補給部隊
32.33.34.書いていたものを投稿忘れていました。
差し込み3話、よろしくお願いします。
「———以上で装備の説明は終わりだ、質問は?」
「OK、大体分かった」
本日3月1日、気温14℃、晴れ。
私達巨人特殊部隊守護者はワシントン郊外、【穴】から15kmの所で最終ミーティングをしていた。
参加者は隊長アンドリュー、副隊長リリィ、以下隊員ランディー、ライアン、私の5人でドクターは更に後方のキャンプ地で待機している。
通常、巨人特殊部隊は3人での活動をしていたけど、私の新兵教練が終わった事で、基地でやっていた教官役と私の2人を加えたフルメンバーでの作戦を行う事になったのだ。
各々役割に応じた装備を身に纏っている。
隊服+ガントレット、グリーブ、胸当て、補聴器型インカム、胸と頭部に記録用アクションカムを基本装備にアンドリューは警棒2本、リリィはマチェットを背中に1本と片手に、ランディーはバックパックに持てるだけの特殊鋼製の鉄球、ライアンはアメフトっぽい防具に巨大な戦場槌を持って待機している。
私の装備は比較的軽装だけど数は多い、基本装備は踏襲しつつも長ズボンではなくショートパンツにレギンス、ショートブーツ、ジャケットと軽く丈夫で動き易いを両立させた格好だ。
更に、ドローンや衛星から得た情報をフィードバックさせて視野内に映し出す特製HUDコンタクトを両眼に、チョーカー型通信中継器、中継器を介して制御される撮影ドローン18が私を中心に周囲3kmと部隊間の状況をリアルタイムで監視するシステムだ。
武器は日本刀を2本、太刀と小太刀それぞれ1本ずつを腰に佩いているけど、基本補給と動くサポート拠点の役割な私が振るう事はないと思われる。
そして補給物資を詰め込んだバックパック(50t)を背負って動く事になる、中身は部隊の予備武器、水と携帯食糧を少々に、救急セット等となっている。
1番重いのはランディーの鉄球かな?
消耗品である投擲用鉄球は数が必要で、ひとつひとつが重いのもあってこの重量だ。
「サナ、もう一度確認だ、アンタの役割りは?」
「此処、補給部隊の拠点と守護者間を繋ぐ事」
「敵に遭遇したら?」
「第二級敵性生物なら適度に蹴散らして後退、第一級敵性生物なら守護者と合流、引き離せるなら後退」
「良し、邪魔ならサナの判断で物資も捨てて逃げろ、いいね?」
「うん」
リリィは私の頭を撫でると表情を引き締め言った
「さあ、行くよ!」
***
「と言っても、特にやることないんだよね」
『ふふ、そうね』
指揮車に乗っているオペレーター、イブと話をしながら私は皆の1kmほど後方を歩いていた。
基本、直前の空爆で第二級敵性生物はほぼ全滅している、日本の時のように沢山相手をしなくても良いというのは精神的に楽だ。
それにワシントンは空爆の為に完全に無人となっていて足下を気にする必要もない、・・・凄い楽!
大事な事だから重ねて言うけど、凄い楽!
無人のワシントンはちょっぴり不気味だけど私は太刀を片手に電線をカットしながら歩く。
実は作戦開始直後、電線を跨いだ時に引っ掛かって盛大に転倒したのだ。
「ギャフン!!」
「どうした!?」「サナ!?」「何があった!」
『サナ転倒しました! サナ転倒!』
・・・指揮車からオープンチャンネルで私の転倒が報告された事といったらもう、恥ずかしくてイヤになる。
結局確認取ったら緊急退避時に転倒でもしたら危険だということで、電線は適宜切断しながら進軍して良いとの許可が降りた。
『サナ、HUDは今からオンにして慣れた方が良いよ』
「はい、HUDオン」
すると視界には沢山の情報が表示された。
前方部隊と後方部隊との距離、各々の現在位置、簡易マップ、方角、敵の位置、進行ルートの矢印まで。
「何度見てもゲームやってるみたい」
『そうね、あとはドローンの映像を映すことも出来るけど、今は必要ないから割愛、そろそろ本隊は接敵するからね』
「はい」
流石に戦闘が始まるとなれば無駄口をきくのは良くない、私は気を引き締めて口を閉じた。




