クリスマスバースデー2
「happy birthday!Giants」
「Foo!!」
誕生日おめでとう巨人達、と叫ぶのはバースデーソングを歌った歌姫クイーン・ロックだった。
どうやら軍の予算の関係でクリスマスパーティーと巨人部隊全員のバースデーパーティーも兼ねた企画になっていたらしい。
勿論、元々の誕生日を否定する訳では無く、あくまで軍から私達巨人への娯楽提供と労いを目的とした企画だ。
それにしてもクイーン・ロックにハッピーバースデーされるなんて夢みたいだ、彼女は伝説的女性ロックシンガーで年齢を感じさせない魅惑のルックスと圧倒的歌唱力を持つ、今でも人気のシンガーだ。
「Hi!」
ライブを観ながら、もぐもぐとプレートの料理を食べ終えた頃、私達の所へ現れたのはセクシー女優のケイト・リンだった。
「ほあっ、は、初めましてっ」
「うふふ、初めまして巨人ちゃん」
ニッコリと微笑む彼女はダイナマイトボディーで色気を振り撒いている。
「うわぁ、顔ちっちゃい、脚長い、綺麗・・・」
「あら、ありがとう、サナちゃんもとてもキュートよ」
「あ、ありがとうございます、リリィ、ねえリリィ、ケイト・リンだよ、本物の!」
「ハイハイ、揺らすなって、落ち着けサナ」
「ふふ、貴女達も本物の巨人ね」
「は、はい、巨人なんです!」
と、ケイト・リンの足下に抱きついて隠れている子がスカートを引っ張って言った。
「ママ・・・」
「はいはい、ほら御挨拶は?」
「エマ・リン、初めまして」
「初めましてエマちゃん、私はサナ・佐藤、サナって呼んでね」
「サナちゃん」
「んー?」
kawaiiが過ぎる!ケイト・リンの血筋か、とってもキュートな5歳位の子でモジモジと挨拶をした。
「おっぱい、触らせて」
「ん〜???」
いけない、何か変なの聴こえた・・・
チラっとケイトさんを見ると困ったように苦笑していた。
「あの、この子おっぱいが大好きで、暇があれば家では私にベッタリなんです」
うんうん、なるほど、確かにセクシー女優のケイト・リンの胸は凄い。
大きいのに形が良くて垂れてなくて、もうセクシーって感じだ。
「ママのおっぱいはアメリカナンバーワンって聞いたの、でもママよりおっきいおっぱいあるから、サナちゃんの触らせて?」
「???」
なるほどぉ、分からん・・・
つまり、多分だけどエマちゃんは胸が大好きで、セクシー女優のケイト・リンより大きい巨人の胸も触ってみたい、そんな感じ、なのかな?
いやでもカップ数で言うと遥かにケイトさんの方が大きいよ、そりゃ物理的には私とリリィの方が大きいけど。
「ほら、お姉ちゃんを困らせちゃダメよエマ」
ケイトさんに諭されるとエマちゃんが目に見えてシュンと縮んだ、う、謎の罪悪感が。
「い、いいよ、どうぞ?」
「やった!サナちゃん大好き!」
仕方ないなぁと、私はクッションをお腹の下に敷いてうつ伏せになり、上着の前を開いてあげた。
「うわぁ、大きい! ママ!おっぱい大きい!凄い!サナちゃんのおっぱい大きい!」
いや、あの、あまり大声で言わないでくれると助かるなぁ・・・
エマちゃんは大興奮でシャツの襟元に抱きつき、モニモニと私の胸に顔を、というか体を埋める。
「ごめんなさいサナちゃん、コラッ、エマ、程々にしなさ・・・」
ケイトさんが恐縮して叱り始めた瞬間だった
「あ」
「ちょっとエマ!?」
シャツの襟を掴んでエマちゃんが谷間に入っていったのは。
「うわぁうわぁ、凄いよママ!おっぱいに包まれてる!温かくて柔らかくて良い匂い!」
「え、エマちゃん!?」
「エマー、早く出て来なさい!」
「ゴクリ・・・」
それは近くから聞こえてきた、見ると周囲に居た米軍人やファミリーが私を凝視している。
「や、ちょっとっ」
「オラ!何見てんだ、見せもんじゃないよ! これ以上見たら全員まとめてコーラの中に放り込んで掻き混ぜてやるからね!」
リリィはドンとコーラの入ったプラ製グラスを地面に叩き付けて一喝、皆ササっとそっぽを向いてホッとしたのも束の間。
今度は中々出て来ないエマちゃんに焦れたケイトさんがハイヒールを投げ捨てるとシャツの襟を掴んで中に入った。
「ええ!?」
「エマ、いい加減にしなさい!」
「ヤダ! エマ此処に住むもん!」
「ンンっ!!?」
モゾモゾと下着の中を這い蠢く2つの感触がとても擽ったい、もどかしいけど私が下手に動くと潰しかねないので2人が出てくるまで耐えるしか無かった・・・
***
「はあ、はあ・・・」
「なーに、やってんだいサナ」
「私は何も・・・」
「ごめんなさいサナちゃん、でも良い胸してるわ、モデルか女優やらない?」
「ええっ!?」
「おや、楽しそうにしてるね、私も交ぜてちょうだい?」
「ギャッ、クイーン・ロックッ、・・・さん!」
そこからは次から次へとスターが現れて私は浮かれっぱなしで、自分の手の平に乗せて持ち上げたり、サインを貰ったりと一生分の運を使い切った気がする。
夢のような時間を過ごし、それが現実のものだったと認識したのは翌日タブレットに登録されたスターの連絡先と、部隊とスター勢揃いの集合写真、SNSの相互フォローになっているのを見てからだった。




