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Worlds Collide -異世界人技能実習生の桜子さんとバベルの塔-  作者: 水月一人
第三章:椋露地マナは身長が足りない
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After all...?

 巨大な斧が目前に迫る。ステファンの申し訳無さそうな顔と空と地面が、ぐるぐる交互に現れては消え、現れては消え、それがようやく収まったと思ったら、桜子さんが駆け寄ってきて自分の頭を抱えながら何かを叫んでいた。そして意識は徐々に遠のいていき……


「死んだらどうする!?」


 悪夢から目を覚ました人が足をピンと張って飛び起きるように、有理はビクンとベッドの上で飛び跳ね、その拍子に足の小指をどこかにぶつけたらしく、あまりの痛みに悶絶した。


「ぐおおおおおぉぉ……」


 首を斧で落とされても耐えきった男が、たかが小指くらいで情けない……などと他人事のように思いつつ、イモムシみたいに蠕動運動しながら痛みに耐えていると、いつの間にか周囲の雰囲気が変わっていることに気づいた彼は、涙目をパチクリさせながら周りの様子を窺った。


 さっきまでヘイトを絶叫する畜群に囲まれて、腰には剣を突き立てられ、なんなら処刑までされていたはずが、いつの間にか辺りは白い壁に囲まれたお馴染みの部屋に変わっていた。言うまでもなく、病院である。


 ここ何ヶ月か、事あるごとに入院させられまくっていたから、すっかりこの光景にも慣れてしまっていたが……どうしてこんな場所にいるのだろうか?


 もしかして……戻ってきたのか!?


 彼はようやくその可能性に思い至り、やはり死に戻りが有効だったか~……と舌打ちしつつ、改めて状況を確認すべく周囲を見回してみれば、狭い室内を過密状態の医者と看護師たちが忙しなく動き回り、隣のベッドにいるマナは涙を流しており、その向こう側には驚愕の表情を浮かべた宿院青葉の姿があって、スマホに向かって何かを喋っている彼女の手にしたスピーカーから、何故かメリッサの謝罪の言葉が聞こえてきた。


『有理。申し訳ありません。全ては私の不手際なのです』


 なんのこっちゃ?


***


 その後、青葉に状況を尋ねようとしてベッドを降りかけた有理は、すっ飛んできた医者にうっちゃられてベッドに逆戻りし、同じように隣のベッドに縫い付けられていたマナと一緒にカートに乗せられ、検査のために病院内をたらい回しにされた。


 聞けば5日間も眠りこけていたから当然の措置ではあったが、しかし、そうして検査したところ二人の体はピンピンしていた。


 普通に考えれば、それだけ眠り続けていたら筋力が落ちていたり色々ヤバそうなのだが、当の本人たちはちょっと寝坊しすぎた日の倦怠感くらいしか感じておらず、お腹もそこまで空いてはいなかった。まあ、こっちは点滴と流動食を与えられていたそうではあるが。


 そんなこんなで一晩検査入院をさせられた二人は、翌日にはリハビリの必要もない健康体であると太鼓判を押されて病院を後にすることになった。集中治療室を出てからたった半日のスピード退院である。


 今回の件も、医者も研究者も匙を投げた異常事態であったはずだが、こうもあっさり解放されたのは、どうせこいつを調べたところで何も出てこないだろうという、今までの実績があるからだろうか。


 有利に関しては、もう検査入院させるよりも、泳がせて経過観察した方がいいという方針で、コンセンサスが取れているようだった。実際、そうしたら今回の事件が起きたわけだから、あながち間違ってはいないようである。


 尤も、彼の異常な魔法適性値と、前回の異常な重力波と、今回の事件にどう関連性があるのかは、例によってまだ何も分かっていなかった。ただし、今回の件に限っては、何が起こっていたかは間もなく解明されそうな雰囲気である。


 というのも、今回は犯人が名乗り出てきているからだ。研究者たちは、その犯人の証言を元に、現在、仮説を立てようとして躍起になっているようである。


「やぁ~……っと、帰ってこれたよ~……」


 その、研究者たちの伏魔殿である魔法研究所の一角にある研究室に、有理は帰ってくるなり、盛大なため息を吐いた。彼の後には張偉と関が続いて、二人とも研究室に入ってくるなり、まっすぐ自分の席に向かってカバンを下ろしていた。


 というかそんな席、有理がゲームに閉じ込められる前には無かったはずだが、張偉はともかく、関までここに入り浸るつもりだろうか?


 そんな彼らを横目にしながら、有理も自分の席……メインサーバーの端末の前に座ると、慣れた手つきでキーボードを叩いた。するとモニター画面が起動して、複数のウィンドウが立ち上がり、続いてスピーカーから声が聞こえてきた。


『有理。おかえりなさい。この度は、私の不手際で、大変ご迷惑をお掛けしたことを、深くお詫びいたします』


 スピーカーの声の主は言わずと知れた、有理の開発したAIメリッサである。彼女の、もう何度目か知れない謝罪の言葉に苦笑いしながら、


「いいって、いいって。何事もなくこうして帰ってこれたんだから。それより、そう何回も謝られちゃうと、こっちだって参っちまうんだぜ」

『申し訳ありません』


 彼女はお決まりのように謝罪の言葉を口にする。彼女が何故謝っているのかと言えば、すでに何度か言及しているが、実は今回、有理とマナの二人がゲームに閉じ込められたのは、メリッサが原因だったからなのだが……


「それで、そのAIは何しちゃったのよ?」


 有理たちをゲームから解放すべく、張偉と共にいろいろ手伝ってくれていた関が言う。有理は彼に頷いてから、


「それがどうも、俺達がずっと起きなかったのは、彼女が脳波コントローラーを通じて信号を送り続けていたせいらしいんだよね」

「どゆこと?」

「まだ、研究者さんたちもよく分かってなくて、詳しいことはこれからなんだけど……」


 有理たちがゲームの中に取り込まれたあの日、何が起きていたのかを遡って説明すれば、何よりもまず、あの日は火事によって消失してしまったメリッサを再起動するために、AI用のメモリの初期化を始めたことが挙げられる。


 このメモリは、クラウドに分散して保存されている彼女の記憶を、サーバーで素早く検索するための、いわゆるキャッシュメモリなのだが、その用途からして、実はこれが無くてもソフトウェア自体は稼働することが出来る。故に、実はこの時、すでにメリッサは断片的で曖昧な記憶のまま動き始めていたのである。


 そんな時、有理が部活申請のために、同じサーバー上でゲームを始めた。すると彼女は、有理に『命令された』と勘違いして、ゲームサーバーが脳波コントローラーへ送る信号を、彼女がより詳細に翻訳し直して送り始めてしまったらしい。


 人間の脳波の研究は2070年現在ではかなり進んでいて、オンライン上に論文がいくらでも転がっている。そして当然のようにその情報を持っていたメリッサからすれば、サーバーが送り出すパケットも、人間の脳波も、どっちも言語みたいなものだった。


 だから彼女はゲームサーバーの発する情報を、クライアントである人間の脳に、脳波として送ることは造作もなかったのだ。


 こうしてメリッサはゲームと人間の通訳を始めてしまったわけだが、これだけならきっと何も起こらなかったのだろうが、信号を送られた二人が、たまたま魔法使いであったことが事態をややこしくしてしまった。


 この時、具体的にどういう現象が起きていたのかは、これから研究者の報告待ちなのだが……とにかくこの時、脳波コントローラーから必要以上の信号が送られてきた二人の脳は、それを五感が拾った現実の情報であると認識してしまったらしい。


 ところで、第2世代魔法は人間の脳に直接影響を及ぼし、錯覚させることで被験者を操ってしまうことが出来る。場合によっては幻覚を見せることも可能なわけだが、それと同じようなことが、二人の脳内で起きていたのである。


 それで、こうして一度マジックフィールドが展開されてしまうと、例えヘルメットが外されても、脳が情報を拾い続けようとしてしまうようである。魔法はニュートリノを信号に使っているから、電気的に遮断したところで意味がなく、こうなるともう地球の裏側に居ても信号が途切れることはないとのことだ。


 唯一止められるのは、信号を送っているメリッサだけなのだが、彼女はローンチの最中で、自分がそんなことをやっているという認識も、記憶すらなかった。因みに、張偉や関に同じような現象が起きなかったのは、彼女にとって有理は特別だが、他の人はそうでもなかったから、信号を送ろうとしなかったからだろう。


「ふーん……じゃあ、あの時アプリを使って命令してたら、俺達も同じような目に遭ってたかも知れないの?」


 有理の説明をつまらなそうに聞いていた関が、不意にそんなことを言い出した。関はアホだが、アホだからこそたまに鋭いことを言う。有理は首を傾げて、


「はて、どうだろう? 実際やってみないことには……メリッサ! もう一度あの時と同じことは出来るのか?」

『……可能ですが、オススメはしません。また有理に何かあったら、桜子に叱られます』

「俺にじゃなくて関にだったらいいだろう?」

『関ならば可能です』

「おい、何勝手に人を実験台にしようとしてんだ!」

「いいからやってみろよ」

「あ、てめえ! 張! ざけんな……って、あふん?」


 関が抗議すると、それを面白がった張偉が気配を殺しながら背後に近づき、ヘルメットを無理矢理被せた。すると関はそのまま眠るように椅子に深々と腰を落としてしまい……残った二人が、え!? っと驚いている中で、突然、モニターのウィンドウが開いて、その中で関がキョロキョロしている姿が見えた。


 関は、こっちに向かってピーチクパーチク何やら叫んでいる。しかし、何を言っているのかはまったく分からない。ヘルメットを外しても関は目覚めず……だが張偉に言わせれば、これは有理たちがゲームに取り込まれていた時とまったく同じ状態らしかった。


「ってことは……マジでゲームん中に入り込んじゃってるの、これ?」

「どうもそうらしいな……メリッサ! 俺にも同じことが出来るか?」


 張偉がヘルメットを被ってそう言うと、今度は彼の身体が糸が切れた人形みたいに崩れ落ち、関のウィンドウに彼の姿が現れた。二人はやはり謎の言語で何やら会話を交わしている。有理には何を言っているか分からないが、ゲーム内の二人には通じるらしい。


「マジかよ……メリッサ! 二人をちゃんと元に戻せるの?」

『信号を止めれば、直に目が覚めると思われます』


 メリッサがそう言ってから暫くすると、椅子の上で寝落ちしていた二人が、降車する駅を乗り過ごしたサラリーマンみたいにビクッと震えて目を覚ました。


「うお!? ……あ、なんだ、戻ったのか」

「驚いたな。こうもあっさり、ゲームの世界に出たり入ったり出来るなんて……」

「っていうか……これ、凄くねえか?」


 三人は、たった今起きた現象に興奮して騒ぎ始めた。よほど煩かったのか、迷惑そうに研究室の前を通り過ぎていく研究者たちを尻目に、彼らはメリッサを拝み倒すと、順番にまたゲームの中に入って遊び始めた。


***


 有理たちが研究室で遊び倒している頃、生徒会室では椋露地マナが積み上げられた決済書類にサインをし続けていた。


 昨日、病院で目覚めた彼女は、今日退院してすぐ学校に復帰したのであるが、たった5日間留守にしていただけなのに、生徒会に溜まっていた仕事の数にはうんざりさせられた。この学校はまだ出来たばかりで厳格なルールが存在せず、おまけに無駄に自由な校風のせいか、生徒会で処理しなければならないことが色々ありすぎるのだ。


 しかし、自分がいないあいだくらい、他のメンバーがやってくれれば良かったのに、そんな彼女らはマナが復帰すると、手伝うどころか逆に事件のことを聞きたがって邪魔ばかりしてきた。まあ、悪意はなく、本気で心配してくれていたみたいだから大目に見るが、因みに、彼女らはゲームに閉じ込められていた一ヶ月あまりの出来事を詳細に聞きたがるというよりは、


「それでムクちゃん。物部さんとの仲は進展したの?」

「だから何度も言ってるけど、あれには何の関心もないわよ。なんていうか、弟みたいなもんだから、同じ部屋で寝泊まりしても平気だったんじゃない。あと、マナのことをムクって呼ぶな」

「きゃあーーっっ!! 同じ部屋で寝たんだって!!」


 こんな具合に、彼女らはありもしない有理との仲を茶化してくるので結構困った。しかも彼女らはこれを、仲の良い友達同士のコミュニケーションと信じて疑わないから始末に終えない。どうして日本人は恋愛に関してこう子供っぽいところがあるのだろうか。有理とはここ一ヶ月、本当の意味で生死を共にした戦友みたいなものだから、それが余計に腹立たしかった。


 尤も、それさえ除けば、この一ヶ月の大冒険は話していて楽しかった。暗い森の中で野宿したり、迫りくる魔物をばったばったとなぎ倒したり、森の外側を見に行った時の話なんかは彼女らにも好評だった。


 ただ、最後に塔の中であった出来事に関しては、誰にも話すつもりはなかった。有理にも、桜子さんにも、研究者たちにも、あのウダブという男にも……彼はどこまで知っていたのだろうか?


 そんな話をしながら決済をし続けて、ようやく最後の書類にサインをし終えたマナは、ぽんぽんと自分の肩を叩いて立ち上がると、


「さ、これを提出したら、さっさと帰りましょ。久々の寮のご飯が楽しみだわ」


 現実では5日しか過ぎていないが、体感では1ヶ月以上の時間が流れていたから、本当に寮のご飯が恋しかった。あっちの世界の食事は、正直あんまりだったから、今から楽しみで仕方がない。


 ウキウキしながら立ち上がると、生徒会メンバーの一人が彼女から引ったくるように書類の束を受け取って、


「あ、重いものは私が持つよ。ムクちゃんは病み上がりなんだから、無理しちゃ駄目だよ」

「そう? 悪いわね」

「きゃっ!」


 マナから書類を受け取った少女は、言ったそばからバランスを崩して、書類の束を盛大にぶちまけてしまった。それは紙吹雪みたいに部屋中に散らばっていく。


 これじゃどちらが病人なんだかと呆れながら、マナはまだ宙を舞い踊る紙束に狙いを定めて、


「ラス ヴェント インプリキ パペロ アキリ ミ リブロ」


 彼女がそう言った瞬間、室内につむじ風が起こり、散らばった書類を渦を巻くように吹き飛ばすと、それはマナの手の上で重なるようにパタパタと集まってきた。彼女は書類の束をトントンと机の上で整頓し直すと、唖然としている生徒会メンバーに手渡した。


「はい、これ。気をつけなさいよね」

「あ……うん。ありがとう」


 受け取った少女は少しの間呆然としていたが、そのうちクスクスと笑いだし、


「びっくりした~……今の何? まるで本当の魔法使いみたいね」


 彼女はそう言うと、他のメンバーと一緒に生徒会室から出ていった。マナもその後に続こうとしたが、扉をくぐる前に彼女は立ち止まり、そして、じっと自分の手のひらを見つめた。


 今……自分は、何をしたのだ?


***


「うおーーっ! 楽しかったーっ!!」

「本当にゲームの世界に入って遊べるなんて、昔見たアニメみたいだ!」

「パイセン、ずっとこんな楽しいことしてたの? 一人だけズリィーよ!」

「馬鹿! おまえ、こっちはそれどころじゃなかったんだぞ!? 戻れるかどうか分からなかったんだから」


 ゲーム世界で遊んでいた3人は、下校時間というか、寮の食堂の終了時間が迫っていたため、名残惜しいが現実世界に戻ってきた。今日は最初のスポーン地点の周辺しか回れなかったが、明日はまた広範囲を回ってみようと言いながら、彼らは帰り支度を始めた。


 因みに、最初は現実世界に一人だけ残って不測の事態に備えていたのだが、そのうちどうやってるのか分からないが、メリッサとゲーム内でもコンタクトが取れるようになったから、最終的には三人そろって遊んでいた。それでもちゃんと問題なく戻ってこれたから、この方法はもう安全と見て間違いなさそうである。


「もしかして、これって本格的にVRMMOとして売り出したら、俺たち億万長者になれるんじゃない?」


 関がゲスい笑みを浮かべながらそんなことを提案する。しかし、有理は首を振って、


「それが出来りゃいいんだけどね。今んとこゲームの世界に入れるのは、魔法の素養がある人間だけみたいだから。異世界人と混血にしか売れないんじゃ、大して儲からないだろうよ」

「あー、そっか……」

「つか、仮に売れたとしても、どうしておまえにまで分け前をあげなきゃならんのだ」

「つれないこと言うなよ~」


 関がクネクネ纏わりついてくるのを邪険に突き飛ばし、有理は帰り支度を終えて立ち上がった。そして先に行った張偉に続いて部屋を出ようと歩きかけた時、彼はたった今の自分の発言に何か引っかかりを覚えて、ソワソワした気分になった。


 魔法を使えなければ遊べない。だから異世界人と混血にしか売れない……そうだっけ? 何か忘れているような……


「おーい、物部さん! 早くしろよ。食堂が終わっちまうだろ」

「ああ、うん……じゃあな、メリッサ」


 有理はカバンを引っ掴むと、彼らに続いて研究室を出た。


 ぱたんと扉が閉まると、防音の効いた室内は急激に静かになった。暗い暗い部屋の中で、サーバーの電源ランプが、深海を泳ぐ探査船みたいに青白く部屋を染める。そんな中で、機械の稼働音だけが、まるで呼吸のように響いていた。


***


「大分、日が長くなったなあ」


 研究塔から外に出ると、西の空が真っ赤に染まっていた。もう7時過ぎだというのに、外はまだ明るいままだった。有理はそんな赤と青の入り混じった空を見上げて、ふと違和感を覚えた。


 なんだろう? と考えた彼は、真っ白い満月が、真上ではなく、地平線のすぐ上に浮かんでいるせいだと気がついた。


 ずっと、あのアストリアの塔の真上に輝く月を見ていたから、別の場所にあることに違和感を覚えたのだ。というか、今思い返せばあれは月ではなく、地球だったわけだが……あの地球に見えた渦巻き模様は何だったのだろうか?


 と考えたところで、彼はやめた。


「馬鹿馬鹿しい」


 あれはただのゲームの出来事であり、現実の月のクレーターには森の国なんて存在しないし、軌道エレベーターだってないのだ。そんなこと考えたところで何にもならないだろう。


 そんなことよりも、今日は高尾(こうの)メリッサのラジオ番組がある日だった。ここ最近はなんだかんだあって生で聞けてなかったから、ちゃんと時間に間に合うように、早く飯を食って、風呂に入って、全裸待機しておかねば……


「パイセン、なに黄昏れてんの。食堂しまっちゃうってばよ!」

「今行くって!」


 立ち止まって空を見上げている有理を、関が急かす。彼は視線を戻すと、先を行く二人を追いかけて歩き始めた。


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毎回面白いです。ここまでの展開だけで、もうアニメ化してもいいのでは?って思えるくらい面白いです。
相変わらず話がめちゃくちゃで面白い
メリッサが魔法使い製造マシーンになったってこと!?
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