休憩タイムに海の家!
さて、海の中を存分に楽しんだところで砂浜に戻ってきた。
潮風にも負けない松の木の苗はレキに預けていったん屋敷に送還。
この松の木を育てて他の植物と合わせれば、同じく潮風にも強い……まあ要するに普通より丈夫な植物や樹に品種改良できるかもしれないということだったからだね。
それから、次いでジンを召喚したところ顔面に飛びつかれてその場に思いきり倒れ込む。
「ちょ、ジン!」
「うなななななあ〜ん!」
「ご、ごめんなさいって!」
「にゃあ〜ん!」
押し倒されたまま可愛らしい三毛猫に顔をペロペロされる場面。完全に視聴者にとってはご褒美映像だが、私としてはあまりそういうのが出回られると困る!
『ありがたやありがたや』
『ジンくん、すっごく怒ってるにゃ〜』
『職人、頼むぞ』
『おうよ』
あ、やっぱり怒ってるんだね!?
これはご機嫌取りをしなければ……! アカツキ達も私の自業自得だと思っているらしく、まったく助けてくれる気配はないし!
多分みんな、屋敷に一匹でポツンと置いて行かれたら同じことをするって考えなんだろう。ジンの気持ちが分かってしまうから、私を呆れた目で見るだけ……と。
これからも聖獣を増やすとしたら、その辺の問題をどうにかしないといけないね。多頭飼いって大変だなあ。
「わ、分かりました。まずは落ち着きまひょっ、ましょう……ジン、くすぐったいですって」
首元にぐりぐりと頭を押し付けながらプンスコ怒っているのは正直可愛い。ただ、思いきり顔面に前足が乗っけられているので起き上がるに起き上がれない。全然爪が出ていないこともあって痛くはないし。
「もうお昼の時間ですし、みんなで美味しいもの食べましょう? ね?」
「にゃ……」
ジンはすぐさま飛び降りた。この食いしん坊め……。
「可愛いから許しちゃいます!」
「にゃーん!」
「わふん?」
「くるるるぅ……」
「しゅるぅ……」
オボロの「あれ大丈夫なの?」みたいな声にアカツキとシズクが首を振りながら「手遅れです」みたいな反応を返した。
ちょっとそこ! 私だってね! 叱るときは叱るんだからね!
可愛すぎてついつい許しちゃうだけで!
『このイベント会場海の家があるらしいよ』
『あー、さっき見た。盛況だったね』
『あと自分で屋台出すこともできるらしいですね。ケイカさんはやりませんか?』
え、海の家!? あの古の海の家!?
今じゃあ、リアルの海水浴場に海の家なんてないし、水着のまま入れるような場所はないんだよね。せいぜい屋台が出ているくらいで……しかもこの屋台も従業員はロボットで構成されてるし。
ちゃんと人が店員やってるところ行きたいならいったん着替えてから、しっかりしたお店行く必要があるんだよね。
へえ、ちょっと憧れてたから気になるなあ。
しかも自分でもできるって魅力的だねえ。料理……料理かあ。ひと通り屋台や海の家のメニューを見て回って、自分達もご飯を食べてから屋台に挑戦してみるか?
いや、でも乙姫様はまだ見つかっていないみたいだしなあ……。
うーん、でも乙姫様もお腹が空いてふらっと現れる可能性があったりしないかな?
いや、高貴な人だと屋台なんかに近づかないか……。
時間制限を設けて二時間だけ屋台をやってみるとかもいいかな。
とにかく、お昼ご飯を今から食べるのは決定として……あとは屋台を自分達でやってみるかどうか。メニューはあとで決めるけど、とりあえずやるかやらないかだけ決めないとね。
「あ、そうだ。皆さんとしてはどう思いますか? 乙姫様も見つけないといけませんが、正直屋台を経営してみるのも興味があって!」
『ほーん?』
『まだお昼だし、今日中にプレイヤーの誰かが見つければいいわけだからなあ』
『アンケートするの?』
「やります! ということで……」
配信画面からアンケートを作る。
さて、これでよしっと。
――――――
【アンケート】
現在、神獣郷オンライン! では海イベント真っ最中!
どうやら自分で料理を作って屋台を経営できるらしい……?
屋台経営を時間を決めてやってみるべきか?
・やってほしい(遊びに行きたい)
・やらなくてもいい(イベント優先)
――――――
と、いうわけでアンケートです!
感想内の一言欄にて、『ケイカに向けたコメントとして』メッセージを書いていただければその言葉が小説内に反映されるかもしれません。
また、ツイッターにて同様のアンケートを開始しました。こちらに投票していただけると幸いでございます!
https://twitter.com/shigureookami/status/1283591250076069888?s=21
なお、もしも経営パートが入るとしても2話程度で終わるものとします。
プラス、やるやらないによってなくなるイベントなどはありません。時間帯が変化する程度のものとします。
シズクの進化以来の読者参加型アンケートです!
よければご参加くださいな!
これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります!




