24.次元刀
上位吸血鬼、天秤のリブラと相対する俺。
不死の敵を葬り去ることはできない……ので、封印することにした。
「ば、馬鹿な……天使だと!? たかが人間ごときが、天使を従えるだなんて! ありえない!」
俺の背後には翼を生やしたフレア……俺の嫁がいる。
彼女は目を閉じてる。今彼女は眠っている状態だ。
……この力を、ホントは使いたくない。でも上位の吸血鬼(不死者)をのさばらせておくと、いずれやつらはフレアを求めてやってくる。
だから今ここで、やつを完全に封じる必要があるのだ。
俺は右手を前に出す。
結界で作った透明な剣が出現。
「接続」
フレアから光が発せられる。
天使の力が、俺の持つ剣に宿る。
それは1本の白銀の、美しい光の剣へと変貌した。
「なんだ!? なんなのだそれは!?」
「次元刀エターナルエッジ」
「次元刀……!? かつて存在した、世界を絶つことのできる、いにしえの神器!? だが……あれは既に地上から失われたはずだ!?」
さすが長生きしてるだけあるな。物知りだ。
「これはエターナルエッジ、の模造品だ。結界で作った剣に、天使の力を込めたことで、本物と同じ力を発揮する」
俺は次元刀を構えて、そして動けないリブラに近づく。
「く、くるな! くるなぁああああああああああああああああ!!!!!」
リブラが逃げようとする。
だがやつは、自分の能力のせいで動けないで居る。
俺は次元刀を構え、そしてリブラを袈裟に斬る。
リブラの体が斜めにずれる。
……体だけでなく、空間すらも……ずれる。
「時空の狭間に貴様を封印する。二度と、外には出れない」
「いやああああああああああ!」
リブラの体が光の粒子となる。
断絶された空間の隙間に吸い込まれていき……。
完全にリブラの姿が消える。
ずれていた空間が、元の位置に戻る。
俺が次元刀を消すと、フレアの姿も消える。
元の場所へ帰ったのだ。
「……な、なんじゃ……今のは……?」
カーミラが呆然とつぶやく。
リブラの眷属たちは、主を失い動かなくなっていた。
「あのおなごは天使だったのか……?」
「まあ、な。言ったらおまえも、時空の狭間に送り、永遠に出られなくするからな」
「こわっ! わ、わかったよ……しかし、こんな凄い技があるなら、最初から使えばよいのでは……?」
まあ確かにな。
どんなものを切り裂き、別の次元に永久追放が出来るんだから。どんな敵も倒せる……が。
「この力を使うためには、フレアを召喚しなきゃいけない。……人に見られるリスクが上がる。だから……あんまり使いたくない手なんだよ」
フレアは天使だ。その力を狙ってくる、悪い輩が必ず来る。
そのリスクがあるから、次元刀は滅多に使わないのだ。




