表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【漫画単行本4巻発売中】神獣郷オンライン!〜『器用値極振り』で聖獣と共に『不殺』で優しい魅せプレイを『配信』します!〜  作者: 時雨オオカミ
特殊依頼『果ての地で忠義を捧ぐ』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/854

陰謀の予感?

 際どいローアングルの映像が続き、その場に気まずい雰囲気が流れる。


 やっぱりこいつシメてもいいかな、とか物騒なことを考えつつ黙って見守る。心なしか、つつつつと、ストッキンさんが私から離れていく気がするんだけど……殺気でも感じました? 


 しかしローアングルなのは確かなんだけど、お見事なことに着物の中身までは決して見えないように撮影されている。やはりクローズアップされるのは足。こいつ……。


 私の怨念じみた怒りを感じているのか、ストッキンさんはますます縮こまる。気まずい。非常に気まずい。


「……これ、早送りとかできません?」

「んん、そうでしたね。その手がありました。それじゃあ、該当シーンまで飛ばします」


 提案すると、今更思い出したかのようにハッとしてメニューをいじり始めた。あまりにも気まずすぎて、早送りするという手段が頭の中からすっぽ抜けていたようだ。


 早送りが止まる。

 私が歩く速度を緩め、手元をいじりはじめる場面に差し掛かったところだった。多分このときメッセージのやりとりをしているところだろう。

 カメラが動き、目の前に足から樹上をさっと捉える。黒い豆粒のようなものがその瞬間にものすごい勢いで飛び立っていくのが見えた。


「これが、例の映像ですね」

「ストッキンさん、飛び立つ瞬間で一時停止できますか?」

「目押しなら得意ですよ」


 映像が巻き戻され、そして肝心なところで一時停止される。

 拡大していけば……。


「カラス?」

「カラスっぽいですね」


 カラスのように見える。それも、普通のカラスの形をした聖獣っぽい見た目。瞳の色を確認できるほど拡大はできなかったので、あのカラスが聖獣か魔獣かは分からないが……恐らく、山の試練で道案内役のカラスが狙われるのはこれが関係してるんじゃないかな? あくまで予測なんだけどさ。


 ……ということを仮定すると、このカラスは山の魔獣達にとって排除したい対象だということになる。日の巫女の屋敷から貸し出されたカラスと同一かどうかは分からない。見た目はほとんど一緒なので見分けがつきづらいのだ。


 汎用性のある聖獣なのか、それとも能力が低いのか、もしくは極振り系かな。ありえるとしたら速度極振りだ。アカツキを振り切って逃げているので、速度特化もしくは隠蔽スキル持ちと考えるのが妥当だし。


「どう思います?」

「警戒していて損はないかと。どんな依頼を受けているんですか?」

「……そこは見てなかったんですね」


 そういえばなにも言っていない。ごくごく普通に話についてきているから勘違いしていたけれども、この人四六時中見ているわけではないのか。


「赤ん坊をカゴに入れて連れた魔獣がいるらしく、その赤ん坊の奪還の依頼ですね。非常に胡散臭いものを感じますし、人を恨んでいるはずの魔獣が赤ん坊。殺さずに大事に連れて歩いているということは……そうなのかなと」

「その依頼をした人は、赤ん坊を殺す、もしくは危害を加えるために魔獣から奪おうとしている……と予測しているわけですね」

「ええ」


 RPGなのだし、そういうストーリーの裏にはどうせ身分とか家とか政略とかそういうのが隠れているに違いない。はなから依頼人のことは信頼していないし。


「監視の目を潜り抜けて探すべきでしょうか。監視の目ごと連れて行ってしまうと、探している魔獣の居場所がバレて襲撃されても困りますし」

「それなら、レキに幻惑系のスキルを覚えてもらったらどうでしょう? 月属性スキルにも、太陽属性スキルにも似たような幻惑スキルがありますよ」

「ほほう、それはいいことを聞きました」


 聞くと、月属性のほうは『新月の幻惑』と言って、夜間のみ闇に紛れるようにして目視しづらくする隠密系スキル。太陽属性のほうは『プリズム・イリュージョン』という名前で、こちらは日中太陽が出ているときのみ使えるスキル。自分達の周りだけ太陽の光を屈折させて、見えなくするというスキルらしい。


 なるほど、ならばレキは太陽属性だし、プリズム・イリュージョンのほうかな。いや、このまま探索に行きたいし月属性のほうでもいいか? 『新月の幻惑』のほうだ。

 明日の朝に出発でもいいが、できればこのまま探索続行したいし。レキが大丈夫そうなら、そうしよう。


「レキ、月属性のスキルは覚えられます?」

「かまわぬ……問題は、ない」

「なら、そうしましょう」


 レベル1の状態でどんどんレキのスキル構成がサポート特化型になっていくね。

 そうして、しばらくレキやストッキンさんに相談しつつこれからの方針を決めていくのだった。


 とりあえず山道を外れた探索はしとかないとね。隠れ場所を探さなくちゃ。

ネーミングセンスが来い(・ω・`)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ