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巨人になった私  作者: EVO
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夏季合宿 1

「ラァラはホッケーの彼と付き合ってるのよ」


「え、いつの間に!」


「サナが日本へ行ってスグの試合の時に良い感じになってね」


「あーあ、私も素敵な彼氏が欲しいな」


「アンタ歳上好きでしょ、ハイスクールだと教師とコーチしか居ないじゃない」


「アンタだって歳下好きで手を出したら捕まるでしょ!」


「だーかーら、私は大学生になったらハイスクールの子を捕まえて」


「やだ、それは引くわ」


「犯罪じゃないわよ!」


サマーバケーション、ハイスクールは夏季休暇に入ったので私はチアリーディングクラブの合宿に参加していた。

とある湖畔森林公園でバンガローも併設されているキャンプ場だ、近くには競技場施設もあるので寝泊まりは湖畔公園で、毎朝みんなはバスで競技場施設へ向かい練習をする。


合宿の予定は12日間、3日練習して1日休日を繰り返す日程となっている。

私は米軍が開発していた巨人用簡易テントを借りて、広場にテントを張って滞在する、水は湖から引いて浄化装置を通してシャワーを浴びられるようにした。


日中の練習が終わるとクラブのみんなは私のテントに集まってパジャマパーティーを始めた。

テントは私が寝転がっても痛くないように厚めのマットが敷かれているので、みんなはそのまま寝転がって、私はシュラフの上で話に参加していた。


約1ヶ月程ハイスクールを離れていた間、夏季休暇を前に付き合い始めた人達が結構居るらしくて、話題は恋についてだった。


「アリッサは? 好きな人」


「私は、別に?」


「Hahaha.サナ、アリッサはねサムが好きなんだよ!」


「ちょっとばらさないでよ!」


「え、サムってアメフトの?」


「そうそう! アリッサ、バラスも何もクラブで知らないのはサナだけ、みーんな知ってるからね」


「へえー、まあサムって脚も早くて格好良いもんね、勉強も結構出来るし」


「サナ、まさかサムの事好きなの!?」


私がサムについて話すとアリッサが慌てた様子で聞き返してきた。


「え!? そんなんじゃないよ、一般論だって!ね、サムって普通に格好いいよね? アマンダもローラもそう思うでしょ?」


「そうねー、まあ私の好みじゃないけど」


「うん、スペック高いから人気あるよね」


「それに私付き合ってる人居るから」


「「「What's!?」」」


「誰!?」「待って当てるから言わないで!」

「サナにそんな気配無かったじゃん!?」

「誰誰? 私達知ってる?」


私がカミングアウトした瞬間、みんなキャーっと盛り上がった。


「えっと、みんな知ってる人だよ、えへへ、日本で、ね?」


「ま、まさかライアン選手!?」


「既婚者!? サナやるう!」


「いやいや、ライアンは違うから!愛妻家だし、ライアンは頼れる兄貴分って感じだよ」


「じゃあ誰だろ」「うーん」

「ダメだ、分かんない!」


「実は、リリィと付き合う事になってね」


「「「キャーーー!!」」」


「ええっ、リリィ()と!?」

「あー、羨ましいわー」

「サナってレズビアンだったの!?」

「戦地で咲く恋の花、ロマンスね!」


「何、リリィ様って!? いや、私はレズじゃなくてバイだと思う、ヘテロかと思っていたけど、まあその辺りの感覚は曖昧かな?」


同性愛者か異性愛者かとなると、私は好きになった人の性別に拘りは無い感じがする。

それよりもリリィ様って!


「そうなんだ、あ、リリィ様って言うのは、記録映画とかでも評判になっててね、男前の女性巨人兵士で結構憧れてる人が多いのよ」


「へー、それって女性が、ってこと?」


「そうそう」


「あー、でもサナとリリィ様かぁ、似合ってるよね言われてみると」


みんなオープンなので私のカミングアウトも割りとすんなり受け入れられた。

まあ多数派ではないけど、同級生やコーチの中にも居るからね。

周囲に話している人も居れば、休日に手を繋いでデートしているのを見たって話もある


「ねえねえサナ、興味本位で悪いんだけど女同士ってどうなの?」

「あ、ごめん、私も気になる」

「サナはどっち? リリィ様は?」


「えっ、いや、そんな恥ずかしいから言えないよ」


ノーコメントだよ、それは。

だって・・・



***



帰国してスグの頃だ


「サナ、良いよな?」


「なにが?」


「なにがって、両親に挨拶もしたアタシらは正式な恋人(パートナー)だろ?」


リリィはそう言うと私の両手首を掴んで押し倒した、これで分からない程私は子供じゃない。


「なんか、恥ずかしい・・・」


「良いだろ? アタシも初めてだけど優しくするからさ」


「え」


「え?」


「初めて?」


「なんだいその反応、アタシをなんだと思ってるんだ」


「いや、だってスキンシップ手馴れているし、彼氏の1人や2人くらい居たのかなー、って」


「居ないよ、サナが初めてだ」


意外だった、リリィは不本意だとばかりに沢山キスを落としてくる。


「サナだって、興味あるだろ?」


「まあ・・・」


歳頃だからね、ママから教えられた事もあるし、ハイスクールでもある、軍医のエリスからも必要だからってそういう知識は教えられた。


「サナ?」


リリィが熱の篭った瞳を向ける


「・・・シャワー浴びたい」


「! へへへ、一緒に入ろう」


途端、上機嫌になったリリィはウキウキで私をバスルームまで抱えて走った。

その後は、言うまでもないでしょう?



***



「・・・ノーコメント、で」


「えー? 誰もセックスの事言わないのつまんない!」


「いや、言わないでしょ」


「いいじゃん、アリッサも聞きたいよね?」


「ま、まあ興味はあるけど、自分がそうなったら話しにくい、かな?」


「むう・・・、じゃあこれだけ答えてよサナ、良かった?」


「・・・」


凄かったです、溶けるかと思ったよ・・・

しかもリリィは日本で沢山の玩具を特注していたらしくて、コンテナいっぱいのアレやアレが。


「Hahaha! 流石HENTAIの国だな!」


最低な話だ、勿論仲が良いチアクラブのみんなが相手でも話せる内容ではない。

人によってはあけすけに〇〇〇が〇〇〇に、〇〇〇〇と〇を〇ってとか言う人居るけど、ちょっと私にはムリです。







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