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【書籍化決定】転生処理ミスで貧乏貴族にされたけど、錬金術で無双します!~もふもふとお金を稼いで家を救います~  作者: 空月そらら
第二章

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第88話 試験で一緒に戦った仲間

ユリは、フォークを持ったまま固まった。


「素材は自分で調達して、考察レポートまで書けって」


「そ、それは……あんまりです……。まだ入学したばかりなのに……」


ユリは同情たっぷりの目で私を見てくる。


その視線が、逆に私の心の傷をえぐる。


「魔法科で良かったです……私なら、初日で泣いて帰ります……」


「でしょ? でも、やるしかないのよね。特待生だし、ここで逃げ出すわけにはいかないもの」


私は強がって見せたけれど、内心は冷や汗が止まらない。


錬金科の難易度は、想像以上だ。


魔法科が「育成」なら、錬金科は「選別」なのかもしれない。


才能と根性がない人間は、容赦なくふるい落とす。


そんな厳しさを感じる。


「でも、エリスならきっと大丈夫ですよ。あの試験の時だって、乗り越えたんですし」


ユリが励ましてくれる。


彼女の言葉には、嘘のない信頼がこもっていた。


試験で一緒に戦った仲間だからこそ、私の力を信じてくれているのだ。


「ありがとう、ユリ。あなたの応援で、少し元気が出たわ」


私は残りのシチューを飲み干し、パンの最後の一欠片を口に入れた。


お腹はいっぱいだ。 気力も、少し回復した。


「さて、と。私はこの後、図書館に行くつもりなんだけど、ユリはどうする?」


私が尋ねると、ユリの目がぱあっと輝いた。


「図書館ですか! 私も行きたいです! ここの図書館には貴重な魔導書がたくさんあるって聞いてましたから」


どうやら彼女も、根っからの勉強好きらしい。


試験の時に見せた、あの強力な魔法。


あれも、日々の研究の賜物なのだろう。


「じゃあ、一緒に行きましょうか」


「ええ、ぜひ!」


私たちは席を立ち、食器を返却口に持っていく。


おばちゃんに「ごちそうさまでした」と挨拶をすると、「またおいで!」と元気な声が返ってきた。


絶対にまた来ます。 私の胃袋と財布のために。


食堂を出ると、午後の日差しが柔らかく降り注いでいた。


満腹感と、友人との再会。


入学初日の緊張で張り詰めていた心が、少しだけ解きほぐされるのを感じる。


「確か魔法館の方でしたよね」


「ええ、あっちよ」


私たちは並んで歩き出した。


ユリさんの帽子が、歩くたびにひょこひょこと揺れる。


その姿を見ていると、これからの厳しい学園生活も、なんとかなるような気がしてくるから不思議だ。


「エリスは、どんな色のポーションを作るつもりなんですか?」


歩きながら、ユリが尋ねてきた。


「うーん、まだ考え中。でも、せっかくだから綺麗な色がいいわよね。例えば、ユリの髪みたいな紫とか?」


「私の髪の色ですか?。ふふ、それなら毒薬になっちゃいそうですね」


私たちは笑い合いながら、知識の宝庫である図書館へと向かう。


そこには、私の課題を解決するヒントが、きっと眠っているはずだ。


私の学園生活は、まだ始まったばかり。


前途多難だけど、こうして一緒に歩ける友達がいる。


それだけで、今日は十分、良い日だと思えた。

【作者からのお願いです】


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