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初期ブースト来い(いや、本当に来てください(土下座))

 「二角よ、準備はいいのか?」


 フクロウのナロ様は首をくるくると回しながら聞いてくる。


 いくら“初投稿 コツ”とか“初投稿 どれくらいpv数”とか調べても分からない。


 作品には30話(30羽のひよこ)を準備した。


 ぽちぽちぽち


 予約投稿を入れる。


 初投稿初日は朝7:00〜、昼12:00〜、夜18:00〜の3回の時間帯に分ける。


 私はドキドキと緊張し始める。


 投稿予約には各話のひよこたちを詰めた。

(点みたいな目をこちらを見ているひよこ。少し顔が潰れていて可愛い。)


 その数20話!!(20羽のひよこ)


「いっけぇ、予約投稿!!」


 私は勢いよく叫ぶが特にスキルは出ない。しばらくしても何も起こらないので、あっちを見たり、こっちを見たり。


 それでもすることがないので体育座りをする。


 その日、ひよこたちはぴよぴよと歩き始める。


 わーい、やっぱり好き勝手歩いていくよ。


 結果は


 pv数→280


 ユニーク数→89


 私は体育座りのまま、頭を乗せてナロ様を呼ぶ。


「ナロ様⋯⋯だめだ」

「まぁ、初めはこんなもんじゃ」


 妙に優しいナロ様の言葉がかえって現実を突きつけられてツライ。


 30話中20話投稿でこれはまぁ予想できる結果だなぁとぼんやり思う。


 正直初めの日と次の日に反応が無いものは物理的に見てもらえない可能性が(ががーん)


 面白いとか面白くない以前に“興味がない”と言う、1番ツライやつですね。


 それでも⋯⋯私はスマホをぽちぽちと触る。目の前にある慈悲がどんなに有り難いものかこの時はまだ気がついていなかった。


「ナロ様、星★きた」

(評価★5を下さる天使が降臨)


 その言葉にナロ様は慌てて私のスマホを覗きにくる。ばさばさと音を立てて騒がしく翼を動かしている。


「二角、それはとても有り難いものじゃ。大事にするがいい」

「はぁ⋯⋯分かりました」


 この時は本当に有り難いものだと気がついていなかった。

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