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83 一緒にお風呂

お風呂


「あれ?お義父さん来てたんですか?」


帰ってきてから首を傾げる先生。俺は夕飯の準備を中断して先生に駆け寄った。


「お帰りなさい。丁度休みで遥香さんに用事があったみたい」

「そうか・・・お待たせしてすみませんお義父さん」

「気にしないで。それより話があるのだけど・・・」


チラリと俺と千鶴ちゃんを見てからそう言う父さん。邪魔ってことかな?内緒の話というのは目の前でされると気になるものだ。父さんの意図を察したように先生はしばらく考えてから決意したように言った。


「健斗。今日はちーちゃんを風呂にいれてくれるか?」

「いいですけど・・・いいんですか?」

「ああ、どうせ夕飯の準備は終わってるだろ?」

「ええ、まあ」


とはいえ、これまではあまりやらせるつもりがなさそうだったので本当に良いのか迷っていると、先生は苦笑して言った。


「お前がちーちゃんに何もしないのはわかってるからこそ任せたいんだよ」

「遥香さん・・・」

「ちーちゃんも健斗ならいいよな?」

「うん!おにいちゃんとおふろたのしみ」


そう言われては断れない。俺は頷いてから先生に言った。


「わかりました。では、行ってきます」

「おう、ただ少しだけ女としては複雑だけどな」

「え?」

「そりゃそうだ。私より先に娘が私の好きな人と一緒に風呂に入るなんてなかなか複雑だぞ」


そう字面にされると確かに複雑だ。俺が仮に息子が先生と風呂に入ると考えたらかなり複雑な気持ちになるだろう。家族とはいえ好きな人が異性と一緒という点でかなり複雑になるのだから親とは難しい。可愛い子供と好きな人。天秤にかけるのはちょっと違うだろう。


でも、だからこそ子供というのは可愛いとも思う。それに・・・


「遥香さんとは今度入りましょう。温泉で混浴をする前にでも」

「エロい目的でか?」

「いいえ。健全にです」


確かに異性と一緒に入浴というのはかなりハードルが高いしエロ展開になりやすいけど、でもそれだけの目的で入るものでもない。俺が自重すればエロ展開にはならない。確かに好きな人の肌というのはかなり興奮してしまう可能性が高いが、背中を流したり一緒に入浴というのは少しだけ楽しみでもある。


弟とお祖母ちゃん以外とは風呂には入ったことないので特にそう感じるのだろう。


そんな俺の意図が伝わったのか先生はくすりと笑って言った。


「エロガキが」

「ええ。男は狼、俺は羊ですから」

「ああ、そうかもしれないな草食系くん」

「とりあえず、千鶴ちゃんは任せて二人でお話してください」

「おう、頼んだ」


そうして俺は千鶴ちゃんと風呂に向かうのだった。







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