723 うっかり遭遇
定番のセリフと裏で書きたいノクターン展開の2人(色々落ち着いて要望があればw)
「やっぱり冷えるなぁ・・・」
朝、桜のオムツのタイミングで一度雪掻きをしたのだが、家族団欒を楽しんでいるうちにまた少し積もったようだ。
さり気なくホワイトクリスマスを今年も引き当てたのは、きっとどこかのカップルへのプレゼントなのかもしれない。
まだまだ降る雪の中、さてやるかと思っていると、見覚えのある2人が歩いてくるのが見えた。
「あ・・・」
向こうも気づいたようで、少し気まずそう。
クリスマスの当日に朝帰り・・・うん、その場面を目撃されれば誰でもそうだろう。
なので、この言葉を贈ることにする。
「ゆうべはお楽しみでしたね?」
「お互いにな」
肩を竦めてそんな返事をするのだから、親友も随分と頑張ったのだろう。
ただ、その言葉で顔を赤くする水瀬さんの反応は、なかなか様になっているのだった。
「えぇっと・・・おはよう、巽くん」
「おはよう、水瀬さん。2人で楽しいデートしてきたみたいだね」
「うん・・・」
「そう言うお前も、プレゼント渡したんだろ?」
「あ、先生からの千鶴ちゃんへのプレゼントどうだった?」
一緒に選んだから気になったのだろう。
「気に入ってたよ、ありがとうね」
「ううん、私も雅人くんへのプレゼント一緒に探して貰ったから」
「なるほど」
雅人の付けてるネックレス辺りかな?
見覚えないし、多分それが雅人へのプレゼントだろう。
雅人が贈ったのは時計のはず。
ちゃんと着けてるから、なんともラブラブなことで。
聖夜のデートかぁ・・・楽しそうだけど、家族との時間もいいものだし、悩み所だよね。
まあ、子供達置いて2人で出掛けるようなこと俺も遥香もするつもりはないし、子供達が大きくなるまではお預けかな?
でも、夜は楽しんだし、それでちゃんと聖夜を過ごせたのだろうと少しだけ胸を張る。
「・・・その、ありがとうな」
「お互い様だよ」
少なからずデートに協力したが、俺も助けて貰ってるしお互い様だろう。
「まあ、ゆっくり過ごせばいいよ。邪魔者は雪掻きしてるから」
「あ、なら私も・・・」
「彼氏が嫉妬するから、一緒に寝てあげなよ。そのくらいお隣さんのよしみでしてあげるから」
「・・・うん、ありがとう巽くん。それと、ただいま」
「ただいま」
「うん、お帰り」
そうして、親友カップルは部屋へと戻っていくのだった。
もう1ラウンド・・・は、流石にないか。
2人も楽しい聖夜を過ごせたようだし、微笑ましいものだ。
あの雅人が本当に好きな人と過ごした夜か・・・ここからが始まりってことかもしれないと、俺はサクッと雪掻きを済ませることにするのだった。




