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入りたくないアトラクションNo. 1

「というわけで私はアカツキ達とデートしたいのでソロでいきます。うっかりネタバレされないとも限りませんし」

「そんなあ……」


 ストッキンさん、初対面のときと比べるとだいぶイケオジっぽさがなくなったよね。素でも出ているのだろうか? 


 彼とお話しすることでこの場から早く離れようという気にもなったので、とりあえず奥のアトラクションから回って行くことにする。ジェットコースターは外せないよね! VR内だから遊園地の事故なんてあり得ないし、聖獣と一緒に楽しむことができる! 


 さて、ゴーゴー! 

 しょんぼり項垂れる誰かさんにばいばーい! と手を振って別れる。ボス戦の場所と、スタンプの場所を探さないとね! 


 ◇


「ひと通りアトラクションは楽しめました……が」


 いっこうにボス戦もスタンプも見つからない……! 

 まあ原因はなんとなく分かっている。なぜなら、私は一箇所だけ避けてアトラクションで遊びまわっていたからである。


 じゃあ、その避けていた場所しか候補はないじゃないか、と思うじゃない。

 思うんだけどさ……。


『残っているのはお化け屋敷だけだね』

『いやー、ここしかないんじゃしょうがないよね〜』


 い、い、行きたくな〜い! 

 別にさ、嫌いではないよ? ホラーゲームとかさ。でも自分の意思で足を進めないといけないものはダメなんだって! 


 乗り物アトラクションとかならまだ、勇気を出してチラ見する余裕くらいはあるんだよ! だって、自分から歩かなくても順路通りに乗り物が動いて、外に帰ることができるって分かってるからね! 


 だってだって、お化け屋敷って自動的に終わりがこないじゃない! 自分で歩いて死ぬほど怖い目に遭わなきゃ外に出られないじゃない! 歩くのが遅ければ遅いほど恐怖が長続きすることになるじゃない! 


 と、こんな理由で尻込みしているところなのである。

 実は全部のアトラクションを回らないと、一番奥にある鬼楽(きらく)の城に行けない仕様になっている。普通ならね。


 桃太郎チケットの人は鬼との力比べで勝てば『通行手形』とやらをもらえるみたいだし、鬼チケットのほうも鬼と仲良くなればお城への『通行手形』をもらえることがあるみたいだ。


 でも、その、なんというか……鬼の人達、だいたい桃太郎チケットの人と楽しそうに勝負している最中だったりするんだよね。邪魔するわけにもいかないし、あとなんというか近寄りがたい美人さん達ばかりというかなんというか。


 は、話しかける勇気が出なかった……! 

 そんな理由でお化け屋敷に挑戦するはめになっているとか笑えないんだけども! でも絶対ボス戦はお城のほうだし、スタンプを持っているサンゴさんがそっちにいるとは限らない。


 ボス戦フィールドそのものに彼女が配置されているとも思えないし、鬼ヶ島は広いから、イベントが一箇所に固まっていることはないんじゃないかなっていう推測ありきだ。


 あとなにより、私が視聴者ならこういうシチュエーションこそ再生すると思うから……というちょっと打算的な考えもある。

 だいたいの配信視聴者さんはホラーに怖がる女の子という絵面を見たがるし、再生数も大きく伸びたりするのだ。


 並んでいた前が空き、いよいよ私がお化け屋敷に入るのは次。

 VRだから物理的に不可能なガチホラーだって再現可能だ。つまり、絶対に怖い。一人ずつ洋館の中に入って、調査をして帰ってくるみたいなストーリーらしいが……さっきから悲鳴が絶え間なく聞こえてくるんだよね。


 でも、あともう一踏ん張りのはずだ! 

 が、頑張ろう! 


 あ、アカツキ……抱きしめさせて……。

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― 新着の感想 ―
[一言] ファンタジー系ゲーム内にアトラクションとしてお化け屋敷を用意するとは、かなりハイブロウな運営だな。 知ってたけど。
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