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【漫画単行本4巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
初イベント!『キャンディ・ピニャータ・パニック!』

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普通最終日に合体すると思います???

「敵がゴミのようです……」


 暴風雨の中呟くと、私に乗られているシズクが呆れたように身をよじらせた。

 はい、現在大きさの暴力でひたすらピニャータを吹き飛ばし続けています。ラスト。最終日だよ最終日! 


 なんか公式から、最終日のみ現れるピニャータがいるとかなんとかアナウンスがあったけど、一向に見つからないし……幻想蝶々みたいにシズクのピット器官でも発見できないタイプのピニャータだったら嫌だなあと思った結果。


 周り全部吹き飛ばせばよくね? 


 という結論に落ち着いた。

 暴論? 最終日でみんな死に物狂いにイベント走ってるからいいんだよ! 妨害になっているような気もするけど、使える力は使わなくてはね。出し惜しみしてランキングが落ち込むほうがむしろゲームに対して失礼でしょう。


 遊ぶときは全力で! 友情崩壊ゲームだったとしても、全力で向き合わないと遊ぶ意味ないもの! 騙すようなゲームなら真摯に騙しに行く! ゲームの所業とリアルは分けて考えましょうがモットーだ。限度もあるけどね。


「シャー!」


 大嵐。


「ケェーッ!」


 天空から降り注ぐ炎を纏った羽根。


「アウウウウウン!」


 一瞬で地面が凍り。


「ウニャアアアン!」


 転んだところに落雷が突き刺さる。


 ……天災かな? 


「うちの子達本当素敵ですね」


 まあ、各地で似たような現象も起こっているので、みんな考えることは同じだ。私の聖獣達が大きくてちょっと派手なだけで、空爆は結構いろんなところで見かける。戦争でもしてんの? って光景になってるけど。


 平和な世界という言葉の定義が問われるね、これは。


「しかし、絶景ではありますが……世界観が壊れますね」


 独り言を口にしながらメッセージウィンドウを出す。

 書くのは運営への改善要求だ。主な内容は、サーバーをもう少し多めに開設してほしいということ。そしてイベント中はカオスになるので、それぞれソロで飛ばす専用のサーバーを用意したほうがいいんじゃないか、ということだ。

 イベント会場の入り口を潜ったら、その先のサーバーでイベントを走る……みたいな。こうも人が多いと争奪戦になるか、こうして大型爆撃をして他人から獲物を掻っ攫うかになってしまう。


 カオスなのは嫌いじゃないけど、なるべく整理したほうがいいと思うの。

 これがはじめてのイベントだから、まだまだ改善の余地はあるはず。つい先日運営ちゃんを応援するスレなんてものもできていたので、労いの言葉を挟みつつ要求をメッセージに書き込む。


 あの運営ちゃんならきっと頑張ってくれるはず。泣きながら社員が作業することになるかもしれないが、本社にコーヒーを箱で送るからそれで頑張ってほしい。


 課金に手を出していないくせに、なぜかそういうところでお金を使う私なのである。ダウンロードコンテンツとかも販売していいからね……私オタクだから全力で貢ぐよ……じゃぶじゃぶお金入れるよ……。


「……と、なんかいる」


 遥か下の方を覗き込むと、三種のシークレットピニャータが目に入った。

 三人パーティが戦っているようだけれど、押され気味。助太刀(すけだち)でもしようかなと考えてシズクをそちらに向かわせる。あの三人の獲物なら、私達が倒してしまうわけにもいかないし、シズクは地上に降り次第小さくなってもらう。


「大丈夫ですか!」

「え、あ? あー! 動画の人!」

「ひぇっ、ケイカさんだ……本物……」


 声をかける。どうやら私を知っているみたい。有名になったなあ。

 最後の一人が無言で拝み始めたので苦笑いしながら「お手伝いしましょうか?」と提案する。


「お願いします。もう一時間くらい終わらなくて……三十分経った頃からなにかカウントダウンしていますし、疲れてしまって」

「カウントダウン?」


 パーティに参加する申請を出して戦闘に参入。

 それからキャメレオンを見ると、確かにカウントダウンをしていた。あと一分……? いや、やばくね? なにが起こるのこれ! 


「公式から、こちらの聖獣の『負の感情のパラメーター』をゼロにして、その吸収した厄の分ピニャータが強化されると言われていますが……どうやら即席で組んだ人がだいぶ聖獣を酷使していたようでこのありさまです」


 その人の聖獣の負の感情を食べて、シークレットピニャータが強くなっているということか。


「その人はどこに?」

「やられて死に戻りしました。迎えに行く余裕はちょっと……」

「そうですか」


 って、話している場合ではないね? 

 対の扇子を構えて緋扇の舞と疾風の舞を踊り、パーティ全体の攻撃力と素早さを底上げする。


 そして、カウントがゼロになるのを見届けた。

 爆発でもするのかな? 


「キュルルルルルァ!」

「嘘すぎない……?」


 カウントがゼロになった途端、キャメレオンにものすごい量の蝶々が集まりその背中に巨大な蝶の(はね)となってくっつく。そして、コウモリもキャメレオンの背中に張り付き一体化。蝶の翅とコウモリの翼が生えたカメレオン……という合成獣じみた姿に変化した。


 最終日だけに実装するにはもったいなくない? リソースもっと効率的に使おう? 運営ちゃん、これ今日一日だけ使って破棄するつもりなの? どういうことなの?


 そんなことを考えながら、パーティのお手伝い程度に留めるか、どうするかを悩むのだった。

イベント終了後にステータス一覧載せたやつと本編を二話更新できるようにしておきます! そう決めた!

そろそろ掲示板も挟みたいですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 前話の「殺意を高めない」とはなんだったのかww
[一言] や さ い せ い か つ
[一言] >即席で組んだ人がだいぶ聖獣を酷使していたようで この理屈で言うとPK鯖は阿鼻叫喚の地獄絵図じゃないんですかね
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