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僕は兵器な君に恋をする

 大規模作戦は国の敗戦となって終結した。今後、この国は国家としての機能は維持したまま敵国の傘下に入るらしい。軍は解体されるだろう。喜ばしいことだが、僕にはどうでもよかった。エフの遺体を抱えたまま収容施設に戻ると入り口で倒れたヴィーナの隣に傷だらけのケイティが立っていた。


「エフも、か。……守れなくて、すまん。オレにもっと力があれば」

「いいんだ。僕は最後にエフの笑顔を見れたから」

「そう、か。二人を、埋葬してやろう。戦い抜いた証として、あの広場に」


 幸せそうに眠るエフの胸元に二人で撮った写真を忍ばせ、ヴィーナのお墓にはたくさんの書物を入れて広場に埋葬した。自然が豊かに残るここなら二人とも安らかに眠れるだろう。広場を出て管理室にケイティと戻るとタブレットにメッセージが届いていた。


《我が軍は解体となりました。整備士や軍にお勤めの方、お仕事先にお困りの際はご一報ください》


 機械的なメッセージだった。敗戦し、用済みとなった僕たちはこれからどうすればいいのか、答えはどこにも書いていない。だが、僕の心は決まっていた。


「ケイティ。僕は残されたヴェリムたちが過ごせる場所をここに作ろうと思う。良ければ、協力してくれないか?」

「勿論だ。オレも長くはないができる限りやらせてもらうぜ」


 生き残ったヴェリムたちに、第二の人生を。

 短い時間で会ったがエフと過ごした中で決心したことだ。


 愛を教えてくれたエフに。

 優しさを教えてくれたヴィーナに。


 後悔のないよう、僕は生きていたい。


 エフ、出会ってくれて、ありがとう。


 僕は兵器な君に恋をする。

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