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53-9 生徒会長選挙


 栞はその頃、お手製のお兄ちゃん抱き枕を抱きながらベットに横たわっていた。


「えへへへへへへへへへへへへへへへ」

 お兄ちゃんが私の事を考えてくれている、敵でもいい……私の事を考えて、思い続けてくれている。

 

 そしてさっき私の所に戻ってくれるってちゃんと言ってくれた。


「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん、えへへへへへへへへへへへへへへへ」

 

 どうしよう、私のお兄ちゃんへの気持ちはもうカンストしていると思っていたのに、最近それも越えてしまった気がする……なんだろう、もう地球規模じゃない、太陽? ううんペテルギウス? ううん、宇宙空間? もうそんな実在する物に例えられない位

 好き、好き、好き、大、大、大好き。


「お兄ちゃんの為なら何でもするよ、私……何でも出来るよ」

 お兄ちゃんの為なら死んでもいい、お兄ちゃんの為なら犯罪だって気にしない、私はお兄ちゃんの為なら何でもする。


 「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……」

 抱き枕をギュッとギュッとする。

 

 本当なら片時も離れたくない、ずっとくっついていたい、小さくなってお兄ちゃんのポッケに入っていたい。


「お兄ちゃんと同化出来たら良いのに……」

 出来ないのかな? おもいっきりぶつっかったら、細胞が結合したりしないかな? あ、なんか昔のアニメでカエルがシャツに貼り付くってのがあったよね、あんな感じにならないかな?


「シャツじゃなくてお兄ちゃんに直接貼り付けたら良いのにな」

 何か手術とかして同化出来ないかな?

 お兄ちゃんにくっつきたい、お兄ちゃんにずっと抱きしめられたい。


 最近作ったお兄ちゃん抱き枕、一人の時はこれに抱き付いて気をまぎらわせている。

 

 この間まで一緒に寝れたのに、本物のお兄ちゃん抱き枕と共に寝れたのに


「美月ちゃんのバカ……」

 美月ちゃんに言われてお兄ちゃんは一緒に寝てくれなくなった、人間って一度贅沢を味わうと戻れなくなるって言うけど、本当なんだね。


 もうお兄ちゃん自身か、このお兄ちゃん抱き枕が無いと眠れない。



 友達とお喋りしたり、メールしたりラインしたりするのは楽しい、ううん、楽しかった……でも今は……お兄ちゃんの事を思いすぎて、考え過ぎない様にする為に友達と話す、お兄ちゃんが出掛けたり、買い物に行ったりして、隣に居ない寂しさをまぎらわす為に友達と話す。


 今隣の部屋にはお兄ちゃんが居る、だから携帯の電源を切って友達から距離を置き、私は壁際でお兄ちゃん抱き枕を抱きながら、お兄ちゃんの行動に耳を澄ませている。


 小さいけどお兄ちゃんの声が壁から聞こえてくる、多分美月ちゃんと話しをしているんだろう、ちょっとヤキモチ、でもその相談内容は多分私の事、明日も皆と選挙の会議をするんだろう、でもそれも話す内容は私の事……

 

 今回私はその場に一緒に居られない……でも……


 「えへへへへへへへへへへへへ」

 お兄ちゃんが私の事で頭を一杯にしてくれる、私の事を考え続けてくれる。


 なんて幸せなんだろう。

 

 嬉しい……



 そうそう最近私……部屋で音楽を聞かなくなった、だって隣から凄く良い音が聞こえてくるって分かったから


 それはお兄ちゃんの声や物音、まあ声は誰かと電話をしているって事だから……最近多くなった……前は殆ど無かった……くっ……


 部屋から聞こえてくる独り言以外の声はあまり良いとは思えないけど、お兄ちゃんが一人で過ごしいている時の音、物音……あれは……なんて良い音なんだろう?

もう交響曲の様な深い音楽を感じる。


 コツンって壁から音が、今ベットに寝て足がぶつかったのかな? 

 ドンって音が、何か落としたのかな?


 想像が掻き立てられる、ああ、お兄ちゃんの部屋の音ってタイトルでCD化とかしないかな?

 え? 自分で録れって? うんやってるよ、でも音質が今一なの、高性能マイクで録音して、MP3に変換してPCに保存してる、日付と時間を入れて管理しているから、いつでもその年、その日、その時間のお兄ちゃんの物音が聞ける。


 今度『ト単調お兄ちゃん交響曲2018』を編集して作る予定。


「あ、声が聞こえなくなくなった」

 美月ちゃんとの電話が終わったんだろう。

 そしてギシギシっていうベットの音が、お兄ちゃんがベットに飛び込む様に寝転んだのかな?


 何を話したのか、会話の内容までは聞こえない、でも恐らくは私の事を話していたんだろう。

 嬉しい……お兄ちゃんが美月ちゃんや他の女の子と会話しているのは、見るのも聞くのも嫌、でもその内容が私なら、私の事なら凄く嬉しい、良い事でも悪い事でも私の事なら全然良い。


 怖いのは忘れられる事、記憶から無くなる事、興味を無くされる事。


 私とお兄ちゃんは兄妹、一生離れられない運命、でも心は離れていくかもしれない、私以外の女の子に心を奪われるかもしれない。


 怖い……お兄ちゃんが取られるのが怖い、お兄ちゃんが奪われるのが怖い、私から離れられるのが怖い、私の事を忘れられるのが怖い。


 良い事でも、悪い事でも良い、私の事を思い続けてくれれば、私の事を考え続けてくれるなら、私の事を忘れずにいてくれるなら。


 私は幸せだよ……今とっても幸せだよ……お兄ちゃん。

 






 


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    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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