こぼれ話③
もしかするとこれは、あまり一般的な感覚ではないのかも?ですけど。
心に残っているので書きます。
私がこちらで書いている『エッセイのようなもの』というシリーズの中にある、『問題はそこじゃない』という作品。
ここに出てくる私の恩師・N師との対話で、「え?」と思ったことのひとつです。
ざっと彼(N師)のプロフィールめいたことを紹介しましょう。
彼はそろそろアラウンド70であろう年配者。
私が高校時代に所属していた演劇部で顧問をしていた方であり、その当時からほぼ我流で絵を描いていたそう。
連日、通勤電車の中でスケッチを続け、そのスケッチが10万枚を超えた時に『10万人の顔』という個展を開き、本格的に画業に取り組むようになった絵描きさんです。
個展の前後に現代画家の先生に師事し、修行なさってきた模様。
現在までにいくつか、コンテストに入賞されてもいます。
アーティストですので、独特の感性をお持ちのようでもあります。
この方と私は、かつて部活の顧問と部員であり、また分野は違うものの、彼がクリエーターとして大先輩ということもあり、私は(半ば以上無理矢理ww)創作関係の悩み相談をお願いしてきました。
こちらに投稿した作品の下書きのいくつかも読んでいただき、批評してもらったりもしていました。
その一環として『少年が、ならず者の男たちに不意打ちでレイプされ、以後トラウマを抱えることになった』話(……どんな話やねん、ですが。真面目なヒューマンドラマなんですよ~)を読んでいただいて、感想を求めました。
(無理矢理に…その節はお世話になりました、N師)
お話そのものの批評は取りあえず省略しますが、彼の爆弾発言(笑)が妙に印象に残っています。
彼は、あくまでも自分には経験がないから何とも言えないが、という前置きをしつつ、
「いやでも、男が男に強姦されて、ここまで傷付くかなァ?女の人とは違うからなァ、そこまで深刻に傷付かんのと違うか?」
と、宣いました。
え?えええ???
……いやいやいや。
男とか女とか、カンケーないでしょう。
男→女
女→男
男→男
女→女
どのパターンであったとしても、強姦されて傷付かなくないでしょう。
確かに強姦する方が異性か同性かによって、傷付き方は微妙に違ってくるかもしれません。
男性が被害者になるか女性が被害者になるかで、被害者が受ける傷の質はもしかして、微妙に違うのかもしれません。
でも、どんなパターンであっても被害者は大いに傷付くでしょうし、大きなトラウマになると思います。
それこそ私にもそんな経験ありませんが、痴漢だってあんなに嫌で、少なからずトラウマになるのです。
それ以上の状況なんて、考えるまでもない気がします。
女性が抱えるトラウマとは違ってくるかもしれませんが、男性が被害にあった場合も女性に負けず劣らず傷付くだろうし、トラウマになると思います。
そもそも男性は常日頃、自分が性犯罪の被害者になる意識が希薄でしょうから、余計に傷付くのではないかと勝手ながら思っていました。
人間、予想外の出来事には強い衝撃を受けるものだと思います。
また、男性が男性をレイプという場合は、同性愛的な嗜好だけでなく、文字通りマウントの要素もあるかもしれないとも思ったのです。
エラソーにしていてもお前なんざ、所詮俺の性欲のはけ口なのさ的な貶めの意味もあるのでは?と。
不十分ながらもそんな意味のことを説明しましたが、N師の納得は十分に得られたとは思えません。
後で私は、これはN師の問題ではなく、ある程度以上年配の男性にはある感覚なのかな?と思いました。
男が性犯罪の被害にあってもうろたえるな、女じゃあるまいし(男に貞操なんかカンケーないし、別に自分が妊娠する訳でもないし)。
そんな感覚が無意識にあるのでは?と。
彼の言葉の真意・真相は未だにわかりませんが、そんなことを思いました。




