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Ash Crown ‐アッシュ・クラウン‐  作者: 新月 乙夜
騒乱の足音

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騒乱の始まり


 大統歴六三九年五月初め。ロストク帝国東部にある要塞から、人馬二万の軍勢が出撃した。人馬二万と言うのは人と馬が二万ずつと言う意味ではなく、歩兵と騎兵を合わせて二万と言う意味だ。なお、この人馬二万は全て皇帝直轄軍から抽出され組織されている。


 何にせよ、大部隊だ。そしてその軍勢が向かうのは、隣国ランヴィーア王国。ただしその目的は決して侵略ではなく、ランヴィーア王国が計画しているイブライン協商国への遠征に助力するための援軍だった。


 指揮を執っているのはカルパス将軍。今年で五二歳になる壮年の男で、成長限界に達した練達の武人でもある。そのおかげで身体に衰えは見られず、今でも巖のような体躯を維持していた。


 武人としても有能で、一度馬上で槍を振るえば無双の働きをする。それでいわゆる猛将の類かと思われがちだが、用兵家としての彼はむしろ堅実で隙のない戦い方を好む。派手さにはかけるが失敗が少なく、仮に負けても大敗しない。


 およそ七年前のことである。アンタルヤ王国のガーレルラーン二世が八万の軍勢を率いてフレゼシア公国に侵攻した。それに対し、ダンダリオン一世は公国の要請を受けて三万の兵を率い来援したが、その時さらに二万の軍勢を組織して後詰を務めたのがカルパス将軍だった。


 実際のところ、この戦でカルパスが戦場働きをすることはほとんどなかった。しかしダンダリオンが迅速かつ大胆に動くことができたのは、後方に控えていた将軍の存在がやはり大きい。


『後方に憂いなし!』


 ダンダリオンはそう言って出撃していったという。カルパスに対し全幅の信頼を抱いていたと言っていい。この頃すでに彼は良将と呼ばれて久しかったが、この件をきっかけに名将と呼ばれるようになった。


 このようにカルパスは能力・実績ともに十分な将軍である。ただ、彼を派兵部隊の指揮官に抜擢するという人事は多少の驚きを持って迎えられた。


 派兵部隊に関わるあれこれは、ダンダリオンではなくジェラルドが差配していた。ジェラルドにしてみれば、直轄軍内部で自分の影響力を強める絶好の機会だ。それでジェラルドの信頼の厚いルドガーが、将来的に彼のもとで直轄軍の中枢を担う俊英が選ばれるのではないか、と目されていたのだ。


 ジェラルドが挙げた指揮官の候補の中にも、ルドガーは当然入っていた。歳も近いルドガーは、帝位についたあかつきには彼にとって右腕となるべき存在。武功を立てさせてやりたいという気持ちはもちろんあった。


 しかしそれでも、ルドガーではなくあえてカルパスを選んだ理由。それは第三皇子フレイミースのことが気がかりだったからだ。彼はシルフィエラ王女と結婚しランヴィーア王国へ婿に行ったのだが、派遣されたロストク軍の司令官として此度の遠征に加わることになっている。


 つまり、指揮系統上ではフレイミースこそがロストク軍の司令官であり、カルパス将軍はあくまで副司令官なのだ。無論、実質的な指揮はカルパス将軍が執ることになるだろう。しかし、フレイミースのほうが上位の命令権者であることは変わらない。


 そしてそのフレイミースだが、皇子として軍略を学んではいる。ただこれまでに大軍を指揮した経験はない。まして全軍が十万以上ともなる大遠征に加わるのはこれが初めてだ。功を焦って先走ることは、十分に考えられる。


『アレは少々、軽率なところがあるからな……』


 派兵部隊の司令官人事を考えていたとき、ジェラルドはそう呟いたとか。フレイミースの過去の行状を考えれば、長兄の懸念も仕方がないだろう。それで彼を諌めるとして、ルドガーでは歳が近くて言葉に重みが足りない。それで親子ほどに歳の差があるカルパスが選ばれたのである。


 要するに、フレイミースを抑えるための人選だった。もともと慎重な用兵を好むカルパスならば、仮にフレイミースが先走ったとしてもそれを宥め、軽々に動かずにいてくれるだろう。またランヴィーア軍の将軍たちからも、軽んじられることはあるまい。


『いっそ、フレイミースが遠征に加わらなければ、悩む必要もなかったものを……』


 ジェラルドがそう思ってしまうのも、無理からぬことであろう。とはいえ、彼の一存でフレイミースを外すことはできない。彼をロストク軍の司令官に据えると決めたのは、ダンダリオン一世だからだ。


 ダンダリオンも、隣国へ婿に行った我が子可愛さに、このような決定をしたわけではない。いや、その気持ちがなかったわけではないが、彼はロストク帝国の皇帝である。その決定は何よりも国益を優先したものだった。


 フレイミースを派兵部隊の司令官とするその最大の狙いは、ロストク軍が軽く扱われぬように重みを増すことにある。無論、同盟国を援けるのはやぶさかではない。しかしだからと言って軽く扱われ、小間使いのように使われては、帝国の威信に関わる。


『同盟国の援軍だ。これを粗略に扱うことなど、まずありえないだろうが……』


 ダンダリオンもジェラルドも、それは分かっている。ただ、今回は十万を越える軍勢を動かしての大遠征だ。補給線を維持するだけでも一苦労であろうし、ランヴィーア軍の将兵も武功を求めている。ロストク軍は全体から見れば少数であるし、諸々後回しにされることはありえるだろう。


 それを避けるためには、軽々に扱うことのできない者を司令官に据えるのが一番だ。すなわち皇族である。ただ遠征軍の総司令官は、ランヴィーア王国の王族が勤めることになっている。そのことも考慮に入れる必要があった。


 ジェラルドやシュナイダーを送ることには少々差し障りがある。それではまるで、ロストク帝国がランヴィーア王国の下についたようではないか。そもそも、扱いが面倒で相手も嫌がるだろう。それでランヴィーア王国との間に軋轢を生まず、なおかつ王国が重んじざるを得ない人選としてフレイミースが選ばれたのだ。


 またこの人選は、遠征後の同盟関係を視野にいれてのものでもあった。遠征が成功すれば、ランヴィーア王国は念願の貿易港を手に入れることになる。ロストク帝国がその恩恵を最大限享受するため、王国国内におけるフレイミースの発言力を強める。これもまたダンダリオンの狙いの一つだった。


(そこまでやれば……)


 そしてそこまでやれば、フレイミースの立場は揺るぎないモノになるだろう。ダンダリオンはそこまで考えているに違いない。少し甘やかしすぎじゃないだろうか、とジェラルドは思う。やはり手元にいない子供は可愛く思えるのだろうか。


 閑話休題。もちろん、ロストク帝国とダンダリオンは自力で貿易港を手に入れるつもりだ。そのための計画も進めている。ただ何が起こるか分からないのがこの世の常。思い通りに物事が進むとは限らない。


 突然魔の森が急激に活性化し、アンタルヤ王国の東域が表層域に呑まれてしまうかもしれない。そうでなくとも、「敵の手に落ちるくらいならば」と火をかけられ、しばらく貿易港が使い物にならなくなるかもしれない。不測の事態はいくらでも考えうるのだ。


 そういう時のためにも、オプションは複数持っておくほうがいい。仮にロストク帝国が貿易港を手に入れたとして、ランヴィーア王国内での影響力が無駄になることはないのだ。それどころか二つの貿易港をうまく使い、さらなる利を生み出すことも可能だろう。


 このように様々な思惑と共に、カルパス将軍は二万の軍勢を率いてランヴィーア王国へ向かった。国境を越え王国国内へと入ると、ロストク軍は案内人と合流する。そして王都フォルメトへは向かわず、そのままイブライン協商国との国境にあるヘングー砦へと向かった。


 ヘングー砦の城砦司令官はアルガムという男だ。およそ三年前、イブライン協商国で新たなダンジョンの出現に伴いスタンピードが発生したのだが、その一部がランヴィーア王国へ雪崩れ込むという事件があった。それらのモンスターを防ぎ殲滅したのが、ヘングー砦でありアルガムだった。


 さてヘングー砦はおよそ三万のランヴィーア軍が集結していた。これらは全てアルガムの指揮下に入っている。さらにこれとは別に二〇〇〇ほどが砦に残り、補給などの後方支援を担当することになっていた。


 ここにロストク軍二万が加わる。合計で五万となるこの部隊が、今回の遠征の先遣隊だ。この先遣隊を指揮するのはアルガム、ではなくフレイミースと言う事になっている。これは能力云々の問題ではなく、身分と立場の問題だった。


 アルガムは有能で歴戦の将軍ではあるが、一介の武官でしかない。一方のフレイミースは同盟国の第三皇子にして第一王女の入り婿だ。アルガムの下にフレイミースをつけるのは、どうにも収まりが悪い。またロストク帝国から文句を言われても面倒だ。それでフレイミースを先遣隊の指揮官としたのである。


(厄介な荷物を押し付けられたか……)


 アルガムとしては、そう思うのも当然だろう。実際、この人事にそういう側面があるのは事実だ。つまり遠征軍本隊の動き、特に初動が迅速にできるよう、ロストク軍とフレイミースをそこから遠ざけたのである。


 ランヴィーア王国にとって今回の遠征は、まさに国運をかけた総力戦と言っていい。総司令官は王太子のエリアス。彼はジェラルドと同年代で、つまりこの人事は王位継承も睨んでのこと。ちなみに第二王子のアルバレスは王都で留守番だ。エリアスに万が一のことがあった場合には、彼が王位を継ぐことになる。


 ともかく、今回の遠征は絶対に失敗するわけにはいかないのだ。ロストク軍の戦力は魅力的だが、しかし余計な横槍を入れられて計画をめちゃくちゃにされては困る。それで遠征が始まり、情勢がある程度落ち着くまではロストク軍とフレイミースを遠ざけることにしたのである。純粋にランヴィーア軍だけなら、連携に支障はなく迅速に動くことができるだろう。


 なお本隊に合流した後は、先遣隊司令官の兵権は解かれることになっている。つまりフレイミースはロストク軍だけを率いることになるのだ。総司令官のエリアスは王太子で、しかもフレイミースの義理の兄にあたる。全体としての収まりも悪くはあるまい。


 このように諸々の事情があったわけだが、アルガムとしてはやはりあまり面白くはない。本隊に合流するまでとはいえ、遠征の一番槍は先遣隊が務めるのだ。そこで躓いてしまっては、元も子もないと思うのだが。


 とはいえ、それを口に出さぬ程度の分別はアルガムにもある。また、フレイミースはすでにヘングー砦に到着しているのだが、今のところ我がままを言う気配はない。遠征中も大人しくしていて欲しいものだ、とアルガムは思う。


 ちなみにフレイミースが大人しいのは、ダンダリオンとアーデルハイトから手紙で釘を刺されているからだ。特にアーデルハイトからは「余計なことをして皆様に迷惑をかけるようなことがあれば、あの一件をシルフィエラ殿下にお話しする」と露骨に脅されており、彼は内心で戦々恐々としていた。まあ彼の場合、それくらいでちょうどいいのだろう。


 さてカルパス将軍率いるロストク軍二万は、案内役に先導されてヘングー砦に入った。そこではフレイミースが彼らを待ちわびていた。


「カルパス将軍、よく来てくれた」


「フレイミース殿下もご壮健な様子でなによりでございます。皇帝陛下よりお預かりした直轄軍二万、これより殿下の隷下に入ります」


「うむ。よろしく頼むぞ」


 頬を紅潮させながら、フレイミースはそう言った。これから五万の兵を指揮してイブライン協商国へ攻め込むのだ。その事実が彼を興奮させる。


 そんなフレイミースの様子を、カルパスは温かく見守っていた。ただ彼の懐には、フレイミースにとって不穏なものが忍ばせてある。それはダンダリオン直筆の勅書で、「フレイミースからロストク軍の兵権を取り上げ、それをカルパスに与える」という趣旨の内容だった。


 万が一、フレイミースが暴走した場合に彼を掣肘するための切り札である。ただしこれを使った場合、彼の経歴には決して消せない汚点が残るだろう。カルパスにとってフレイミースは敬愛する主君の息子。そんなことにはならないよう、カルパスとしても力を尽くす所存だ。


 さてヘングー砦でロストク軍とランヴィーア軍が合流した、その次の日。五万の先遣隊はヘングー砦から出陣して南へ向かった。第一陣として進むのはランヴィーア軍三万で、これはアルガムが指揮している。その後ろに第二陣として輜重部隊を含むロストク軍が続き、ここにフレイミースとカルパスがいた。目指す目標はトゥール。アルガムにとっては少々苦い思い出のある都市である。


 前述したとおり、およそ三年前、イブライン協商国に新たなダンジョンが出現した。最初のスタンピードを凌いだ後、次なるスタンピードを未然に防ぐため、アルガムは七〇〇〇ほどの軍を率いて越境。ダンジョンの攻略を行った。


 その際、新たなダンジョンがロストク帝国との国境にも近いことを受け、ランヴィーア王国は同盟国に援軍を要請。ルドガーが二五〇〇の部隊を率いて攻略に加わった。このときジノーファもこの部隊に加わっており、彼もまた攻略に尽力している。まだ子狼だったラヴィーネを拾ったのも、この時のことだ。


 この時のアルガムの目的は次なるスタンピードを起こさないことだったが、しかしそれだけではなかった。攻略が始まりスタンピードの脅威が遠ざかると、むしろダンジョンとその利権に意識が向くようになる。要するに彼は、イブライン協商国からこのダンジョンを奪取する気でいたのだ。


 しかしながら、その野望は果たされなかった。ランヴィーア王国の上層部は、そこまでの成果を求めていなかったのである。交渉の末、小額の賠償金と引き換えにアルガムは軍を退いた。


 そしてその後、この新しいダンジョンを管理するために建設された都市こそがトゥールだった。つまり先遣隊がまず狙ったのは、海ではなくダンジョンだったのだ。


 ランヴィーア王国は何よりも貿易港を欲している。それは周知の事柄だ。それで海ではなくダンジョンを狙うというのは、戦略上の奇襲と言っていいだろう。ただ今回、イブライン協商国はそれを予測していた。


 ランヴィーア王国が遠征の準備をしていることを、イブライン協商国はかなり前から察していた。しかし先遣隊がヘングー砦に集結していることを知ると、評議会の議員たちは首を捻ることになった。


『なぜあんな場所に……?』


『海からはずいぶん遠いぞ』


『トチ狂ってくれたのであればありがたいが、そのようなはずもないであろうし……』


『何か他の目的があるのか?』


 だが続報で先遣隊にアルガムがいることを知ると、彼らの疑問は氷解した。三年前の軍事行動は、彼としては悔いの残る結果であったろう。であれば今回の遠征で、彼はその雪辱を期しているに違いない。


『奴らの狙いはダンジョンか!』


 評議会は直ちに集めておいた傭兵をトゥールへ送った。その数、およそ四万。ただ、新しいダンジョンは大規模なものだったので、当然ながらそれを管理するための都市がたった三年で完成するはずもない。それでも城壁に限って言えば、すでに八割弱が完成している。


 それでイブライン軍の司令官は二万ほどを率い、まず打って出ることにした。城壁を完成させる時間を稼ぐためだ。ただこの時間稼ぎはそれほど上手くいかなかった。先遣隊は、というよりアルガムは睨み合いに応じず、敵を見つけるとすぐさま攻撃を開始したのである。


 ランヴィーア軍三万の猛攻に、イブライン軍は撤退を余儀なくされた。ただ、元々まともに戦う気はなく、すぐまさ撤退行動に移ったため、被害は小さい。彼らはさっさと、しかし慌てることなくトゥールに逃げ込んだ。そして突貫工事の甲斐もあり、この時点で城壁はほぼ完成していた。稼いだ時間はわずかだったが、しかし無駄ではなかったのだ。


 さて、緒戦でイブライン軍を蹴散らしたアルガムは、そのまま前進してトゥールへ迫った。そして第二陣の到着を待たずに攻撃を仕掛けたが、四万の敵がさらに城壁を頼みにしているだけあって、その攻略は容易ではない。簡単には勝てないのを見て取ると、アルガムは撤退を決意した。


 もちろん、ヘングー砦まで撤退するわけではない。トゥールから一日ほどの距離を戻り、陣を敷いてそこで第二陣と合流した。そして彼らはそこで動きを止める。イブライン軍の目にそれは奇妙に映った。


「奴ら、なぜあんな中途半端な場所に陣を……?」


 軍議が開かれ、「本隊の到着を待っているのだ」という結論に達した。それ以外に合理的な理由が見当たらなかったのだ。そして遠征軍の全戦力は十万を超えると予想されている。


「これはかえって好機かも知れぬ」


 イブライン軍の司令官はそう思った。ランヴィーア王国は砂漠が多く、決して豊かな国とはいえない。そんな国が十万を越える兵を長期間養うのは大変だろう。となれば彼らは短期決戦を志向しているはず。トゥールの城壁を頼りに長期戦に持ち込めば、彼らは息切れして撤退を余儀なくされるに違いない。


 ただ本隊が到着すれば、いかに城壁があるとはいえ、四万の兵ではこれを防ぎきれぬ。イブライン軍の司令官は自らの見解を添えてさらなる援軍を評議会に求め、彼らはそれに応えた。五万の増援部隊が組織され、トゥールへ送られる。そして、それこそが遠征軍総司令官エリアスの狙いだった。


フレイミース「オレ、そんなに信用ないかな!?」

ジェラルド「過去を振り返れ」

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