わった……間違いなく何かが」

 その何かってわからないけど、私にとっては凄く良い事な気がする。


「うへへへへへ、ぐふふふふふふ」

 ああ、嬉しい……私の夢が、野望がまた一歩近づいた気がする。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんんんん」

 好き! 大好き! 大大大好き!! 私はお兄ちゃん抱き枕をぎゅっと抱きしめる、強く強く抱きしめた。

 

「でも……なんだろう、一体何があったんだろう?」

 間違いなく美月ちゃんが絡んでいる。初めは美月ちゃんとお兄ちゃんの間で何かあったのかと思ってた。お兄ちゃんのロリコンが遂に爆発した……って思ってた。でも、流石のお兄ちゃんでも美月ちゃんとなんて、そこまでバカじゃない……って思う……多分?


 でも……一つだけ気になっているのはあの夜の事だ。お兄ちゃんがこっそり部屋を抜け出してお婆ちゃん、弥生さんの部屋に行ったあの夜……私こっそり後を付けたの、どこに行くんだろうって……だってだって部屋を出てトイレと逆の方に歩いて行く音がしたから、お腹空いたのかなって、だったら何か作ってあげようかなって……そうしたらお兄ちゃんまさかの弥生さんの書斎に……『ま、まさか!』って思った……お兄ちゃんが逆ロリコンにって、弥生さんに夜這い? 


 私慌てて耳をすませて会話を聞こうと……、だってだって、お兄ちゃんが弥生さんに好意を抱いてたら、弥生さんが本気を出したら、私勝てない絶対に勝てないって……でも違った。弥生さんの部屋は防音だったので殆ど会話は聞こえなかった……けど、何かお兄ちゃんが弥生さんに質問している様な感じなだけだった。

 まあ、そもそも寝室ではなく書斎だし……でもお兄ちゃんそういうシチュエーションなにが好きなのかもって、前にお兄ちゃんの部屋で勉強教えた時お兄ちゃん妙にそわそわしてたし……


 ――――お兄ちゃん……ひょっとして……年上好き?

 

 でも美月ちゃんの事大好きだし、お兄ちゃんのエッチな本はどっちかっていうと幼い感じの絵が多かった。だから私……いつもお兄ちゃん前では出来るだけ可愛い、ロリっぽい感じの服とかにしてたんだけど……


 お兄ちゃんひょっとして、ロリでもあり年上好きでもあるのかも……だから中途半端な私に手を出さない、ううん、美智瑠ちゃんにも麻紗美ちゃんにも……会長にも皆に手を出さない……


 そう……お兄ちゃんの初恋って確か先生……かなりの年上……しかもロリ……さ、最強じゃない!


 まずい、まずいよまずい、それだけは駄目、私はお兄ちゃんの為ならどんな事でもするって決めてるけど……それだけは駄目、ううんしたくても出来ない……


 私は……お兄ちゃんのお姉ちゃんにはなれない……


 ああ、そうなの、駄目なの、お兄ちゃんの年を越える事は出来ないの……


「あああああああ、どうしようお兄ちゃん年上好きだったらああああ」

 ひょっとして卒業待っている? お兄ちゃんと先生は卒業まで、あああ駄目! 何か何かいい手はない? 


 そうだ! 美月ちゃんに協力してもらってお兄ちゃんを光速で飛ばして年をとらせない様にして、その間に私がお兄ちゃんの年を越えれば! でも……そんな事をしたら何年も離れ離れに……それは嫌! 絶対に嫌!!


「あああ、お兄ちゃん……」 


 お兄ちゃんは一体ロリコンなの? 年上好きなの? それとも……






おバカ回でした(笑)m(_ _)m


 短編書きましたので良かったら読んでみたください。

『妹に彼氏が出来なかったら、俺が責任を取る事になった。』

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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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