表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瑞雲高く〜戦国時代風異世界転生記〜【1周年感謝】  作者: わだつみ
三章・明日をも知れぬ村(青年編壱)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/246

閑話・新米師弟

思っていたより長くなったので今日明日で2話に分けました。

「はぁ、はぁ…」

自分の吐いた白い息が絶え間なく目の前を流れて行く。その先に見える掻き分け踏み締められた雪を踏み締めて斜面を登って行く。その先にはここ数日で一気に増えた雪を掻き分けた二人。猟師の弥彦おじさんと師匠が周りを見渡しながら登っている。


 宗太郎兄ちゃんが智様と湊へ行った後、俺は師匠に強くなる方法を教えて欲しいって言いに行った。

 師匠は少し考えた後で、一緒に大将の所に行って弟子にしても良いか聞いてくれた。大将は笑いながら師匠の好きにしたら良いと答えてくれて、俺は師匠の弟子にして貰う事になった。

 師匠は最初に自分の事は師匠と呼ぶ様にって俺に行った。それを横で聞いていた大将は皆が集まって来る位に笑い転げて居たけれど、師匠は俺が師匠って呼ぶとちょっと嬉しそうにする。

 因みに宗太郎兄ちゃんと一緒に帰って来た智様もそれを聞いて笑い転げて居た。そんなに変かな…


 でも、師匠を師匠って呼んでいるのも呼べるのも俺だけだ。大将に言われて宗太郎兄ちゃんも一緒に鍛練をする様になったけど師匠とは呼んでいない。

 兄ちゃんは本当は大将に教えて欲しかったみたいだけど武器を扱うのは師匠が一番上手だから師匠に教われって言われたらしい。

 兄ちゃんは不満だったみたいだけど、その代わりに村を纏める方法とかを大将から、読み書きを和尚様から、算術を智様から教えて貰っている。将来村を纏める時に必要だからって。

 俺は大変そうだから嫌だけど、読み書きと算術はちょっと位は出来た方が良いって師匠にも言われた。師匠も一通り出来るらしい。ちょっと意外かも…

 でも、大将も師匠が一番強いって言ってた。あちこちの道場?でも一目置かれていたって聞いた。やっぱり俺の師匠は凄いんだ。


 まだ、体も小さいからって大した事は教えて貰えないけど石投げは凄く上手くなった。

 最初は変な方向に飛んで行ってばっかりで痛い目に遭う事もあったけどすぐに狙った所に飛ばせる様になったんだ。

 父ちゃんも母ちゃんも他の皆も喫驚りして、それから褒めてくれた。師匠も大将も智様も褒めてくれて、それを見ていた父ちゃんは大喜びしてた。

 三太おじさんも結構上手だ。良く二人で的当ての競争をする。大体俺が勝つけど。

 三太おじさんは負けると凄く悔しがってもう一回って言ってくる。三太おじさんに言ったら怒られるだろうけど友達みたいでそれが凄く楽しい。

 子供の中で俺と年の近い子は居なくて宗太郎兄ちゃんと春姉ちゃんからはいつも味噌っかす扱いだったし、稲…は居なくなっちゃったけど糸や富丸は小さくて遊び相手にならない。本当は俺にも年の近い子一人居たんだけど…


 皆には気味悪がられるかもしれないから言ってないけど俺には石を投げる時に的に向かって光の筋が見えるんだ。それに沿って石を飛ばすと大体当たる。きっと皆にはそれが見えてないんだと思う。

 師匠も「その力は大きくなったら皆を守るのに役に立つ」って言ってくれた。

 だから、俺は師匠に狩りに連れて行ってくれる様にお願いした。獲物が獲れれば皆喜ぶし、石投げの練習にもなる。正直動かない的には飽きて来たし…

 師匠はそれを聞いて渋って居たけど、大将は喜んでくれて、師匠に連れて行ってやれって言ってくれた。

 大将はこの村の者が自分から何かやりたいって言ってくれるのが嬉しいんだって。それに大将達は俺くらいの頃には近くの山を走り回って色んな食べ物を探し回って居たらしい。

 母ちゃんはそれを聞いて慌てて新しい蓑と草鞋を作ってくれた。俺だけの物なんて産まれて初めてだ。あ、大将から貰った石投げの紐があった。初めてじゃなかった。でも嬉しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ