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【漫画単行本4巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
四匹目!『高原を駆ける雷皇―ライコウ―』

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麗しき私のアクアマリン!

 配信中の視聴者に聞いてみたり、アンケートをとってみた結果。

 ――やはりといっていいのか、海蛇への進化を推す声が大きかった。


 それから『シズク』本人……本蛇? に聞いてみてはどうだろうという意見もあったので、とろとろになってうつらうつらと船を漕ぎ始めた彼女に尋ねる。


「シズクはどっちがいいですか?」

「るる……」


 シズクは迷いなく蛇のままでいることを選んだ。

 たしかに、蛇系統でないと『ピット器官』が消えてしまいそうだし、それ故にせっかくの隠密性が失われるというデメリットも大きい。


 海竜に乗って水の上を旅するのも楽しそうだけど、今のところ海が近くにあるという情報はないし、陸地で動きづらくなるのもデメリットのひとつ。あとなにより、首に巻けなくなるのはちょっと寂しい。ここ重要! 


 海蛇路線でも、進化していけばミズチのように大きくなって乗れるようになるだろうし……やはりここは『ルナ・アクアマリン・サーペント』への進化でしょう! 


「決めました!」

「その心は?」

「いや、『整いました』じゃないんですから」

「ネタが通じるケイカさんが好きにゃん」


 謎かけじゃないんだからまったく。この人いくつだよ。アバターは私よりもよっぽど年下っぽい猫耳ロリだけど……身長やら性別まで変えてプレイしている人もいるだろうからなあ。


「なにか失礼なこと考えてるにゃん?」

「そんなことはないですよー、やだなあー? ルナテミスさんったらー」

「嘘がド下手くそにゃん」

「わざとです」

「腹黒いにゃ!?」


 とまあ、漫才みたいなやりとりをしながら覚悟を決める。

 どれくらい大きくなるだろうか? 膝の上から床の上にそっとシズクを下ろし、どことなく名残惜しそうにしている彼女の頭をくりくりと撫でた。


「多分お店を壊すほど大きくはならないはずです」

「天井は高めにしてあるから気にしないでほしいにゃ。遠慮なくいっちゃってー!」

「はい!」


 ルナテミスさんの許可も得たのでいきます! 

 私が選択するのは『ルナ・アクアマリン・サーペント』! 

 目の前に浮かぶウィンドウを操作し、イエスのボタンに拳を叩きつける。


 ぱりんと割れるような表現のあと、一拍置いてシズクの体に変化が起こった。

 体をゆっくりと伸ばすように天へ向けて頭を振り上げ、その状態のまま白い光に包まれてだんだんとその大きさを増していく。

 影の形に変化が起こり、真っ直ぐに生えていたツノが頭の左右に分かれ、羊のツノのように巻きヅノの形へとなっていく。尻尾の先に行くにつれて鱗の中に青色の宝石のようなものが嵌め込まれるように現れ、額の宝石も美しい青色に。


 そこにいたのは、畳一枚ほどの大きさになり、文字通り全身にアクアマリンが散りばめられたかのような美しい蛇に進化したシズクであった。

 幻想的なその光景に息をのんでいたのは、私だけではない。ルナテミスさんも「蛇もいいね〜」と呟いている。この人の場合、多分猫科しかスカウトしないんだろうけど。


「シズク、綺麗ですー!」

「しゅるるぅ」


 喜びの声をあげて柔らかく抱き込めば、シズクが私の肩にそのまま頭を乗せて気持ちよさそうに鳴き声をあげる。なんていい子なの! 




 ━━━━━


【清らかなる】聖獣ルナ・アクア・サーペントが【清らかなる】聖獣ルナ・アクアマリン・サーペントへと進化しました。

 ステータスポイントを10取得しました。


 ━━━━━




 よし、これで私もシズクもステータスを伸ばすことができるね。

 さてさて、スキルは増えているかな? 


「ステータスを確認しますね〜」


 進化したシズクのそばにオボロとアカツキが寄ってきて歓迎する。

 三匹がわちゃわちゃしているところに私も混ざりにいきたいが、今は我慢だよね。ステータスを見なくちゃ。ここで見なかったら絶対忘れる。



 ━━━━━━


 名前: 【シズク】

 種族: 【清らかなる】ルナ・アクアマリン・サーペント

 属性: 雨・月

 レベル: 1

 体力: 100

 S P: 110


 ステータス:

 力: 5 防御: 10 敏捷: 5 器用: 10 霊力: 50 幸運: 20


 ステータスポイント: 10


 状態: 健康

 感受性: 80

 信頼度: 100

 忠誠度:100

 信仰度: 20


 スキル

【青龍の加護Lv1】【アクア・ボールLv1】【アクア・ブラストLv1】【ピット器官Lv1】【遊泳Lv1】


 ━━━━━━



 お、進化でスキルが増えてる! やった! 

 アカツキやオボロのときはそこまでがっつり姿形が変わらなかったのでスキルも増えなかったが、どうやらランダムで増えることもあるらしい。こればっかりは運なのでやり直しとかはできないが。


 内心ガッツポーズして遊泳の説明をタップする。




 ━━━━━━

【遊泳】

 不可思議な力で地面から浮かび上がり、【遊泳状態】となる。この状態の際は雨属性スキルの効果が1.2倍となる。また、一切の音を発さずに移動が可能となる。3分間の持続後解除され、1分間のクールタイムを必要とする。


 ━━━━━━


 なるほどなるほど、隠密系統が得意になるっていうのはこういうことか。

 得られるスキルはランダムとはいえ、ルナ・アクアマリン・サーペントに相応しいスキルから選ばれるとのことなので、かなり使いやすいだろうな。

 クールタイムがあるとはいっても、足音(シズクの場合体をくねらせる音)がしないのはありがたい。


 それに雨属性スキルの『威力』ではなく、『効果』が上がるということは攻撃技以外でも1.2倍の効果になるということだよね。つまり、回復スキルも雨属性なら効果が上がる! 


 次に覚えたいのはちょうど回復系だったし、雨属性の回復スキルがないかどうか探しておこうかな。ミズチ戦で手に入れたアクアビットの使いどきかな。ビット系の菱形の宝石アイテムは対応した属性のレアスキルを選んで覚えさせることができるものだ。


 でも……。


「どうしたにゃあ?」

「いえ……このままもう少し猫喫茶を楽しんでから帰りますね」


 強者の目の前で全ての手の内をさらすような真似はしたくない。

 というわけで、私はその後も和やかに配信と紹介を続けて、夕方に帰ることにしたのだった。今日も宿を取ろう。


 ……明日、ストッキンさんがどんな装備を作ってくれているのか見るのが楽しみだ。

 Twitterのアンケート、そして感想欄でのご希望・ご協力ありがとうございました! やはり圧倒的に蛇推しでしたね! 

 アンケートでは129票の投票がされ、蛇系は74%、海竜系が26%という結果でした! 

 海竜系も、そのうち主人公以外で出すかもしれませんね。


 また、新衣装について。

 実はもう既に衣装デザインは絵にして描いていたりします! 

 決して上手いわけでもございませんが、一応見られる程度の絵ではあるはずなので、次回あとがきに載せさせていただきますね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ケイカちゃんがしっかり考えてる [気になる点] 39話ステータス更新〜の所でシズクの隠しパラメータの信頼度などが高いのに今話で凄く下がってます、アカツキの時は進化しても変わってなかったです…
[良い点] シズクさんすてき [気になる点] 進化しても感受性と信頼度は変化なしのままなのですね… 信頼度MAXで手に入るたまごがあの時点で入手できるのは適切なのでしょうか?
[良い点] やっぱり海竜はイメージと違いますよね!かろうじて応竜っぽさはある・・・ 海龍ならワンチャンあったかなー? [一言] あ、ARIA...
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