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6 R15内での実践編②

 さてさて。

 抑えたエロを目指し、抑えすぎてしまった作者・かわかみれいです(笑)。


 むむむ、R15の縛りはありますが、前回取り上げた部分はあまりにも抑えすぎて、無味無臭だった模様(トホホ)。

 まあ、このシーンは『罪悪感』『背徳感』『虚無感』などがない交ぜになった気分が象徴出来ていれば及第なので、まあギリ、合格だったかな?と思いつつ……、次へ、参ります。


 Ⅰ‐②


【あらすじ・状況】

 架空の王国・ラクレイド。この国では16歳で成人となる。

 男性の場合、神殿で『成人の儀』という儀式を行った夜、年長者につれられて娼館へ行って一夜を過ごすのが慣習ならいだ。

 そこに違和感を覚えながらも、世間一般の常識に反するほどの考えやこだわりもなく、流されるように娼館へ行くことになった一人の若者。


 実直で潔癖な若者である彼の、初めて娼館で一夜を明かすことになる戸惑いや甘美な期待、憂鬱、何処へ向けていいのかわからない怒りややるせなさ、などの入り混じった複雑な心理を描写しました。



(以下、抜粋)


 そんな話をしながら女は、流れるようななめらかさで、もうひとつの盃へ酒を注いだ。

 細く長い指が、とろりとした酒のそそがれた華奢な盃を、綺麗な所作で卓の上から取り上げる。


「儚い一夜のめぐり合わせですが、どのような出会いも先の世からの約束だとも申します。どうぞ、互いのレクラがより良く響き合い、極上の調べを奏でますよう」


 優しい口調でそう言うと、女はすっと盃を干した。

 つられて俺も盃を干す。

 酒らしい酒を飲んだのは、実は初めてだ。

 口当たりの軽い、飲みやすい酒だったが、酒は酒だ。

 喉を淡く焼くような感じで、ゆるゆると腹の底まで降りてゆく独特の感触。

 水とはまったく違うものを飲んだと思い知り、俺は、瞬間的に軽くうろたえる。


 嚥下した後に大きく息をつくと、花に似た甘い香りがふっ…と、鼻に抜けた。


(抜粋終わり)



 お酒のイメージは桂花陳酒です。

 甘くて口当たりが良いけど、それなりに強いお酒……と。

 慣れない者が一気に飲むと、喉や胃が熱くなる感じがするでしょう。


 初めての『酒』。→つまり大人にならなければ経験できないもの。

 喉や胃を焼く、経験のない熱。→つまり経験のない行為への連想。

 鼻に抜ける甘い香り。→これから後のことへの甘い期待。


 そんな気分をぼんやりと読者にも味わっていただいて、期待と不安にドキドキしていただければ成功、ですね。


 『え~?そうなの?』

 『説明されなきゃわからないなー』


 等々、よろしければご指導ご鞭撻のほどを。



 サクサク進めましょう。

 次はⅠ‐③。現実世界が舞台のローファンタジー作品です。


【あらすじ・状況】

 とある切実な理由から、恋愛や結婚を諦めて公園管理という地味な仕事に精力を注いでいるヒロイン・るり。

 彼女の勤め先に現れた若い樹木医・結木は不思議な人で、樹木へ対して人へ向けるのと同質の敬意を向けている様子だ。

 どこか浮き世離れているが誠実で確かな仕事ぶりの彼へ、るりは信頼と好意を寄せる。


 彼への好意が、同僚や知人に対するものから微妙に変化する瞬間を描写しました。



(以下、抜粋)


 結木はふと姿勢を正し、軽く松を見上げた。

「お世話になりました」

 小さくつぶやき、松へ目礼する。

 不思議といえば不思議な仕草だったが、彼がするとごく自然で、あまり違和感はなかった。

 おそらくこの人の中では、これが当たり前の礼儀なのだろう。

(不思議な人)

 昨日、松へ挨拶していたことといい、樹木へ礼儀を尽くすなど想定しないのが普通だ。

 が……嫌だったり奇異だったりという感情は、るりにはなかった。

 物言わぬ樹木へ礼儀を尽くせる人は、生きているモノすべてへ礼儀を尽くせる、そんな気がした。逆に、彼の方が生き物として真っ当ではないかと思う。

 それから彼はるりへ向け、はにかんだようにふわりとほほ笑んだ。松へ礼儀を尽くすのと、ほとんど変わらないたたずまいだ。

「ご迷惑をおかけしました、申し訳なかったです。そろそろ仕事にかかりましょうか?」


 きびすを返す彼から、何故かふわっと香りがした。

 太陽の光と熱を存分に吸い込んだ、洗い立ての木綿のシーツ……を、連想するような香りだった。

 ずっとかいでいたくなるような……かいでいると、眠くなるような。

 そんな香りだった。


(抜粋、終わり)



 仕事仲間として、あるいは知人として好意を持つということと、自分のパートナー……番として好意を持つ、のは違います。

 明確にいつからと、キッパリ分けるのは難しいことが多いでしょうが。

 ふとした瞬間、確実に変わるものです。


 『香り』というのはそういう時、かなり重要なファクターになり得ると思います。


 相手の香り……、シャンプーやコロンではなく肌から発しているかすかな香りに、好感を持つ瞬間。

 人は、心も身体も相手に惹かれ始めているのではないかと思います。

 たとえ本人は、まだ明確に自覚していなくとも。


 ここで、もやっとした予感や『あ、察し』等を、読者の方に感じていただければ描写として成功ですね。


 『え~?そうなの?』

 『説明されなきゃわからないなー』


 等々……、(以下略ww)



 間接話法(隠喩・暗喩)については、この辺でお開きにします。

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― 新着の感想 ―
[一言] いや、エロではないかな。(笑) Ⅰ‐② 言われれば「そうかなあ」とは思うが、いややはり難しい。 Ⅰ‐③ あ、ホレたな、とは思うもののエロではない。 好意の表現だけ、というのなら十分伝わる…
[良い点] こんばんは。 R15のラインが、「少々情熱的なハグがボーダーラインではないか」とようやく気がついた昼咲月見草です。 キスはきっと濃いめのはアウト。 いやそんなバカな、とは思うのですが…
[一言] 前半の例題は読んだことがありますね! 色街の雰囲気が上手に出ていると思いますよ (*´▽`*) ただ、エロいかどうかと聞かれると (。´・ω・)? 私も美しい文章という意見に一票です!☆彡
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