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【完結】光の或る方へ  作者: 星野木 佐ノ
1 はじまり

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32/201

第31話 理想と現実(2)

いつも読んで頂き、ありがとうございます。




 栄は一度、咳払いをすると「ところで」と、美夜に向き直った。


「なぜ、うちで働きたいと思ったんですか?大手の会社を辞めてまで、東京に出てきたのは、なぜ?」


 その質問に、美夜は顔を上げ、目を輝かせた。


「私は、自分が好きだと思える味の店で働きたいと思いました。地元のケーキ屋やその周辺を歩きましたが、どこも納得のいくものに出会えませんでした。それで、東京へ出ようと思いました。東京なら、美味しい店が集結している場所ですし。自分で色々調べて、食べ歩きました。それで、先週、偶然こちらのお店にお邪魔して。ケーキを食べさせていただいて、感動したんです。知っているチーズケーキとは食感も、後味も全然違うのに、懐かしさもあって、とても新鮮でした。ぜひ、こちらで働きたいと思いました」


「なるほど」と栄が言うと、ちらりと光を見た。

 光は腕を組んでテーブルに視線を落としながら「どうも」と呟くように言った。


「そうかあ、でもね」


 と、栄は頭を掻く。


「うちは今回、製造を募集しているわけではないって、知ってたかな?どうも、話しを聞いてると、中西さんは製造の仕事がしたいみたいなんだけど」


「え」


「あ、その顔は知らなかった顔か。張り紙、ちゃんと読まなかったんだ?」


 栄は苦笑いをした。


「す、すみません。言い訳がましいですが、スタッフ募集という言葉だけに反応してしまって……でも、ホールでも何でもします」


 美夜は「お願いします」と頭を下げた。

 栄は光を見た。光は相変わらず腕を組んでテーブルの一点を見つめるだけで、何も言おうとはしなかった。




最後まで読んで頂き、ありがとうございます!



同時進行でミステリー系ヒューマンドラマ

『Memory lane 記憶の旅』更新中!

https://book1.adouzi.eu.org/n7278hv/


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