図鑑収集って楽しいよね!
『真水で洗ってからじゃないとベタつかない?』
乾かす直前に流れたコメントに助けられました。
◇
シズクのスキル『アクア・ブラスト』を低威力の水鉄砲レベルでかけてもらい、アカツキの炎で乾かしてからようやく熱帯雨林の探索を開始。
『びしょ濡れ状態は眼福でしたね』
『リアルにサービスシーンがあるなんて』
『熱帯雨林……植物とか虫とかもそういう場所限定のがいるかな』
『このゲーム、図鑑埋め大変だね……』
そうだね、恐らくこの島限定の生物とか植物もあるだろう。
周りを見てみてもシダっぽい植物とかが生い茂っているし、ときおり遭遇する小さな川なんかは少し濁っている。なにこの無駄に完成度の高い濁り……どこにこだわってるんだよ運営さん。
「すごいですよ……ほら、こうやって川に足をつけて水しぶきをあげると濁りが濃くなります。ちゃんと砂が舞っているのが見た目で分かるってすごくないですか?」
しかも、ちゃんと冷たい。
空き瓶かなにかがあれば採取できたりしないかな?
生産職や『採取マスター』というスキルを持った人は、採取できる場所が光って見えるらしい。
なくても試せば採取できることもあるが、スキルがないと空振りすることもまあまああるので、収集要素を楽しみたい人の多くは持っているスキルだ。私は持っていない。
ジェム・ツリーみたいな大きな採取ポイントは、スキルを持っていなくても採取ポイントだと分かるようになっているが、そうでない細かいポイントは専門家の分野……ということらしいね。
他にも昆虫マスターとか、植物マスターっていうスキルがあるらしい。
これらのスキルは成長型だ。正確には、レベルマックスになってから、上位互換のスキルを、ビット系アイテムでスキル取得するときに取れるようになるということだね。
最初は『収集家』で、レベル5でマックスになってから改めて取れるようになる『研究者』、そして更に研究者スキルがレベル5になったら『マスター』系のスキルを取れるようになる、と。
図鑑埋めを優先したい場合はこの辺りのスキルを取って成長させ、必要に応じて10個あるスキルセットの枠からつけたり外したりして運用するのが定石だ。
「あ、トンボ」
『そういばケイカって虫平気なの?』
『あー驚いてるところとかあんまり見ないもんな』
『確か幻想蝶のときはびっくりしてたか』
『あれはさすがにねw』
視界の端に飛んでいく姿を見つけてスクショを撮っていると、そんなコメント達が溢れ出した。確かに嫌いではないかなあ。
「苦手なのもいますけれど、大体は大丈夫だと思いますよ」
頭文字にGのつく例のやつとか特にね!
さて、人がまばらに採取していたり、もしくは虫取り網片手に虫を捕獲していたりするけれども……もうそろそろ奥かな。
なお、虫取り網は公式のイベントショップで売っているよ。
それぞれの島にはレアな魚や虫がいるらしく、それを捕獲したり図鑑登録したりしていると、特別報酬が出るのだとか。
「……鳥居ですね」
鳥居と言えば、ボス戦前にある簡易セーブ場所の『戦の鳥居』である。
つまり、この島にもボスがいるというわけだ?
事前情報には出ていなかったし、スレも見ていないのでなにがいるかは知らない。初見で楽しむには持って来いの状況だね。
「これから、恐らくボス戦になります。いったん配信を切って、もう一度注意喚起付きの配信を始めるので、ネタバレ回避したい人は次の配信は見ないようにしてくださいね」
告知をして、配信を切る。
そんなことを言ってもだいたいの人は見ると思うけど。
私の配信見てる人って、ゲーム内で配信見ているのだろうか……イベント楽しめてるのかな。ちょっと変な心配をし始めそうだったが、頬を叩いて思考を切り替える。
さあ、ボス戦だ。
鬼が出るか蛇が出るか? いざ!
前回コメントでの指摘ありがとうございます!!
採用しちゃいました(`・ω・´)




