石川紀子
石川紀子
戦闘力★★☆☆☆
情報力★★★★★
記者魂★★★★★
潜入 ★★★★☆
新聞部の紀子は、ビルとビルの間にある狭い路地に隠れ、表通りの感染者たちの姿が消えるまで、身を潜めることにした。
しかし、雨のせいで制服と髪の毛がびしょぬれだ。ポニーテールで纏めているため、たいして気にしていないが。
しかし、なかなか感染者の姿が消えない。業を煮やした紀子は、近くの地下室の窓を割り、地下室に侵入する。
地下室は物置なのか、やたらとガラクタが多いが、外よりはずっとマシだ。
紀子は、地下室の階段を駆け上がり、廊下に出て、裏口から外に出た。
裏口から出た道路に感染者の姿はなかったが、衝突した車が多くあり、バスが道路のバリケードのような形で停車していた。いや、倒れていた。
紀子は、姿勢を低くしながら、雨と闇を利用して移動開始した。
どのくらい移動したかは、覚えていない。所々爆発音が聞こえるだけだ。
すると、後ろから気配を感じた。振り向けば、遠くはないが近くもない距離に、感染者の集団が居た。しかも。紀子の存在に気づいていた。
紀子は走った。
逃げるのよ?
脳内でスパークした。
喉を食いちぎられてもいいの?
心臓がバクバクしている。
雨のせいで、思ったより走れない。
感染者たちが接近しているのを肌で感じた。振り向くな!
紀子は走り続ける。走り続けなさい!私の足!
紀子は祈った。神様、私が生きて東京から出られたら、教会に寄付金を出すと誓います!どうか守ってください!
この祈りが届いたか否か、振り返れば感染者の姿は消えている。
「助かった……の?」と思わず口にしてしまう。
だが、紀子は目の前の物体に興味をそそられた。
それはヘリコプターの残骸とコンテナの残骸だった。ヘリコプターは燃えずに大破していた。
コンテナは、外からよりも中から破壊されたような感じだった。それに、道には数人のSATのような格好をした兵士が何人も死体で転がっていた。SATと違い、黒いフルフェイスのヘルメットをかぶっていた。
紀子はヘリの中に入り、何か役に立つものがないか探したが、銃器はすべて壊れていた。
しかし、資料らしきものはあった。
紀子は読み上げる。
〝製品番号HK-012
製品名 ブロブ
輸送先 紛争地帯
注意❢ 本製品は制御不可能のため取扱いには注意と心がけを〟
どういう意味だ?何かの兵器が送られようとされていたのか?
わからない、全てが分からない!
紀子は、他に何かないか探索を始めることにした。




