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宝石級美少女の命を救ったら付き合うことになりました  作者: マムル
After Story・卒業を控えて

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◇After Story第15話◇ 『宝石級美少女と江ノ島旅行【東京ファーストミッション】』


「ここが、東京!」


 約一時間半のフライトを終え、庵たちはついに目的地の一歩手前である東京に到着した。空港から出た先に広がった光景は、まさしく都会の一言に尽きる。庵たちの住む地元があまり栄えていないので、堂々と並び立つビルの数々には圧倒されるものがあった。


「ついに来たんですね! 私たち!」


「あぁ! なんかめちゃくちゃ興奮してきた!」

 

 今日という日を待ちわびていた分、実際に来れた感動は大きい。まずは二人で喜びを分かち合い、初東京記念として空港の前で写真を撮った。天気も雲一つない晴天で、素晴らしいの一言に尽きる。


「それじゃ、まずは東京ファーストミッションだな」


 興奮冷めやまぬまま、庵は顎を指でつまみ、脳みそを次なるミッションへと切り替える。ここで観光していても十分楽しめそうではあるが、庵たちの滞在は一泊二日なので、あまり寄り道はできない。


「まずは何するんですか? 庵くんっ」


 いつもより声のトーンが高い琥珀の問いかけに、庵は得意顔で答えた。


「まずは電車で江ノ島まで行って、予約していたホテルにチェックインしに行きます」


「チェックイン!」


「それが終わったら海にレッツゴー。からの江ノ島観光!」


「おー! レッツゴーですね!」


 お互い、気合もやる気も十分。今日はやることづくしだが、それのどれもが楽しいこと。そして何より、大人がいなくて子供だけというのがワクワクする。この未知の土地で、二人で何をしようと自由なのだ。


「じゃあ行くか。琥珀、絶対はぐれないようにな」


「はいっ」


 まずはホテルのチェックイン。電車で一時間くらいはかかるだろうが、ここに関しては事前に動画で何度も予習してきたので問題はないだろう。



***



 今回は米太空港でのようなハプニングは起きず、無事に庵たちは江ノ島まで到着。そこからはグーグルマップを活用して、事前に予約していたホテルに向かった。

 そして今、庵たちはホテルでのチェックインを済まし、フロントから部屋の鍵を受け取った。


 ――尚、部屋の鍵は二人で一つだ。



「――ここか」


 カードのようなもので、庵たちの泊まる番号の部屋を開く。中は真っ暗なので、手探りで電気をつけるスイッチを探した。それはすぐに見つかり、ボタンを押し込んだ瞬間、部屋が一気に明るくなる。


「わーっ。ベッドが大きいですね!」


 中に入って一番最初に目についたのは、やはりベッド。二人用のダブルベッドなので、かなり存在感がある。あとはテーブルやテレビ、クローゼット、冷蔵庫などが設置されているのは確認できた。全体的におしゃれな印象を感じる。


「......」


 琥珀は楽しそうに部屋を色々と見て回っているが、庵は玄関を抜けたあたりで硬直していた。

 とりあえず背負っていた鞄を床に置き、一度深呼吸する。そして何となく天井を見上げた。


(今日ここで琥珀と一泊するのか......)


 そう。今回の旅行は、部屋は別々ではない。庵も琥珀も、一緒にこの部屋でお泊りするのだ。

 少しでも旅費を節約という体でこのように決まったのだが、どちらにとってもそれはあまりにも建前すぎる。部屋決めの際に、別々に泊まるという案をどちらも出さなかったのだから。


「庵くん、ベッドすごいふわふわですよっ。こっち来てください!」


「あ、あぁ」


 なんで琥珀はあんなにも平然としていられるんだろうと不思議に思ってしまう。何せ、今の庵は今日の夜のことで頭がいっぱいだ。

 ホテルにつくまでは頭の片隅にある程度だったが、実際に部屋についてから急に実感が湧き出した。琥珀がベッドの近くに居るだけで良からぬ妄想が捗ってしまう。


「わー。ふわふわ、だな。うん」


「......?」


 庵も琥珀の真似をしてベッドを触るが、あまり良く分からない。これは、ふわふわなのだろうか。頭がいっぱいいっぱいで、頭のほうがふわふわしている気がする。


「庵くん、さっきから目がずっと泳いでますよ。大丈夫ですか?」


「あーっと、それは......」


 呆然としていると、不思議そうな顔をする琥珀に指摘されてしまった。そこでようやく庵は落ち着きを取り戻すが、こちらも男の子なので許してほしい部分はある。


「なんか、今日ここで琥珀と泊まるってのが実感湧かなくてさ......ちょっと、あんま頭回ってないわ」


「――」


 庵が正直に答えると、琥珀の表情が固まった。そして意味を理解したのか、少し頬を赤くして視線を下に逸らす。


「......お風呂は私が先に入ります」


「あ、はい」


 そうして、チェックインを終えた庵たちは部屋に荷物を置き、水着を持って、次なる目的地――メインディッシュともいえる江ノ島の海に向かう。

 まだまだ庵たちの江ノ島旅行は始まったばっかりだ。

 

◇宝石級美少女tips◇


インスタのフォロリクが沢山きて困っている(フォロリクを通す基準は琥珀が認知しているかどうか)。

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