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六話 戦闘力つよつよ系虎師匠と冒険者登録した話

【究極偽装】で少し並んだがすんなり入れた。


『おおお。人里なんぞ久々に来たが、恐ろしく発展しておるなあ。なんじゃあの建物は!』


「傭兵団本部ですね。」


『でかいのお。』


「あ、絶対にスキルを使ったりオーラ出したりしないでくださいね。絶対めんどくさいんで。」


 それにしても広いなあ。人多いし。


 ドスンと、子供がぶつかる。


「あ、大丈夫?」


 少年の持っていた焼き鳥のタレが俺のズボンにベッタリと付き、焼き鳥が地面に落ちる。


「あ、ご、ごめんなさ……」


「ははは。大丈夫だよこれくらい。ほら。」


 一瞬で汚れを消し去る。おまけに焼き鳥を手持ちの素材で魔法で再現。


「はい。どうぞ。」


「あ……ありがと。」


 ニコニコと手を振って去っていく。久しぶりだなこういうの。


 さてと、どうしようか。


『冒険者か傭兵。どっちで遊ぼうか。』


 ええ……人はおもちゃじゃない筈だけど……


『それはそうと、まず飯を食いたい!あれとか美味そうだ!』


 師匠は飯を食べなくても平気だが、味覚が無い訳では無い。美味いものは美味いのだ。


 魔力、体力も微妙に回復する。まあ極々微妙だが。


 人目のつかないところに行って、師匠も人の姿になる。


 今回はクールな女冒険者って感じの姿。


「男にはならないんですか?」


「むさ苦しい男より、綺麗な女子おなごの方が良いに決まっておろう。」


「ああそう。」


 テラス席でステーキを食う。味はまあまあ。ソースは薄めだけど肉の質が良い。プラマイゼロって感じかな。


 時の神社でドラゴン肉ハンバーグを振る舞ったりもしたから。師匠も俺の料理の方が良いようだ。


「タケの料理の方が美味いでは無いか。」


「まあ前世知識の差ですよ。でもほんとに勝てないのもありますよ。例えば酒とか。」


「酒!何万年も呑んどらんわ。久々に呑みたいのう。」


「ドラゴンの角一本でこんなにお金手に入ったんですから、いくらでも呑めますよ。」


「真か!?ならば呑み比べようぞ!!」


「昼間っからですか?流石に周りの目がキツイですよ。まず今夜の宿を取りましょう。」


「? 寝床などその辺で寝ればよかろう。」


「ええ……ああそうか師匠はベットの寝心地を知らないんですね。」


「べっと?なんじゃそれは。」


 ◆◇◆◇


「お部屋は……ダブル一部屋でよろしいでしょうか?」


「だぶる?」


「ツイン!ツインで!」


「かしこまりました。」


「だぶるとはなんじゃ?」


「Hなことする部屋です。」


「なんじゃ。別に儂は良いぞ?可愛い愛弟子の面倒くらい……」


「俺は良くないです。」


「何故?」


「なぜ……なぜ……なぜだろう。恋人がいるから?」


「それは前世の話じゃろう。浮気したって分からんて。貴様今世も童貞でいるつもりか?」


「………とにかく良くないんで。」


「なんじゃつまらん。臆病者め。」


 ◆◇◆◇


 その後は観光。闘技場はレベルが低すぎてつまらなかった。賭場は師匠が荒らし過ぎて出禁……というか頼むから出ていってくれと言われ、仕方なく出ていった。


「みろこんなに金が増えたぞ。両手で持ちきれんわ。」


「収納するんで、貸して下さい。」


「ほい。」


 ……何枚あるんだこれ。見当もつかん。


「持ち歩くのも危ないですし、銀行とかに預けたいところですけど……」


 《提案。冒険者ギルドに登録すれば、ギルドの貸金庫が無料で利用可能です。》


「まあそれでいいか。冒険者ギルドに登録しにいきましょう。もうそろそろ日が沈むので、その後酒場です。」


「おお!すぐ行こう。儂に呑み比べで勝てると思うなよ。」


「俺だって前世では大ザルとして同期と先輩を恐れさせたものですよ。」


 ◆◇◆◇


「ちわーす。冒険者登録に来ました。」


「はい。登録ですね。名前、年齢、スキル、得意な武器を教えてください。」


(バカ正直に答えるなよ。)


 分かってますよ。


「えー名前はトミカワタケル。年齢は………21歳でいいか。スキルは【火魔法】【水魔法】【俊足】。武器はカタナですね。」


「儂はファ……ファ……ファリアだ。年齢はきゅうじ…………に、23歳だ。スキルは…【念話】【雷魔法】【風魔法】【俊足】。武器は儂もカタナじゃ。」


「はい。これで登録しておきます。別にこれごまかして書いてる人結構いるんで気にしなくて大丈夫ですよ。」


 バレてた。まあいいか。


「じゃあこれ、金庫に預けといて下さい。」


「はい。わかりま…………」


 おもむろに積み上げられた金貨の山を見て受付嬢が絶句する。


「わ、わかりました。」


 ふらふらと奥に入っていく。周りの冒険者の視線が一気にこちらに集まった。目立ちすぎたか。


 これはラノベでよく見るパターンか?


「おうおう兄ちゃん。いい女連れてるじゃねえの。しかもなんだあの大金。俺にもちょっと分けてくれよ。代わりに色々教えてやっから。」


「なんじゃ貴様。死にたいのか?」


「まあまあ師匠。見事なまでのテンプレなんですから。面白いんでもう少し眺めときましょうよ。」


「あ?舐めてんのか?」


「舐めてなど居らんわ。只、都会には喋る赤虫がおるんじゃなと思うただけよ。」


 男の無駄に赤い鎧に視線が集まり、周りにドッと笑いが起こる。


「てめふざけんじゃねえぞ。」


 男の拳が師匠の顔に迫る。


「野蛮な。」


「俺がやりましょうか?」


「そうじゃな。儂が出るまでも無いか。」


「では。」


 男の拳が師匠の顔寸前で止まる。


 俺が横から片手で止めたからだ。


「係員さん。こいつぶっ飛ばしていいですか?」


「乱闘などは自己責任ですが、できれば備品は壊さないでいただけるとありがたいですね。」


「そうですか。」


 掴んだ腕を引っ張り、体制を崩したところで後ろに回って首トン。


 一瞬。


「よっわ。」


「弱いのう。スキルも魔法も剣術も使っておらんぞ。」


「その方、一応Cランク冒険者なんですが………」


「Cランク?」


 《冒険者には……》


「冒険者にはランクが存在していて、下から順にE、D、C、B、A、Sです。Eは初心者。Dは少し弱めの中堅。Cで中堅。Bは強めの中堅。Aは達人級。Sに至っては英雄クラスです。」


 《………》


 ナビさんが仕事取られて拗ねてる。


「儂らはEランクか。上がるにはどうすれば良い?」


「高難易度依頼を一定回数連続で達成する、又はギルドマスターの特別推薦、他にも特例措置はいくつかありますが、基本この二つですね。」


「そしてランクが上がると受けれる依頼のランクも上がると。」


「はい。その通りです。その分報酬も上がるので、頑張ってください。」


「なあなあお二人さん。呑んでけよ。話を聞かせてくれ。」


「ん?」


「ああ。我がギルドは酒場も兼ねています。是非お楽しみください。」


「ほお。酒場に行く手間が省けたわ。強い酒を二樽ほど頼む。」


 樽!?樽か………イケるか?

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