表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【漫画単行本4巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
夏イベント『白波に遊び心を! 砂浜に勝利の賛美を!』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/854

ストーキングスキルで開店直後にやってくるのは反則です!

 準備は万端……他のお店も見て回ってどこにもないものを商品にすることを決定して現在、ゲーム内時間で午後1時ちょっと前。


 これから二時間が勝負となる! 

 本当はいい匂いのするものを……って案もあったんだけど、焼きそばや焼きとうもろこしだと他のお店の二番煎じになっちゃうし、埋もれちゃいそうだったんだよね。


 そして私達が商品にすると決めたもの! それは……! 


【舞姫と聖獣が作るフローズンフルーツ】


 砂浜に立てられた旗。白と青を中心に、涼しげで清潔感のある配色の屋台。

 屋台に飾り付けられた草花に、一度緋羽屋敷に戻って撮ってきた写真。


 そう、私達のホームである緋羽屋敷には、レキが育てた果物がたーっくさんあるのだ! だからそれを自分達で収穫し、ついでに収穫風景の写真も撮り、採れたてのリンゴやブドウ、ナシにモモ、バナナなどをオボロがスキルで冷やして盛りつける。


 目の前でオボロが果物を冷やし、私が盛りつけ、手渡しをする。完璧では? 

 遠くで待つ人向けに、手渡しで対応しきれない場合は従業員役のジンやアカツキ、シズクが背中にくくりつけられたお盆の上に商品を乗せ、運んでいく。


 事前に作ってはいないから、結構忙しくなってしまいそうだけども……やっぱり目の前で作るってパフォーマンスはいるよね? ファンサービス的な意味で! 


 そして、私達は屋台巡りをしながら人が少ないところを探してちょっと探検していたんだよね。おかげで秘密のビーチ的なところを発見した! 足首程度までしかない浅瀬を通って岩場を横切ると、そこにまた砂浜が続いていたんだよ。


 これまた綺麗な場所でね! こんなところ、みんなが知らないのはもったいない! ……というわけで、配信中の景色を見ればどこの岩場の裏か分かるように、イベントビーチの様子を映しつつお店を始めるつもりだ! 


「よーし、頑張りますよ!」

「くー!」

「わふぅん!」

「しゃ!」

「うなあーん!」


 みんなで手をあげてえいえいおー! 

 さあ、開店です! 


「こんにちはー」

「反則技使うのはなしって言いませんでしたっけ〜?」


 13時ジャストに岩場の陰から出てきた人物に、反射的に声をかける。

 まだ配信も開始してませんけど? 


「い、いやあ偶然ですね……」


 ジト目でやってきた人……ストッキンさんを見つめてから、諦めてパパッと配信を開始する。


「はーい、お時間となりました! 私、ケイカと聖獣達による『フローズンフルーツ』の屋台がこれから二時間の間営業します! 砂浜のどこかにあるので、配信風景の背景などから頑張って特定してみてくださいね!」


 実はこのシークレットビーチ、私達だけがいるわけでもない。

 一般のプレイヤーもいて、魚釣りをしていたりする。そういう人にはこれからうるさくなるかもしれないからと、前もってフローズンフルーツをプレゼントして交渉済みだ。


『お、さっそく!』

『フローズンフルーツかあ。涼しくていいねえ』

『会長ズルはなしだろ〜』

『会長? この紳士があの変態!? うそ!? 嘘だと言って!?』

『果物は海にはないし、人が多くなってきたら乙姫さんも釣れるかもな』

『ファンクラブ会長、顔はイケオジ紳士だもんなあ』

『掲示板とのギャップで草』


 多分画面前で待機していたんだろうね。配信を始めると同時にコメントが流れ出して、それぞれが好き勝手に喋りだす。それからチラホラと場所の特定のために考察している人がいたり。


「桃のフローズンフルーツを買いますね」

「はーい! オボロ、スタンバイ!」

「わふん!」


 元気よく返事をしたオボロに、切り分けた桃が飾り付けてあるお皿を差し出す。


「こちらのお店で取り扱っているのは、すべて私達のお屋敷で育てた果物となります。それから……」


 合図を送ると、オボロがスキルでお皿の上にある桃をシャキシャキに凍らせてその上につまようじを刺して……っと。


「はい、完成! どうぞ、ストッキンさん」

「300ゴールドとか安すぎませんか? もう一つゼロをつけません?」

「ただの屋台なのでこれでいいんですよ。どれだけ貢いでくるつもりですかあなた」


 彼の一言でコメントが笑いに包まれる。

 ガチめな書きかたでもっと貢がせてとか言ってくる人もいるが、そういう人は十個買っていってくださいとだけ言って対応する。


「こんな感じで、パフォーマンス込み! さらには商品の購入をしてくれたかたには、聖獣のみんなをひと撫でする権利を差し上げます! もしくは私との握手ですかね? それでは、皆様のご来店を聖獣達とともにお待ちしておりまーす!」


 そういう言葉で締め括り、岩場の向こう側を見る。

 ……もう既に人だかりができていた。特定するのはやっ、こわっ。


「うーん、乙姫様。来てくれるといいですね」


 私の小さな小さなひとりごとに答えるのは、ぱしゃんと打ち付ける波の音だけなのであった。

引き続き読者参加型のお話です!


一言コメントにて、簡単に自身の好きな動物・連れていそう・連れていたい聖獣とアバターの性別だけ答えてくだされば、お客さんとしてケイカの店へ訪れることが可能です。

その際に伝えたいことなどもございましたら「」書きでご記入くださいませ!


①聖獣

②性別

③「」


の順で番号まで書いていただければ、確実に「あ、採用していいんだな」と判断して使わせていただきますよ!


恐らくあと一話分のみ屋台のお話となります!

よければ参加してみてくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 聖獣猫(ケット・シー) 名前トラコ 二足歩行で猫用ポーチ所持ののキジネコ女の子ですカタコトだけど喋れるのとはずがしがり屋 性別男(神主姿) 「ん?トラコどした?イケニャンがいるだと!あ、…
[一言] ①狸 ②女性 ③「オボロさんとジンさんに踏んでいただいてよろしいでしょうか?ああ、そういう趣味ではないですよ?単にうちの子の肉球との感触の違いを堪能したいだけですので」 ……我ながらひっど…
[良い点] みんなで一緒に頑張りましょう!そして直ぐにバレる♪ そして安定の会長さん(笑) [気になる点] 乙姫さんの好物って魚かな? [一言] イチゴのフラッペが欲しいです。この子に是非とも渡してく…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ