71.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「ささっ、どうぞ! 当宮殿ご自慢の『妖精蜜』でございます! 疲労回復、滋養強壮、お肌もツルツルになりますぞ!」
オベロンが揉み手しながら、黄金色の液体が入ったグラスを差し出してくる。
態度の変わりようが清々しい。
俺は一口啜る。濃厚な甘みと花の香りが口いっぱいに広がった。
「悪くないな」
「ははーっ! お気に召して光栄の極み!」
ご機嫌取りに必死な妖精王を横目に、俺は隣で「おいしー!」と蜜を舐めているフレアを見る。
ここから先は、少し込み入った話になる。
彼女には聞かせたくない内容だ。
「エバーグリーン」
「はいはい~、心得ましたよぉ~」
俺が目配せすると、エバーグリーンがフレアの頭上から、キラキラした鱗粉を振りかけた。
強力な睡眠効果を持つ『夢見の粉』だ。
「ふぁ……? なんか、眠くなっちゃっ……た……」
フレアがとろんとした目になり、カクンと船を漕ぐ。
「リクぅ……おやすみぃ……」
「ああ、ゆっくり寝てろ」
俺の肩にもたれかかり、スースーと健やかな寝息を立て始めたフレア。
俺は彼女の体を崩れないように支えつつ、鋭い視線をオベロンに向けた。
「さて、本題だ」
場の空気がピリリと張り詰める。
オベロンも居住まいを正し、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「この少女の力を、封印したい」
「封印……でございますか?」
「ああ。一時的なものではない。永久に、完全に、二度と暴走しないように施錠したい」
俺の言葉に、オベロンが真剣な眼差しで眠っているフレアを覗き込む。
先ほど俺に弾き返された【妖精眼】だが、鑑定能力としては世界最高峰だ。
彼はフレアの魂の奥底にある「輝き」を見たのだろう。
数秒後、バッと目を見開き、驚愕に声を震わせた。
「こ、これは……なんと……! ただの人間ではないとは思っていたが……まさか天使』か!?」
「気づいたか」
「信じられん……。神の尖兵が、なぜ地上に……。いや、それよりもこの膨大な魔力……! 人の身で御せるものではないぞ!」
オベロンが脂汗を流す。
フレアの中に眠る力は、それほどまでに強大で異質なものなのだ。
「並大抵の封印術では意味がない。いずれ内側から食い破られる。……そうだろ?」
「左様。我ら妖精族の秘術をもってしても、数年……いや、数ヶ月持てば良い方でしょう」
オベロンが唸る。
だが、俺は引き下がらない。
「『持てば良い方』じゃ困るんだ。一生だ。方法はないのか?」
「……一つだけ、心当たりがございます」
オベロンがおもむろに立ち上がり、書架から一冊の古びた書物を取り出した。
「太古の昔、神々が荒ぶる魔神を封じるために編み出したとされる、世界最高の封印術式――その名も【久遠封縛】」
「久遠封縛……」
「対象の時間を概念ごと凍結し、永劫の檻に閉じ込める絶対の術。これならば、天翼の力であろうと完全に抑え込むことが可能でしょう」
見つけた。
俺が求めていた答えだ。
「それを教えろ。対価なら払う」
「いえ、教えることは可能です。書庫にある文献をお貸しするだけですので。……ですが」
オベロンが言い淀み、憐れむような目で俺を見た。
「この術は、発動に莫大な代償を必要とします。術者の全魔力はおろか、生命力そのものを燃料として燃やし尽くすほどのね」
彼は首を横に振る。
「はっきり言いましょう。人間ごときが扱えば、発動と同時に術者は干からびて死にます。それでも、やりますか?」
「なんだ」
俺は拍子抜けして、鼻で笑った。
命がけの試練とか、レアアイテムが必要とか言われるかと思ったが。
「ただの魔力切れ(ガス欠)の話か。なら問題ない」
「は……?」
「俺のリソースは無尽蔵だ。さっさと案内しろ」
俺が即答すると、オベロンは「正気かこいつ」という顔で口をパクパクさせた。
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