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第42話 温泉郷と伝説の城11

 つまりアイテムボックス全体の状況はこうなっている。


 使用率:87/105%


 品目リスト:


 武芸者のペンダント:1

 ミスリルソード:1

 銀騎士のレイピア:1

 黄金騎士の盾:1

 大戦士の大斧:1

 生命の宝珠:1

 炎の宝玉の杖:1

 氷の宝玉の杖:1

 修験者の杖:1

 白銀の鎖帷子:1

 魔導石のペアリング:1

 変異ミスリルのバトルフレイル:1

 食人鬼の化石:1

 ドワーフの道具袋:1


 その他リスト:

 屍竜使いの魂:1


 ステータスボーナス:

 腕力:580

 体力:580

 敏捷:430

 魔力:430

 精神:430


 追加特技:


 気弾

 ソニックブーム

 百烈突き

 エクストリームガード

 デイブレイク

 気配察知

 武具変形

 土遁


 追加魔法:


 ファイアアロー

 フリーズバレット

 ヒール


 追加特性:


 全能力アップ×1.3

 自動回復・小

 一蓮托生(アッシュ&マルティナ)


 追加スキル:【屍竜使い】



 アイテムボックス使用率上限アップである。

 これは今まで他に類を見ない効果だった。


 いや、正確に言うと市販のマジックバックでも使用率上限アップの効果はあった。

 ただし、1つで使用率上限+1%で、使用率も1%上がる。

 つまるところ、いくつ【収納】しても意味を為さない。


 だがこの【ドワーフの道具袋】は使用率を+5%もアップする上に、使用率も1%も上がらない。つまり【収納】すればする程、ワシの【収納】スキルが強くなるに等しい。


 ここにいる皆の力を借りれば、目標の使用率上限まで届くはずである。

 今のワシには、それが必要だった。

 とにかく大量のアイテムボックスの空きがいる。


 だが、一番使用率を食っている【屍竜使いの魂】だが、これを放出してしまうわけにはいかない。

 これはこの間戦った屍竜使いドルミナの本体そのもの。

 アイテムボックスから出して逃がしてしまったら、また大変な事になりかねない。


 それにこの間別れて別行動をしているバーヴェル達は、ワシがこれをアイテムボックスに入れているから、ワシの眷属として生きていられる。

 迂闊に外に出してしまえば、いきなり彼等の命が尽きてしまう事もあり得る。


 ゆえに【屍竜使いの魂】を保持したまま大量にアイテムボックスの空きが欲しいのだが、それを解決してくれるのがドナ達ドワーフの道具袋である。


「爺ちゃん! おらの道具袋はもうアッシュくんに預けたべ! 爺ちゃん達も頼むだ! そうすりゃあアッシュくんは、城騎士を従える力を使えるようになるんだべ!」


 と――


 ドガアアアアァァァァァンッ!


 外から響く轟音。

 城騎士の体全体がグラグラと揺れた。


「む……!? いかん、急がねば外からの攻撃で城騎士がボロボロになりかねんのじゃあ……! 済みませんが、お早くお願いしますぞい、皆さん!」


 さすが聖剣を手にしたティナの力。恐るべし。

 逆に城騎士の身を心配しなければならなくなるとは。


「むむむむ……しゃあねえ! 貸すだけだぞ! 用が済んだら返してくれよな! そいつは親の形見みてえなモンなんだ!」


 言ってワードナ親方は自分の腰から下げていた袋を取り外し、逆さにして中の物を出し始めた。


 ドサドサドサドサドサドサドサドサッ!


 出て来るわ来るわ、凄い物の量である。

 そのかなりの部分が、金槌やら金バサミなど職人の仕事道具である。

 金槌だけで何種類あるだろうか。かなりの拘り派だ。


 これがこの人の歴史でもある、というわけだ。まるで小山のようだった。

 中には何に使うか分からないガラクタのようなものも混じっているが――


「ふええ~。さすが爺ちゃん。すっげえ……なんか貴重そうなオーブや素材もいっぱい……鍛冶の製法の本も――って爺ちゃん! な、ななな何だべこのエッチな本は! こ、こんなモン孫娘に見せんじゃねえべ! 恥ずかしいだ!」


 たまたま手に取った本がそういうモノだったらしく、ドナが顔を真っ赤にしていた。


「や、やめろこら! わざわざ手にとんじゃねえ! 若い頃に持ってて捨てられねえもんってのもあるだろうが! 見て見ぬふりをしてりゃいいんだよ! ちくしょう、これだから道具袋をひっくり返すのは嫌なんだ……!」

「ほっほっほ。なまじ無尽蔵の容量がある分、物持ちが良くなるわけですわな」

「そうじゃ! 誰にでも若けえ頃ってのはあるんだよ! おら、おめえらもさっさと中身放り出して道具袋を坊主に渡してやれ!」

「その前に……」

「ドナはあっち向いててくれ!」

「こっちも向くなよ!」

「こっちもだ!」


 他のドワーフ達からも、そんな声が上がる。


「……みんな、もう……!」


 ドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサッ!


 ドワーフの皆さん方の荷物が、道具袋から金ピカの浴場に撒き散らされる。

 一言に道具袋と言っても、色々形状があるものだ。

 シンプルな丸い袋もあれば、ベルト付きの四角い箱のようになっているものもある。


 そして――

 ドワーフのエッチな本に出て来るのは、やはりドワーフの女の子のようだ。

 豆知識を得た気分である。


「「「よし、持ってけ!」」」


 そして――


 使用率:88/215%


 一気に倍増以上になったアイテムボックスの使用率上限。

 これならいける!


「おおお……! 素晴らしい、これなら行けますぞ! 城騎士を従えて見せますぞい!」

「おめえが儂等の道具袋を【収納】したんだな? それでどうなったんじゃ?」

「ワシのアイテムボックスの容量が倍以上になりましたわい。これなら、アレを【収納】できます……!」

「アレ……!?」

「興味があれば、ご一緒に! さあドナ、次は外に出る道案内を頼むんじゃあ!」

「分かったべ!」


 ワシはドナを背負い、城騎士の内部から外へと飛び出す。

 そこはティナの繰り出す聖剣波動が乱れ飛ぶ戦場である。


 ティナの周りには、既に何十体ものオーガの石像の残骸が転がっていた。

 この短時間でこれだけの数を一人で撃破してしまうとは。


「す、すげえだ……! マルティナちゃん、一人であれだけの数をやっただか!?」

「ひょ、ひょっとして今のワシよりティナの方が強いのでは……?」


 ワシはとうとう能力を覚醒させてティナを守れる男になって迎えに行ったつもりだったが、まだ足りていなかった可能性がある。

 ――まあそうだとしても、これから超えて見せればいいが。

 今のワシには、最大215%に増えたアイテムボックスの容量があるのだ。


 と、城騎士の切り札だったボスオーガ石像もティナの前にズタボロにされている。

 まさに今、ティナが止めの大技を繰り出そうとしていた。


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……!」


 狂暴な目つきでぶつぶつ言いつつ、聖剣の切っ先で小さな円を描くように何度もくるくると動かす。

 すると聖剣波動が渦を巻くように刀身の周りを廻って、滞留し始める。

 回転を重ねる程にそのうねりは大きく、竜巻の様に膨れ上がって行く。


 ビュギュヴウウウウウゥゥゥゥゥゥンッ!


「おお……!? 聖剣波動が渦を巻いて巨大に……!」

「あわわわ……すんげえ迫力だべ、アレは……!」


 聖剣に巻き付く波動の竜巻。

 それが長く遠くに伸びて――


「死ねえええええぇぇぇぇぇっ!」


 それをティナが振り上げ、ボスオーガ石像に叩きつける!


 ゴガガガガガガガガガガガガガガガガッ!


 その渦に呑まれたボスオーガ石像は、ぐるんぐるん回転しながら体を削られ、あっという間に小さくバラバラになって行く。

 ものの数秒で、元ボスオーガ石像の瓦礫の山が出来上がっていた。

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