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62 お誘い

ママ友との交流を広げる



「あら、こんにちは健斗くん。健斗くんもお迎えかしら」

「律子さん、こんにちは」


保育園の前に来ると見知った人と鉢合わせした。千鶴ちゃんの友達の的場凛ちゃんのお母さんの的場律子さんだ。


「偶然ね。私も今日は早めに終わったからこの時間に来たのよ」

「そうなんですか。お仕事と家事の両立は大変ですね」


律子さんは時々パートをしてるらしくて、こうして迎えの時間が鉢合わせるのはそこまで多くないので偶然に驚いていると、律子さんは微笑みながら言った。


「学生しながら家事をしてる健斗くんの方が大変じゃない?」

「そうでもありませんよ。昔からなので、むしろやらないと落ち着かないです」

「本当にいい子ね。旦那にも見習わせたいくらいだわ」


そんな会話をしていると、律子さんは思い付いたとばかりに手を叩いて言った。


「ねえ、健斗くんと千鶴ちゃんはこの後時間ある?」

「俺は大丈夫ですよ。夕飯までに帰れればなんとかなりますし」


下拵えなどは終わってるので、そう答えると律子さんは嬉しそうに頷いてから言った。


「そこまで時間はかからないわよ。ちょっとお茶でもしないかと思って。今日なら私が良く通ってる喫茶店が空いてるから、折角だしお話したいと思って」

「千鶴ちゃんが大丈夫ならいいですよ」


律子さんみたいな千鶴ちゃんの友達の保護者の知り合いは少ないのでなるべく交流しておきたいという気持ちもあるのでそう答える。まあ、本当はテストのご褒美のために勉強したり、家事の続きをしたりしたいが、それよりも千鶴ちゃんのためにもなるべく千鶴ちゃんの友達のお母さんとは仲良くしたいからそういう結論になる。


「なら、決まりね!本当なら恵ちゃんのお母さんとも一緒がいいけど、あの人もお忙しいからねー」


恵ちゃん?あ、あれか、千鶴ちゃんが仲良くしてる女の子の一人か。迎えにきて会ったことはないので、いまいちピンとこないが多分律子さんと恵ちゃんのお母さんは仲が良いのだろう。


「恵ちゃんのお母さんは何かお仕事でもされてるのですか?」

「ええ、色んな仕事を掛け持ちされてるそうよ。ただ、旦那さんはどこかの会社の社長で、お金持ちらしいけど家事は家政婦雇っているそうよ」

「それは、お金のために働いてるわけではないと?」

「働くことが楽しいそうよ」


スゲー、なんというかそこまで心にゆとりが持てるのは好感持てるが、まあ、俺は家事をして子供の面倒を見るのが楽しいので、そういうことにはならないだろうと思うのだった。仕事で疲れた嫁に癒しを与えて、子供が健やかに育つように見守り、家事を精一杯して、美味しいご飯で出迎える。そんな人に俺はなりたい。










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