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感染者の沈黙  作者: 原案・文章:岡田健八郎 キャラクターアイディア:岡田健八郎の兄 
番外編:その他の人物の運命
73/84

石川紀子

石川紀子

戦闘力★★☆☆☆

情報力★★★★★

記者魂★★★★★

潜入 ★★★★☆

 新聞部の紀子は、ビルとビルの間にある狭い路地に隠れ、表通りの感染者たちの姿が消えるまで、身を潜めることにした。

 しかし、雨のせいで制服と髪の毛がびしょぬれだ。ポニーテールで纏めているため、たいして気にしていないが。

 しかし、なかなか感染者の姿が消えない。業を煮やした紀子は、近くの地下室の窓を割り、地下室に侵入する。

 地下室は物置なのか、やたらとガラクタが多いが、外よりはずっとマシだ。

 紀子は、地下室の階段を駆け上がり、廊下に出て、裏口から外に出た。

 裏口から出た道路に感染者の姿はなかったが、衝突した車が多くあり、バスが道路のバリケードのような形で停車していた。いや、倒れていた。

 紀子は、姿勢を低くしながら、雨と闇を利用して移動開始した。

 どのくらい移動したかは、覚えていない。所々爆発音が聞こえるだけだ。

 すると、後ろから気配を感じた。振り向けば、遠くはないが近くもない距離に、感染者の集団が居た。しかも。紀子の存在に気づいていた。

 紀子は走った。

 逃げるのよ?

 脳内でスパークした。

 喉を食いちぎられてもいいの?

 心臓がバクバクしている。

 雨のせいで、思ったより走れない。

 感染者たちが接近しているのを肌で感じた。振り向くな!

 紀子は走り続ける。走り続けなさい!私の足!

 紀子は祈った。神様、私が生きて東京から出られたら、教会に寄付金を出すと誓います!どうか守ってください!

 この祈りが届いたか否か、振り返れば感染者の姿は消えている。

「助かった……の?」と思わず口にしてしまう。

 だが、紀子は目の前の物体に興味をそそられた。

 それはヘリコプターの残骸とコンテナの残骸だった。ヘリコプターは燃えずに大破していた。

 コンテナは、外からよりも中から破壊されたような感じだった。それに、道には数人のSATのような格好をした兵士が何人も死体で転がっていた。SATと違い、黒いフルフェイスのヘルメットをかぶっていた。

 紀子はヘリの中に入り、何か役に立つものがないか探したが、銃器はすべて壊れていた。

 しかし、資料らしきものはあった。

 紀子は読み上げる。


〝製品番号HK-012

 製品名 ブロブ

 輸送先 紛争地帯

 注意❢ 本製品は制御不可能のため取扱いには注意と心がけを〟


 どういう意味だ?何かの兵器が送られようとされていたのか?

 わからない、全てが分からない!

 紀子は、他に何かないか探索を始めることにした。   

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