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一話 戦闘力つよつよ系虎モンスターに気に入られた悪魔の話

 ゴツンと、頭をぶつける。


 いや頭と言うより胴体?


 巨大な白虎の目が開く。


『なんだ?貴様。』


 え、なに?喋ってる!いやそうじゃなくて!やばい。牙鋭い。怖い止めて。


『ほう。これは珍しい。レジェンドリトルデーモンではないか。』


 ぎゃー!喰われる!やめて!俺美味しくない!いや美味しいのかも!でもやめて!


『安心せい。貴様なんぞ喰わんわ。』


 え?俺喰ったらめっちゃ強くなれるんじゃ……?


『儂の魔力から生まれた者を儂が食っても意味無かろう。しかも知性がある個体など、そんな珍しき者、一息に食ってしまうのは勿体無うて仕方無いわ。』


 ぎゃ!心読まれた!


 《回答。NAME:ファルの【読心】スキルと推測されます。》


『ほう。面白いスキルを持っているな。【みちびくもの】では無いか。伝説のスキルとは。ますます珍しい。』


 みちびくもの?


 《私の事です。世界に6つの一文字スキル、【みちびくもの】【さがすもの】【こわすもの】【よぶもの】【たたかうもの】【よみがえるもの】の内の一つに数えられ、伝説のスキルと呼ばれています。》


 スゲーじゃん。


 《【導】は、「世間一般に知られている情報」に限り全て主に提供することが可能です。又、高速演算、並列思考、スキルの統合と処理等も可能です。》


『なんと恐ろしいスキルか。やはり喰らうても良いか?』


 《否定。回答。主を取り込んだとしても私が貴方に移ることはありません。寧ろ自爆することも可能です。》


『はっはっは!冗談じゃて。貴様は儂の魔力から生まれたのじゃ。儂の仔も同然よ。そうだ貴様、生まれたばかりで右も左もわからんじゃろう。儂が鍛えてやるわ。』


 なんかどんどん話が進んでく………止めて…………誰か助けて…………


 ◆◇◆◇


『さて、まずは【ステータス】と念じて見よ。』


 え、す、【ステータス】


 目の前に青いボードが現れる。


『ふっ。雑魚のそれじゃな。』


 ひどい!


『だがスキルは異常か。なになに?【導】【飛翔】【改悪】【改善】【神速】【吸血】【変身】【全魔法】?はっ生後10分でこれとは。本当に美味そうな奴よ。』


 いやです。食べないで。死にたくない。一回死んだけど。


『一回死んだ?ああなるほど転生者か。だからそんなに知性があるのか。しかもスキルを知らないとなると異世界人の転生体か?いよいよ珍しいなんてものでは無いな。』


 ………ファルさんでしたっけ?で、俺はどうすれば?


『ふむ。まあまずは【飛翔】と【神速】を極めろ。それだけで貴様は死ななくなる。あと儂は師匠と呼べ。』


 従うしかないか。で、具体的には?


 ニタリと、師匠が笑う。


『それはまあ単純に、デスゲーム(おいかけっこ)じゃよ。』


 ゑ゛? ←本日2回目


 ◆◇◆◇


 洞窟から出る。


 そこはとても広い森。


 いや寧ろ樹海と言っていいくらいだ。


 巨木が立ち並び、奥からはなんとなくえげつない気配が幾つも在る。


『ほれいくぞ〜三、二、一、始め!』


【神速】を発動。瞬間。一瞬で100mほど飛び抜ける。直後、木にぶち当たる。


『はっはっは!思っておった10倍は速かったのう。』


 師匠が一瞬で此処まで移動してきて、笑う。


『ほれ、つかまえた。』


 直後、バチィっと、物凄い電撃のような激痛。


『罰ゲームじゃ。』


 《警告。HP残り2/161》


『なんじゃほんとに雑魚じゃな。ほれ【回復】。』


 《HPが全快しました。》


『じゃ、もう一回。』


 ……地獄だ……


 ◆◇◆◇


 そこから毎日訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練訓練……………………………


 今では20秒くらいは師匠から逃げれる様になっていた。


 訓練期間は実に4ヶ月間。死ぬかと思った。


 衣食住に関しては一言。


 無双。


 衣は、そもそも要らない。


 食は、そもそも要らない。周りの魔力を吸収するだけでいい。


 住は、洞窟。師匠のお陰か、敵どころか虫すら寄ってこない。


『まあこれくらい速ければ大体の敵から逃げれるのう。』


 じゃ、じゃあ!!


『良し、次のステップじゃ。あれを倒せ。』


 師匠が鼻で指す先は、ドラゴン。


 イカれてやがる!!!!


『イカれてなど居らんわ。ただのクアドラプルドラゴンじゃろう。』


 《種族名:クアドラプルドラゴン。神獣の樹海に生息するモンスター。4つの首を持ち、そのそれぞれからブレスの集中攻撃が放たれる。推奨レベル:230。》


 おーれーはー!!!レベル1なんですけどお!?


『つべこべ言わんと、行って来い。』


 師匠に掴まれて、ドラゴンの目の前に放り出される。


 ドラゴンが咆哮を上げる。


 ぎゃああああああああああ!!殺人鬼!!いや殺人虎!!いや殺悪魔虎!!


 4つの首がこちらにブレスの準備をする。


 しししししししししし【神速】ぅぅぅぅぅぅ!!!





 視界がブレる。





 世界が、

 



 遅くなる。





『【神速】【全魔法】【飛翔】が在って、ドラゴン如き倒せない訳無かろう。』


 遅い時間の中、俺だけが動ける。


 《【全魔法】の使用許可を申請します。》


 え?俺に?じゃあ、はい。


 《【全魔法】の一つ。[上位風魔法:DEATHTEMPEST]を発動します。【神速】との併用により、高速詠唱を発動します。完了しました。》


 物凄く遅いブレスを避け、後ろに回る。


 《発射します。》


 黒いつむじ風が現れ、竜巻と成り、ドラゴンを包み込む。


『グギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』


 ドラゴンが旋風に切り裂かれ、塵となる。


『それ見ろ。瞬殺じゃ。』


 《レベルが上がりました。1→132。》


『元々魔力だけはバカ高いんじゃ。それに【みちびくもの】と【全魔法】、【神速】が加われば、あんな空飛ぶトカゲくらい、赤子も同然よ。』


 ………つっよぉ。

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