4-0-1 お兄ちゃんの誕生日プレゼント
栞の兄への誕生日プレゼントの準備
それは半年前から始まっていた、はええなおい
「今年はどうしよっかなー?」
高校受験期間真っ只中だが、栞の最優先事項は兄、県内有名進学校にと教師に強く言われ渋々受ける事にしたが、兄と同じ県立に行く事は既に決めている。
因みに、それだけの学力がある栞が主席ではなかった理由は、
試験会場の教室に兄がおり、久しぶりに兄の学校での姿、真剣な試験を受けている姿に見とれて最初の教科の得点を極端に落としてしまった為である。
「どうしよう、私の(自粛)とともに編んだセーター?、それとも私の(自粛)を入れたチョコレート?あ、それはバレンタインの時だし」
18禁ではないので18歳以下は()の中は気持ちって脳内変換してください。
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【兄へのプレゼント 手作り】
「うーーーん、ご飯とかケーキとかかーー、何か残る物が良いなーそれを見た時に、私の事ちょっとでも考えてくれるかも知れないし」
続いて
【恋人 誕生日プレゼント 手作り】
「あくまで参考の為よ、参考の、お兄ちゃんが私の恋人になるわけでは、わたしの恋人…、お兄ちゃんが恋人、えへへへへへへへ」
誰に言い聞かせるわけでも無く栞は一人でぶつぶつと喋っている、誰か止めてあげてー
「アクセサリー、うーんチャラチャラしたお兄ちゃん、それはそれでありかも、でもモテちゃったら、最近麻紗美って子と喋ってるらしいし」
先ほどまでニコニコしていた栞が突然うるうるしだす。
「いけない、いけない、大丈夫付き合ってないって言ってたし」
数人の友達からの情報を信用し気持ちを持ち直す。
因みに誰とでも直ぐに友達になれる特殊能力を持つ栞が、麻紗美と友達にならなかったのは、真実を聞くのが怖かったのと、自分を起点に兄への接点が増えてしまうんじゃないかとの打算から避けているのが原因。
「包装は大事、なるほど、手紙を添えるあーいいなやってみたいなー、シチュエーション、お兄ちゃんと夜の夜景を見ながらとか?きゃあああああああ、あーーどうしよっかなーーーえへへへ」
栞の楽しい時間が過ぎていく、てか勉強しろよ
「やっぱりセーターは重いのかー、去年もそれを聞いて辞めたんだよね」
定番のセーターを作ろうと友達にさりげなく聞いた1年程前の事を思い出す。
「プレゼントにセーターってどうだと思う?」
「しおっち彼氏できたのおおおお!」
「いないよ、いないよ、そういう、本をよんだの本をね」
あわてて両手を振りつつ否定する。
「えーー今時そんなベタなプレゼントしか思いつかないの?その作者才能無いねー」
(ほっといてくれ)
「セーターとか重すぎでしょーまあ、しおっちなら相手はメロメロだろうし超喜んじゃうんだろうけどねーー」
「やっぱりセーターは重いのかー」
「あーーーホントに彼氏居ないの?」
「いないよーーー」
「じゃあ好きな人は?」
「え? …いないよ」
「あーーー今、間が空いたでしょー教えなよーー協力してあげる、てか、しおっちならだれでもOKもらえるでしょー告白しなよー」
「そんなことない!!」
強く言ってしまう
「え?」
その姿に驚く友達A(さっきの才能うんたらの恨みで名前つけてやらん)
「あ、ごめんそんな事ないよ、私にそんな魅力ないよ」
「しおっち……」
一年前の友達との会話を思いだし栞は再び落ち込む
「お兄ちゃんに好きになって貰える魅力なんて……私にあるわけない」
上がったり下がったり忙しい栞
こういった精神状態が後に限界を迎えた訳だが
「ダメダメ集中、今はお兄ちゃんのプレゼントに集中」
いや勉強に集中しろ
「去年はそれで編みぐるみにしたんだよねー」
「私とお兄ちゃんをモチーフにした男の子と女の子の編みぐるみ、今もお兄ちゃんの机に飾ってあってーーあれを勉強の度に見てくれて私の事思い出したりしてくれてるのかなー、うふふふふふふふ」
エレベーターの様に感情を上下させ、栞の兄への思いはエスカレーターの様に上がっていった。




