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【急募】捨てられてたドラゴン拾った【飼い方】  作者: カズキ
ギルドに会員登録して、人助けに繋がった話
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 四度、なのだという。

 四度、父はそれぞれ別個体ではあるが伝説級の魔神を退治したことがあるらしい。


 そんな父の黒歴史には生憎興味はないので、カリエルさんの話を俺は聞流す。

 今はゴンスケの餌代確保と、父の収入確保が先決である。


 「ありがとうございました」


 カリエルさんはこのギルドの、所謂ギルドマスターらしく、ようするに一番偉い人らしい。

 あの後、俺と父は別室ーーおそらく応接室ーーに通され、騒ぎについてカリエルさんから説明を求められた。

 起こったことを素直に全部話すと、父が笑顔のまま青筋をこめかみに浮かせた。

 まあ、とりあえず、俺の話を聞いたカリエルさんが信じてくれたおかげで無事登録ができた。

 受付嬢の態度については、丁寧に謝罪をされた。


 まぁ、慣れてるから別に良いけど。


 「ライセンスじゃなくて、登録カード?」


 渡されたカードを見ながら、俺は呟いた。

 父が説明してくれた。

 それによると、ライセンスを取得しているものはプロで、そうでないものはアマチュアと区別しているのだとか。

 ライセンスの取得には条件を満たして試験を受け、合格する必要があるのだとか。

 俺はアマチュアなので登録カードとなっている。

 ライセンス保持者の方が、様々な特典が付いていて待遇が良い。


 「雑用くらいだったら登録カードで手続出来るんだ」


 「なるほど」


 「あぁ、そうだ謝罪ついでに言っておくと、今回みたいな差別とか偏見によるトラブルがあったらまたすぐに伝えてくれると助かる。

 おかげで、クレームの原因が一つ片付いた」


 ということは、あの受付の女性、他にも似たようなことしてたのか。

 

 「わかりました。でもよく信じましたね?」


 「まぁ、あの英雄ウルクの倅がそんなことするわけないと信じてるからな」

 

 そんなザルでいいのか。

 まぁ、ここは言葉に甘えておこう。

 どーでもいいが、【神童も二十歳過ぎればただの人】とよく言うが【英雄も二十年過ぎれば、ただのオッサン】なんだよなぁ。

 普段、母の尻に敷かれている父からは、英雄っぽい威厳もオーラもあったもんじゃない。

 でも、子供にすら相手にされなくなって、ポンにデレついてるあの父が英雄ねぇ。

 家だと、ポンちゃーんなんて呼んでるあの父が。

 ゴンスケ~、ほら餌だよ~とか言ってるあの父が、英雄ねぇ。


 「そうですか」


――――――――――――――――……


 とりあえず、あとは簡単に検索室で父に検索の仕方を聞いて、俺は仕事を探してみた。

 

 「なんかいいのあるか?」


 そう聞かれ、


 「これかなぁ、自転車で行けるし。期限まで長いし」


 俺は備え付けのプリンタで依頼書をプリントする。


 「お、父さんの依頼先と近いな。

 よし、早速行ってみるか」


 「父さんの依頼ってなに?」


 「んー? 人探し」


 あ、手伝えってことか。

 だから、一緒に行くのか。

 ちなみに俺が選んだ依頼は、山での山菜取りだった。

 その山を所有している人が高齢で、山に行けないので代わりに採ってくるというものだ。


 しかし、山で人探しとは。

 迷子か遭難だろうか。


 一旦家に帰って、必要な装備を整える。

 すると、いつの間にかゴンスケが着いてきたそうにこちらを見ていた。

 しかし、父が、


 「ゴンスケはまた今度だなぁ。

 今日は軽トラじゃないから、万が一にも糞とかされたら大変だし」


 「きゅうるるる~」


 少し残念そうな声を出すゴンスケはそのままに、玄関に鍵をかける。


 そして途中のコンビニで弁当と飲み物を買って、父の運転する車で目的地までやってきた。

 そこで、父から紙を三枚ほど渡される。

 それぞれに、人相の悪い男性の顔写真がプリントされていて、下には数字が記載されている。


 「…………」


 どこからどう見ても、指名手配犯の手配書だった。


 「とりあえず、今月の支払いなんとかしないとだからさ、手っ取り早く大金が稼げるやつにした」


 【平々凡々の冴えないリーマンだと思ってた父親が、結構ぶっ飛んでた件】とかいうタイトルでノンフィクション小説でも書けば売れるかな?

 そもそも、子供に手伝わせる仕事内容じゃないだろ。

 

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