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巨人になった私  作者: EVO
46/119

勝利2

『Wow!Samurai!?』

『ハッハー!』


インカムに空から割り込みでFoo!!と叫びが入った


『はあ・・・、ハラハラさせるんじゃないよサナ』


「Yeah!!やったぜサナ!」


「うわっ、冷た、水!?」


長い溜息のリリィ、ライアンの声と同時に私は頭からビショ濡れになった。


「シャンパンファイトなんて気の利いた事は出来ねえが、取り敢えずこれで眼を流せよ」


ライアンは放棄した補給物資から水のタンクを回収して持って来てくれた、私の目に泥の巨人の体液が入った直後に必要だと考えての事だった。


「サナ、眼を見せて、・・・うん、少し赤くなってるけど大丈夫そうだね、念の為目薬を手配しておこう」


アンドリューが私の眼を覗き込んでそう言った、いやあ本当に他のモンスターみたいな腐食性や酸性の体液じゃなくて助かったよ、下手したら失明していたからね。


「前は、ああ、完全に壊れてダメだな、サナ、僕の上着を」


「何言ってんだアンドリュー」


「サナの下着が透けてるんだ、隠さないと」


「え、ぎゃっ!」


しまった、上着のジャケットと胸当てを装着するからインナーはそこまで厚いのを着てこなかった、そのせいで下着が完全に透けていた。

その上着と胸当ても先の槌の一撃で壊れてしまっている。


「あん? そんなの気にする事ねえだろ」


「いいや、僕は気にするね、娘にも言ってるんだ」


「細けえ野郎だな、殆どのアメリカ人は気にしねえよ、ウチの娘だって家では乳と尻放り出してるぜ、俺も気にしねえし」


あー、アメリカってそういう所あるよね、普段のファッションも凄いんだ、ボトムスはレギンスかジーンズ、トップスはTシャツかキャミソール、ノーブラも多いしブラが見えても気にしない、ショーツは比較的にソング、タンガ・・・、所謂Tバックが傾向としては多い。


Tバックだと下着のラインが見えないから良いと言うのも理由だ。

ライアンの言うように乳と尻は放り出す(裸という意味ではない)のにショーツのラインは気にするの、日本の感覚もある私からするとちょっと変だよね。


まあ上も下もボディーラインを出すのが海外で、痩せてても太っててもこれらのファッションが普通だ。


何故って、楽&セクシーだから。


レギンス1枚履きもジーンズも、Tシャツもキャミソールも下着の上から着てOK、靴はスニーカーでヒールのあるものはあまり履かない、動きやすさ重視って感じだ。

勿論フーディーは人気だし、ダボッとしたものや他のを着る人も居るけど、アメリカでの多数派はこっちだ。


まあ、そういう訳で上着を着てくる手前、私もインナーは適当なやつを着ていた、水に濡れるなんて考えてもいなかったし。


「・・・仕方ねえな、サナも気にしてるみたいだし、野郎の汗臭い上着よか良い物があるぜ?」


そう言ってライアンは胸当ての裏に手を突っ込んだ


「なんで星条旗だよ、アンタ・・・」


「あ、リリィ」


呆れた声を挙げたのはリリィだ、ビルに寄りかかってグッタリしている、ランディも一緒だ。

そう、ライアンが取り出したのは星条旗、アメリカ国旗だ、しかも巨人サイズの大きいフラッグ。


「戦いに勝ったらフラッグ立ててえじゃねえか、どっかのビルのてっぺんにやろうと思ってよ」


「それ、毎回仕込んでたのか・・・」


「おう! まあ良いじゃねえか、こうして役に立つんだ」


ライアンは巨大な星条旗を広げると、私の肩に羽織らせてくれた。

星条旗は余裕で私を包み込み、バタバタと風ではためいた。


「ハハッ、なんか映画みたいだねえ」


「サナなら主役張れるだろ!」


「ええー?」


「いや確かに似合ってると思うよ」


「ふ、映画化決定だな」


寡黙なランディでさえ軽口を叩きながら、私達巨人特殊部隊守護者(ガーディアン)は激しく長い一日を終えて帰途へと着いた。






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