表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/339

39-5 裕の凄さ

 

「あっはははははは、美月はそんな事で悩んでいたのか、ばっかだな~~」


「バカ! 美月バカなの?」


「うん、美月はバカだな……」


「ええええええええ、どういう事お兄ちゃま」

 美月が俺の胡座からずり落ちる。そしてくるりと周り俺の膝の上に手を起き俺を見つめる、ああ可愛いな~~美月。


「あのな、まず一つ、俺は妹に見続けられて居るんだよ、まあ最近知ったんだけどな。そのもう何年も見続けている妹が俺を好きって言い続けてくれる、凄くないか? もし美月が俺の全てを知って俺を嫌いになったなら、妹に言ってくれ、栞は俺を過大評価しすぎてるんだから」


「お兄ちゃま……、でも……それだけじゃないの、お兄ちゃまの本心が……、誰を好きで愛してるとかわかったら……美月は悲しくてそれも怖い」


「あーー、うん……、でもそれもな、美月はわかってないんだよ」


「わかってない?」


「そう、美月は理系だからな……そうか、うん美月はもっと文系の勉強しないとな、弥生さんが居るんだから」


「え?」


「元来、人の気持ちなんて揺れるし変わる、俺は栞がさっきまで一番好きで一番大事だと思ってたよ、でも今美月を前にしたら美月は可愛い、大好きって感情になる。人の気持ちって揺れるんだよ、そして変わる変わり続ける、答えは一つじゃない」


「俺を見続けて結論を出しても、その数秒後にはその答えは変わっているかも、数秒後じゃなくても数年後には全然違う答えになっているんだよ、だからな、全然見続けて構わない、俺はなんとも思わない、そして美月の出した結論を完全否定してあげるよ」


「お兄ちゃま……」


「美月のその人の中を見る能力は凄いよ、人を理解しようとするってのは良い事だよ、でもね100%その人を理解するなんてできないんだよ、だってその人自信、自分の事を100%理解出来ている人なんて居ないんだから、だからどんどん俺を見て理解してくれて良いよ、俺も美月を理解する努力をする、お互いがお互いの気持ちを理解出来れば、凄く良いと思わない? 悪いところがあれば指摘してくれ、そうすれば直す事だって可能なんだよ、だって人は変われるんだから」



「……人の気持ちは一つじゃないって事……そうか……そうだよね、そうなんだ!!」


「そうだな、一つじゃない、気持ちなんて一つな分けない」


「うん! お兄ちゃま!!!」


 美月は俺の胸に飛び込む、勢い余って後ろに倒れこむって後ろは布団だよ、ダメだって~~~


「お兄ちゃま、お兄ちゃま、お兄ちゃまはやっぱり凄い、お兄ちゃまは天才」


「ちょっと美月、まあいいか、あのなこれに限っては俺が凄いんじゃないよ、美月がまだ子供って事だよ」


「うん、美月はまだまだバカなんだね、もっともっと勉強しないとね」


「いや、勉強とかじゃ無いんだけど、まあ人生って勉強かな?」


「お兄ちゃま~~大好きい~~~」

 胸に顔をこすり付ける、子猫のようで超可愛い、なにこれ飼いたい、飼っていい?


「でもお兄ちゃま、それじゃお兄ちゃまは延々誰も選ばないって事になっちゃうよ、長谷川ハーレムでも作る気なの?」


「なにその微妙なネーミング、作らねえよ!」


「美月は愛人さんでもいいよ~~」


「やめなさい、小学生の愛人とかどんだけ終わってる……」


「じゃあ正妻の座は美月で」


「ハイハイ、どっちにしろまだ高校1年だぞ俺、そんな事決められるわけないだろ」


「美月もお兄ちゃまと結婚出来るまであと7年も先だしね~~」



「ずいぶん先の話しだな……じゃあ、こっちの小学校に転校って事でいいな?」


「……ううん、美月ね明日向こうに戻るね」





「…………え?」





「美月明日で夏休み終わりなの、だから明日向こうに戻るね」


「な、何でだ?、俺は大丈夫だよ……、栞も、それなのに……帰るのか?」


「ううん、帰るんじゃないよ、向こうに行くだけ、ここが美月の家だよ」


「え? 向こうにわざわざ帰らなくても手続きとかは全部やってくれるぞ?」


「違うのお兄ちゃま、美月は帰るんじゃないの、向こうに行って来るの、そして戦って来るの」


「戦う?」


「そう、皆の事を変えてくる、変えられたら美月の勝ち、そしたらこっちに帰ってくるね」


「え?」


「お兄ちゃまが言ったでしょ人は変わるって、美月はそう思わなかった。でも言われてみればそうだよね、だから美月は逃げない、相手が傷ついても言ってあげる、……変えてあげる」


「美月……」


「お兄ちゃま……ありがとう……、そんな悲しそうな顔してくれて」

 美月は涙ぐむ、俺も……


「大丈夫、美月だよ、お兄ちゃま、すぐに皆を変えてくるから、そうしたらこっちに帰ってくる」


「いや…………うん……そうだな美月なら直ぐだな」

 嫌だ、という言葉を飲んだ。 俺は何とか美月を送り出す言葉を発した。


「それに海外じゃないんだから、直ぐに帰って来れるよ、電車で数時間なんだから、お兄ちゃまと離れて1000怖くなるだけ……」


「うん、俺も1000位寂しい、けど我慢するよ」

 美月と半月も満たない生活でこんなにも寂しくなるなんて……



「お兄ちゃま、美月に……最後に……怖さを0にしてくれる」


 0?……えっと0って……ええええええええええええ!



「お願い、お兄ちゃま……、美月に勇気を下さい……」

 美月はそう言って、ブラウスののボタンをって……おいおいおいおいおいマジか!!



「美月!!」

 俺は美月をそのまま抱き締める、思いっきり抱き締める……


「ぐえええお、おにいじゃま……」

 俺の中に入れる位、同化する位強く強く抱き締める!!


「お、おにいじゃま、ぐ、ぐるじい」


「美月、美月、美月!! どうだ!0だろ、一つになっただろ!」

  ギリギリと美月の身体から音がするくらい、強く強く抱き締める!!


「うん、なっだ、おにいじゃま、なっだよ、ぐえ」

 やばいかな? これ以上したら美月が潰れる……俺は美月をそっと離す。


「はあああああああああ、お兄ちゃま!!美月を殺す気!!」


「美月が社会的に俺を抹殺しようとしたからな!」


「もう最後がこれじゃ色気がないよう」


「小学生が色気を求めるんじゃないよ……じゃあ、ほれ」

 俺は美月の首筋にキスをする……これなら社会的に抹殺されないよな? 大丈夫だよな?……


「ふええ、…………もうお兄ちゃま本当にヘタレだね、最後は唇でしょ」


「だって最後じゃないんだろ、直ぐに帰ってくるんだろ?」


「ふふふ、そうだね、じゃあいいか」

 美月は笑顔で俺を見る、その瞳にはもう涙はなかった。


「明日送るからな」


「いいよ、お兄ちゃまは明日デートでしょ、お姉ちゃまに送って貰う」


「そんなの延期して貰う、それにまだ約束もしていない」

 今夜電話がかかってくるって言ってたからまだ何も決まってない……


「ダメだよ、美智瑠ちゃんも、麻紗美ちゃんも楽しみにしてるんだよ、美月の友達を泣かさないで」


「友達?……美月……友達になってくれたのか?!」


「うん、二人とも美月の親友だよ、お兄ちゃま……ありがとう、だからお願い……ね、美月お姉ちゃまと二人で話したい事もあるし」


「そうか……わかったよ、向こうに着いたら電話しろよ」


「うん、電話もするし毎日ラインも送るね、既読スルーしたらダメだからね」


「それじゃ延々終わらないじゃないか」


 俺と美月は思いっきり笑うと再び美月は俺に抱きつく、今度は俺もそっと抱き締める。


「お兄ちゃま大好き……直ぐに帰るからね」


「俺も大好きだよ美月……待ってるよ」





 美月は明日長野に戻る……直ぐに帰ってくるかは…………美月次第……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
    こちら作品の完全改稿版を書きました         
  超絶コミュ力の妹と陰キャの俺、そんな妹に突然告白され、俺の高校生活がとんでもない事になった。           
  もしよろしかったら読み直してくださいませ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ