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追放され辺境でスローライフを送っていたおっさん(いつの間にか世界最強)の理不尽無双! 縦斬りで敵軍を、ジャンプ斬りで古龍を、何となくで魔法を斬るなんて規格外過ぎる!

作者: 赤羽ロビン

 現在連載準備中の新作です! 今週の金曜か土曜日には連載を開始します! 連載開始の折には前書きと後書きにリンクも貼らせて頂きますのでお気に召したらブクマやポイントをポチッとお願いしますm(_ _)m 



続きはこちらから!

https://book1.adouzi.eu.org/n0620kx/4/

「シデン、貴様は追放だ!」


 言い渡されたのは国外追放。理由は親父がやったとされる王家への背信行為。でも、あの堅物にそんなこと出来るはずがない。


(あ、これ昔の夢だ)


 何故こんな昔の夢を今更見るのか分からない。が、起きる前に気づいた夢オチ。この後どうしよう。


(まあ、直に目が覚めるだろ)


 別に何をする必要もない。楽しいとは言えない思い出だが、思い出したところで今更どうということもない。


「お前は辺境に街道を作るのだ! フフフ、辺境は広大だ。剣の振り方を忘れるほどつるはしを振れるぞ!」


 さっきからハイテンションなこいつはハイネ。ハイテンションなハイネ(別に冗談を言ったつもりはない)はいわゆる俺のライバル……と言ってもコイツが一方的にそう言ってただけだが。


(まあ、そんなふうに興味を持たなかったからこんな目にあったのかな)


 今更……そう、本当に今更な話だが、ハイネは俺にライバル心を燃やすあまりありもしない罪をでっち上げたらしいのだ。


(あ、そろそろ目が覚めるな)


 ハイネの高笑いと共に意識が覚醒するのを感じる。やれやれ、出だしは違ったが、今日もいつもの一日が始まりそうだ。



 ピチパチ ピチパチ……


 何処ぞで小鳥が鳴いてるのが聞えてくる。のどかな朝だが、俺には起きたらすることがある。朝飯前の素振り千回だ。


(おし、起きるか!)



 千百八、千百九……


 千を少し越えた辺りで──


「シデン〜! 朝ご飯出来るよ!」


 サラの声、もう時間か。つい没頭してしまった。


(けど、素振り千回はかなり余裕でクリア出来るようになってきたな)


 越えたから何だって? なんにもなるわけないだろ。ただの自己満だ。


(ノルマを増やしてみるか……)


 っと、いけない! 早く行かないとな!



「今日も豪勢だな」


 食卓に並んだ料理を見て、俺はいつものように歓声を上げる。所狭しと並べられたサラダやフルーツの数々に加え、ソーセージなどの肉料理まで。まるで貴族の食卓のようだ。


「もぅ……褒めても何も出ないからね」


 口調とは裏腹に満更でもない様子でパンを置いてくれるのはサラ。この辺境で一緒に暮らしている女の子だ。


「フム……サラは手際がいいの。器量も良いし、王都なら嫁の貰い手には困らんじゃろうに、ここではな……」


 この婆ちゃんはエリザベス婆ちゃん。婆ちゃんで通ってるが、実は昔は凄い魔法使いだったらしい。


「どうじゃ、シデン。そろそろ世帯をもっては?」


「もぅ、婆ちゃんったら!」


 少し顔を赤らめながらサラはエリザベス婆ちゃんの前にもパンを置く。実はここまでの降りは朝の恒例行事だ。


(いくら他に男がいないからって年の差ありすぎるだろ)


 サラは大人びて見えるが今年で十八歳。アラサーの俺とは年が違いすぎる。娘とまでは言わなくても妹みたいな感じだ。


(まあ、可愛いのは間違いないが)


 確かにエリザベス婆ちゃんの言うように王都なら嫁の貰い手には困らないだろう。サラはこの辺境に捨てられた孤児だが、そんな出自が気にならなくなるような魅力がサラにはある。


「そろそろ行くよ。仕事しなきゃな」


「誰が見てるわけでもないんじゃ。もっとゆっくりしてもいいじゃろ」


 エリザベス婆ちゃんはそう言うのは正しい。俺の仕事──というか、罰は隣国まで伸びる街道を作ることだが、そもそもこの辺境は広い。しかも、一体誰が使うのやら……隣国は仲が悪い獣人の国だっていうのに。


(まあ、要は死ぬまでいろってことだよな)


 こう言うとえらい目にあっているようなや見えるかも知れないが、俺はここでの暮らしに結構満足している。美味しい食事に適度な運動。それに可愛い妹と頼りになる婆ちゃん。もうこれで人生これで良くないか?


「婆ちゃんの言う通りだと思うけど……行くなら帰りに食材の調達をお願いしてもいい?」


「あ、今日はアイツたな。分かった」


 サラからお弁当を受け取りながら頼まれ事を引き受ける。いつも通りの光景だ。



 ザクッ! ザクッ! ザクッ!


 いつも通りの手応えに思わず笑みがこぼれる。体が理想通りに動いた時の手応えは何物にも代えがたい。


(ふぅ……一息入れるか)


 街道を作るために土を起こし、埋まっている石を取り除く。ただそれだけの単調作業。やってる中に何もかも忘れそうなくらい地味な作業だが、やってみると案外深い。


(一撃でどこまで深く打ち込めるか……まだまだ追求しがいかあるな)


 さっきは理想通りの動きと言ったが、それはあくまでも今の段階。まだまだ先はあるはずなのだ。


「そろそろ昼にするか……あ、その前に」


 サラに肉の調達を頼まれていた。今の内に狩っておくと帰りには血抜きが終わってるな。


 俺は腰を上げ、いつもの狩り場に向かう。だが、この時にはそこで人生を変える出会いがあるだなんて思いもしていなかった。



(……今日は少ないな)

 

 獲物の気配が少ないな。どうするか……


(一匹だけでも姿を見せてくれると助かるんだけどな)


 肉の調達とはつまり獲物を狩ること。だが、この辺境で狩りと言えば、獲物は魔物だ。


(王都……いや、ここ以外じゃ考えられない話だけどな)


 魔物を食べるなんて多分ここ以外では有り得ないだろう。だが、こんな場所には魔物以外の動物なんていない。仕方無しに食べてるのだ。


(まあ、意外と旨いんだけど)


 血抜きを丁寧にしなきゃいけなかったりと調理は面倒くさいが、実は意外と旨い。だから、魔物を食べることにあまり不満もなかったりする。


(さてこの辺りだが……っ!!!)


 いつもの狩り場は何だが騒がしい。


(……参ったな)


 これから狩ろうとしているガララワニは単独行動をしている獲物や弱った獲物を狩りたがる狡猾な狩人。したがって、群れがワイワイしている時には姿を見せないのだ。


(……これ、人の声か!)


 何か近くで聞こえているなと思っていたが、こんな場所だから人である可能性は全く排除していたな。


(しかし、何で……)


 ここは水辺とは言え、街どころか街道さえない(何せ俺が絶賛整備中だ)僻地。わざわざこんなところに来る理由なんて……


「だから、どこまで行くのです! 視察ならここまで来る必要はないでしょう!」


 ん? 馬車か


 もの珍しさから眺めていると……


「……着きましたよ。お降り下さい、アイゼリア殿下」


 騒ぎがやみ、優雅な仕草で馬車の中から女性が降りてくる。が、その周りには剣を抜いた兵士が三人……


「ここが貴方の死に場所です。無事お連れ出来てほっとしました」


 丁寧な口調の中にも嘲りが感じられる。俺の嫌いなタイプだ。


(それにしてもキザな言い回しだな……現実で使ってる奴は初めて見たぜ)


 おっと、それよりも……


「人気のない場所に来たのはこれが理由ですか」


「御明察。そして、死に際でも動揺一つしないとはお見事です」


 何だか物騒な会話だな……どうしよう。


(剣を持った兵士三人とキザ男対あの女の子か)


 大の男気四人と若い女の子。普通なら勝負にさえならないが……


「随分安く見られたものですね……」


 女の子の声色に怒りが混ざる。それはきっと……


「とんでもない! 貴方を慕う者は多くいる。邪魔が入らないようにこんな場所までお連れせざるを得なかったのですから」


 キザ男は女の子の怒りにも気づかずペラペラ喋り続ける。が……


 スパン!


 風圧と共に兵士が一人倒れる。そして、彼女の姿はキザ男の前から消えた!


「安く見たのは私の剣技のことですよ。貴方を入れても四人……それで勝てると思ったのですか?」


 女の子は林を背に啖呵を切る。おおっ、凄いな。


(囲まれた状態じゃどうしようもなかったけど、これなら……)


 一人倒し、囲みを抜けたことで彼女は前だけを警戒すれば良くなった。戦力差があるのは変わらないが、一瞬でその差はぐんと縮まったな!


「くそっ……最後まで可愛げのない! お前ら、やってしまえ!」


「「ハッ!」」


 兵士はかなり訓練されているらしく、女の子に同時に斬りかかる。彼女にしてみれば一番嫌な攻撃だが──


 スパパパン!


 瞬く間に兵士達は斬られて傷を負う。凄い剣技だ。


(腕力がないから威力は低いが、戦況は確実に有利になっていくな)


 まあ、まだまだ不利なことに変わりはない。が、相手からすれば追い詰められているように感じるだろう。そこにつけこめれば……


「いい気になるなよ! 第一王女!」

 

 男は懐から何かを取り出し──


 パァン!


 乾いた音と共に女の子がよろめく。これは銃か!


「ぐはは! いくら卓越した剣技があっても銃の前には無力!」   


 キザ男は銃に再び弾を込める。攻撃するなら今だが、この状況では飛び込むのは無謀過ぎる……


「もはや、時代遅れなのですよ、剣も貴方も! 後ろ盾を失った王女も剣技ももはや無用ッ!」


 キザ男が引き金を引──


 ビュンビュン! ドカッ!


「あひゃい!」


 キザ男が突如投げ込まれた鞘で顔面を強打し、目を回す。いや、突如というか、俺が投げたんだけど。


 ザッ! ブン!


「何──ガッ!」


 驚いた兵士の一人に近づき、峰打ちで昏倒させる。さて次は……


「貴──グッ!!!」


 さて後は……


「い、一体何だ、今のは! 魔法か!」


 ん? 何だって?


(あ、止まっちまった)


 そのまま黙らせようとしたんだが、あまりにも意外なことを言われたせいで動きを止めてしまったよ。


「何って……走って近づいて斬っただけだ」


「嘘つけッ! そんな速い剣があるわけないだろ!」


 正直に答えた俺も馬鹿だが、文句を言ってくるコイツも相当な馬鹿だな。


「ならよく見てみろ。もう一回やってやるから。ほら、行くぞ!」


「や、や──!」


 この時、俺はまだ知らなかった。二十年間ひたすら毎日繰り返した素振りと土木工事が俺に防御不能、回避不可の最速最強の斬撃を身に着けさせたことを……



 俺はそれから急いでサラとエリザベス婆ちゃんを呼んだ。女の子は怪我をしていたから動かしていいか判断できなかったからだ──というのは言い訳で実は……


(いや、びっくりするくらいの美人だな)


 サラも美少女だし、エリザベス婆ちゃんも年はとっていても美形だから俺はその種の耐性はある方だ。にも関わらず、止血するために服を一枚めくることさえ躊躇われるくらい女の子は可愛かったのだ。


(触れれば壊れそうなくらい儚げな美貌──)


 いや、止めよう。何かこんな陳腐な表現じゃ失礼な気がする。それに今は、それどころじゃない。


「助けて頂きありがとうございました」


 襲われていた女の子──アイゼリア第一王女はとりあえず起きられるようになるなり、俺達に礼を言った。


(王族なのに腰が低いんだな……)


 いや、それよりも


「たまたまじゃ。気にせんでもいい。ワシがあんたを助けた訳でもないしの。それよりも傷はどうかの?」


「傷はもう全く……失礼ですが、かなり高名な術者とお見受けしましたが」


 そう。アイゼリア第一王女の傷は運悪く内臓に達していたのだ。婆ちゃんによれば、俺があのタイミングで割って入らなければ彼女は失血死していた可能性が高いとのことだった。


(まあ、そんな怪我も一瞬で治せる婆ちゃんが一番凄いけどな)


 致命傷は普通の回復魔法では癒せない。が、婆ちゃんは回復魔法の更に上、再生魔法の使い手。内臓の損傷さえ治してしまえるのだ。


「昔の話じゃ。しかし、王女暗殺未遂とはの。オズワルド王国の情勢も随分混乱しとるようじゃ……」


 俺が王女を助けることになった経過は既に二人には話してある。ちなみにアイゼリア王女を襲った奴らは縛り上げて婆ちゃんが呼び出した聖獣に見張らせているから安心だ。


「頼れそうな味方はいるのかの?」


「カートレット将軍ならきっと。でも、今は南の蛮族の討伐に……」


「なるほど。その隙を狙った……いや」


「はい。直接の発端は三年前の母の他界だと思います。それ以来、父も弱ってしまっていて……蛮族の反乱も他勢力、特に第三王子派の陰謀である可能性さえあります」


「ますますきな臭いのう」


 婆ちゃんが眉間の皺を深くするが、悪いが俺にはさっぱりだ。結局どういうことなんだ?


「つまり、次の王様の座を狙った誰か──もしかしたら第三王子派かもしれない──がアイゼリア王女の命を狙ってるってこと?」


 おおっ、流石サラ! 完璧に話を理解してる。


「その通りです。あと、出来ればリアと呼んで下さい。実は仰々しいのは好きじゃないんです」


「分かったわ、リア。じゃあ、あなたも出来たらもっと気楽に喋って。年齢も同じくらいなんだし。あ、私のことはサラでいいわ」


「ありがとう、サラ」


 一瞬で打ち解け合う二人……そう言えばサラは同年代の友達っていなかったけど、もしかして王女様もそうなのかな?


「ところでさっきの話の続きじゃが……どうするつもりじゃ? まあ、しばらくここにいてもらっても構わんが……」


 エリザベス婆ちゃんが話を戻す。確かにそこを決めないと何もしようがないしな……


「カートレット将軍に私の無事を伝えないと! 伯父様……いえカートレット将軍は私が行方不明と聞けばそのまま第三王子の屋敷に攻め込みかねませんから!」  


 え……マジで。


「えっと、リアの安否確認より先にってこと?」


「私のことも気にかけてくれると思います。多分この辺りが平地になるくらい探してくれるんじゃないかと」


 おい、この辺りは山と森だらけだぞ!


(つまり、それくらいアイゼリア王女のことを大切にしてるってことか)


 ということは……


「けど、何と言うか、真っ直ぐ過ぎるくらい真っ直ぐな人で……特に私のことになると。疑わしいというだけで相手を滅ぼしかねません」


 む、無茶苦茶だ……


(攻め込んだ後にアイゼリア王女が生きてました! 良かった良かった……とはならないな)


 攻め込まれた方も黙っていないが、聞いた限りカートレット将軍とかいう人も納得しないだろう。何せアイゼリア王女が襲われ、傷を負ったというのは事実なのだ。生きていたから許してやるなんて話にはならないだろうな……


「出来るだけ早く……いえ、一刻も早くカートレット将軍に私の無事を伝えてなだめなければ戦が起こります。最悪王国が滅んでしまうかも」


「フム、確かにそれは困るの。じゃあ、お主が将軍のとこまで送ってやれ、シデン」


 へ……


「婆ちゃん、今なんて?」


 聞き返した俺にエリザベス婆ちゃんは不思議そうな顔をした。


「聞こえんかったか? この娘をその将軍のとこまで送ってやんなさい。この辺りが平地になったら仕事にならないじゃろ」


 まあ、辺りが全て平地になったら仕事はし易いが、生活は出来なくなる。俺達はここの魔物も含めたここの動植物の恵みに頼って生活してるからな。


(でも、何で今更……)


 婆ちゃんも本気で辺りが平地になることを心配しているわけじゃないだろうに。


「いい機会だから少し外を見て来い。この二十年でお主は変わった。そのことがよくわかるじゃろうて」


 俺が変わった? まあ、歳は取ったが……


(婆ちゃんは何が言いたいんだ?)


 分からないが、しばらく良く考えてみるか。



 二〜三日、良く考えた結果、俺はアイゼリア王──おっと、リアを将軍の元まで送って行くことにした。婆ちゃんが何を言いたいのかも気になるし、リアを一人で見送るというのも流石に寝覚めが悪いしな。


(婆ちゃん一人でも生活には困らなさそうだしな)


 リアを襲った奴らは今、婆ちゃんの下僕として働かされている。兵士達はまあまあなエリートだったらしく、婆ちゃんのサポートがあれば何とか魔物を狩ったりといった俺の仕事をこなすことが出来るらしい。ちなみにキザ男はほとんど役に立たない……


「使い方は大丈夫だよね?」


「大丈夫じゃ。元々魔力がない者向けの道具じゃろ」


 サラが婆ちゃんとの別れを惜しんでいる。実はサラも俺についてくることになったのだ。理由は良くわからないが、婆ちゃんはサラにも似たようなことを言ったらしいな。


(確かにサラの作る便利グッズは凄いからな)


 古文書に載っている童話で出てくる道具を魔物の素材を使って再現したものだが、これが中々凄い。ここでの生活はサラの道具がなければ成り立たないのだ。


「シデンもサラもありがとう。このお礼は必ず……」


 リアもすっかり元気になったみたいだ。再生魔法は例外はあるにしろ、基本どんな傷も癒せるが、体力だけは本人任せ。見た目によらず中々タフな体をしているな。


「帰ったら色々聞かせてくれ。楽しみにしとるからの!」


 そんな婆ちゃんの明るい声に見送られて俺達は出発した。すぐ帰ってくるからな、婆ちゃん!


(エリザベス婆ちゃん視点)


(行ったか……)


 若干強引じゃったが、二人とも旅立ってくれた。良かった良かった。


(シデンよ、そなたはこんな場所に埋もれていていい器じゃないからの。勿論サラも)


 本人達は無自覚じゃが、二人共に王国を、いや世界の未来を変える可能性を持っている。いずれ世に出さなくてはと思ってはいたが、まさかこんな形になるとは……


(ここの魔物は並じゃない。それを一刀で斬り伏せるなんて普通は有り得ないからの)


 王女を襲った兵士は恐らく近衛師団クラスの実力者。しかし、あいつらが束になっても倒せないくらいここの魔物は強い。


(しかし、面白いの……毎日の素振りが型を洗練させ、地味な土木作業が筋力を鍛えるとはの)


 しかし、これもシデンの真面目さがあってのもの。誰がやってもこうなるわけではないじゃろうな。


(しかも、あやつはそんな毎日を楽しんでいた節もあるしな……つくづく面白い奴じゃ)


 シデンをここに追いやった奴もさぞかし驚くことじゃろう。栄光の舞台から追い出したつもりがいつの間にか最強になっとるんじゃからな。


(こう言うのは確か古文書によれば……ざまぁとか言うんじゃったか)


 まあ、それはどうでもいいが。


(サラはちと心配じゃが……ま、頭の良い娘じゃし、シデンもいるから大丈夫じゃろ)


 サラが作った便利グッズ。あれは……


「み、水汲み終わりました……」


 お、帰ってきたようじゃの


「次は薪割りじゃ。終わったら朝飯にするからの」


 兵士達はふらふらじゃが、逆らうことはない。それがいかに無駄なことかは初日で悟ったじゃろうからの。


「は、はい……」

「分かりました」

「り、了解です」


 三人はふらつきながら薪割りに向かう。まぁ、昼までには終わるかの……


(シデン視点)


「これがマルボレク要塞……」


 リアは初めて見るマルボレク要塞に目を丸くしている。まあ、そうだろう。この辺境にあって国一番と言える要塞があるんだからな。


(ここの魔物が王国内に入らないように頑丈に作られてるって婆ちゃんが言ってたけど、ここまでするほどここの魔物は強いかな?)


 まあ、やたら硬かったり、やたら早かったり、やたら特殊能力を持っていたりと慣れないと厄介な奴らではあるが。


「で、ここを抜けないと王国内には戻れない。だから……」


「ああ。ぶっ潰す!」


 リアを無事送り届けるたも、まずは王国最強の要塞をぶっ潰す!

 続きはこちらから!

https://book1.adouzi.eu.org/n0620kx/4/


 現在毎日連載に向けてストックを執筆中です! 少しでも先が気になる、続きが気になるなどと思って下さった方は是非ブクマ&ポイントでご支援をお願いします。応援があれば僕の執筆スピードは爆上がりしますから!


 ちなみに連載開始の折には前書きと後書きにリンクも貼らせて頂きますので読み見逃し防止のためにもブクマ&ポイントは良いと思いますよ(≧▽≦)


 ん? 読み逃し防止にポイントは関係ない? ……ですね(汗)

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― 新着の感想 ―
また新作とはワクテカです。連載作品多いのはさすが引き出しが多くて、高い創作能力からの期待値大は決まりきっています。 シデンの活躍は面白さ当然のこと、シデンの親父にも伏線がありそうですね。 さらっと記載…
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