表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感染者の沈黙  作者: 原案・文章:岡田健八郎 キャラクターアイディア:岡田健八郎の兄 
感染
30/84

朗報

  ―その頃、陸上自衛隊現地派遣部隊―


「入り口は死守しろ!感染者を近づけるな!!」

石倉は、高層ビルの入り口付近に停車していた車を盾にしながら、銃を撃っていた。

入り口の前には、軽装甲機動車がバリケードのように止め、機関銃を撃っていた。陸自隊員は防衛体制で戦っていた。

尾崎がやって来た。

「負傷者2名が無事戦線から離脱しました!!」

石倉は銃を撃っていたため、聞こえなかった。尾崎は怒鳴った。

「隊長!!負傷者2名が離脱しました!!」

石倉はやっと気づいた。「そうか!!分かった!!」

尾崎は報告を終えると、ビル内に入った。

「撃ち続けろ!!敵はまだ大勢居る!!」

石倉は1つ不満なことがあった。戦場と違って敵は銃を持っていない。だが、全員命知らずの連中で、噛まれれば、それでお終い。まったく、どっちがいいか分からん!!

感染者たちは、奇声を発しながら次々と突撃してきた。

「隊長!!機動車の機銃の弾丸が切れた!!」

永田が叫んだ。

「車内に予備弾倉のベルトがあるはずだ!!」

永田は車内に入った。ベルトを持って機銃を装填した。

感染者が1人機動車の車体を上がり、機銃の前に立った。

「くたばれ!!」

永田はゼロ距離で機銃を撃った。フルオート射撃で放出された弾丸は、感染者の腹部に次々と貫通した。腹が裂け、内臓が飛び出した。

感染者を1人殺したことを確認した永田は、感染者を次々と撃った。撃たれた感染者は、映画のように死体は残らなかった。全員、体が引き裂かれた。

「や、やめろおおお!」陸自の1人が感染者に首を噛まれた。感染者は、首の筋肉を食いちぎった。

陸自の傷口から血が噴出した。

石倉は即座に感染者の頭を撃ちぬいた。噛まれた隊員に、大勢の感染者が飛び掛った。

感染者たちが、陸自の服を引き裂き、隊員の腹部に指をめり込んだ。

そして、腹を引き裂いた。胃や腸が露出した。

「許せ!!」

石倉は、陸自の頭を撃った。

「隊長!!感染者の数が多すぎる!!このままじゃ弾薬が持たない!!」

石倉は周りを見た。感染者の数はすでに陸自を大きく上回っていた。

これまでか。石倉はそう実感した。

「ビルに入れ!!交戦中止だ!!」

陸自は次々とビル内に入った。

「永田!お前も入れ!!」

「時間を稼ぎます!!」

永田は機銃を撃ち続けた。石倉は、通信機が機動車内にあることを思い出した。

機動車まで走り、中に入った。

「あった!」

後部座席に通信機があった。

「永田!ビルに入るぞ!!」

永田は機銃から離れ、ビルに向かった。石倉も外に出ようと思った瞬間、感染者が一人襲ってきた。

石倉は頭を撃ちぬいた。

そして、一目散にビルに走った。

石倉が入り口に入ると同時に、ガラスの扉が閉まった。

感染者たちはガラスの扉に体当たりしたが、びくともしなかった。

「1階のガラスは全て強化ガラスでした」

尾崎が丁寧に言った。あれを見れば誰だってわかるわ。

「念のため、シャッターを閉めろ」

受付の制御版でシャッターを閉めた。

 石倉は生き残った隊員の数を見た。自分を入れて9人か。少ないな。

「本部より通信です」

隊員の1人が通信機を持ってきた。

『こちら本部。現状報告を』

「生存者9人。弾薬不足。感染者の数は大勢。渋谷はもう駄目です」

『現在位置の報告を』

「分かりません。見知らぬビル内です」

『了解、こちらで位置を特定する』


 しばらく沈黙が続いた。

『位置の特定に成功した。撤退用ヘリとニンジャを送る』

撤退用?つまり……

「つまり撤退できるんですか?」

『そうだ。真紅計画コードレッドは第4段階に入る。現地隊員は全て撤退させろと命令だ』

丁度、ヘリコプターのプロペラ音が聞こえた。

『こちらニンジャ。何か合図を頼む』

うれしい通信だ。

「屋上に行く」

石倉がそう言って隊員たちを連れて行こうとした。

そのときだった。

窓が割れる音がした。

感染者たちがビル内に入り込んだ。

「急げ!屋上に出ろ!」

石倉が言う前に隊員は走っていた。

石倉は感染者を次々と撃ちぬいた。

感染者たちが続々と侵入してきた。

「来い!この俺が相手だ!」

石倉は撃ち続けた。が、弾が切れた。

「小銃がなくったって、拳銃があるぞ!」

ホルスターから拳銃を出そうとした。

その時、後頭部に激痛が走った。

そして、意識が途絶えた―――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ