729 新年(健斗二十歳)
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
※作中時間が、少し時間が進んでおりますのでご注意を
「あう!」
「うん……桜?」
愛らしい掛け声と共にお腹をバシバシと叩かれて目を覚ます。
時刻は朝の6時のこと。
隣では愛する妻である遥香と、愛娘の千鶴がまだ寝ているが、昨日は年越しまで起きてたのでまだ寝てても不思議じゃない。
俺を起こした犯人はやはりというか、先月1歳の誕生日を迎えたばかりのもう1人の愛娘である桜であった。
「ぱっぱ、おっき!」
「うん、ありがとう。あと、おはよう桜」
「あい!」
子供の成長とは早いもので、最近では僅かながら言葉を発するようになってきた我が娘である桜の最近のお気に入りは、朝俺を起こすことのようだ。
遥香と結婚してから少し眠りが深くなったようなのだが、それでもそこそこ早起きな俺より早く起きるのが桜であり、早起きする所は俺の遺伝であろうか?
可愛さはどう考えても母親と姉に似たのだろうが。
「んー……新年かぁ……」
いつも通り、妻と娘からの拘束を抜け出してベッドから起きると、部屋に置いてあるデジタルの時計の日付が1月1日になってるのに気がつく。
早いもので、遥香と結婚してから2年が経ってるが……同棲の期間もあるのでもっと長い時間一緒に居るように感じる。
「ぱっぱ、だっこ!」
「はいはい、よいしょっと」
抱っこをせがむ愛娘を抱き上げると、ふとまた少し大きくなったように感じて感慨深くなる。
千鶴も小学生になって、更に大人に近づいてきたが……子供というのは本当に成長が早いものだ。
「老いる訳だよなぁ……」
実際には、俺は去年二十歳を迎えたばかりだが、こうして育っていく娘を見ていると自分が老いぼれに思えてしまう。
まあ、娘が巣立つまで現役のつもりだけど。
主夫に現役とかあるのか?という、ツッコミはナシでお願いします。
「あ、また雪積もってるな。後で雪かきしないと」
「ぱっぱ、ぱっぱ」
ペシペシと俺の頬を叩く桜。
この叩き方と呼び方は何かを要求してのものではないかな。
多分、桜なりの遊びなのだろう。
そうしてるだけで楽しいのだろうが……笑顔が可愛いので、ついつい甘やかしそうになる。
千鶴も遥香も甘え上手だが、恐らく現在1番甘え上手なのは桜かもしれない。
「さて、お母さんとお姉ちゃんが起きてくる前にご飯準備しようか」
「あい!」
分かってるのか分かってないのか微妙な感じだが、いい返事をする愛娘。
この返事だけで祖父がかなり人格崩壊するほどに人が変わるのだが、その破壊力に関しては同意せざるおえなかった。
……と、俺もしっかりしないとね。
さてさて、今年も1年頑張りますか。
お久しぶりです。
不定期更新になるかもですが、頑張って続きを書こうと思います。
温かく見守って頂けると嬉しいです。
では皆様、よいお正月をm(_ _)m




