表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】光の或る方へ  作者: 星野木 佐ノ
7 日常をきみと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

159/201

第158話 戸惑い

いつも読んで頂き、ありがとうございます。





 美月は嬉しそうに笑みを浮かべ「ついに言ったか!」と大きく一つ手を叩いた。

 美夜は素早く顔を上げて美月を見た。


「……知ってたの?」


 美月は「まあ、何となくだけど」と苦笑いした。


「だってさ、美夜。考えてもみなよ。いくら同じ職場の人だからって、毎日美夜の様子見に来る?そりゃ、私もちょっとお願いはしたけどさ……。でも、好きでもなかったら、そんな事言われてもって、無視するし。いくら優しくても、興味がなければ続かないよ」


 美月にそう言われ、美夜は俯いた。

 自分の事でいっぱいで、そこまでよく考えていなかった。言われてみれば、本当にその通りだ。考えれば考えるほど、色々思い当たる点が沢山出てきた。

 それらを思い出すだけで、なぜ気が付かなかったのかという自己嫌悪と恥ずかしさで、身体中が熱く、頭も朦朧として熱を持ってきた。


「だ、だめ。今日はもう、寝ます……」


 美夜はふらつきながら立ち上がると、部屋へ入っていった。美月は心配そうに「うん、おやすみ」と言い、小さく息を吐いた。


 恋愛については、どちらかと言うと、昔から鈍感だった美夜は、告白される度、毎回あの調子で帰ってきた。ただ、今回一つだけ違う事があった。

 美夜は「友達」として思っていたら、その旨をちゃんと伝え、謝って帰ってきていた。そして、悪い事をしたと、落ち込むのがパターンだった。その逆に、自分も好きだったら、その場でちゃんと返事をし、夢心地で帰って来た。しかし、今回はどちらの答えも出さず、帰ってきた。 

 美月は、美夜の一歩になるかも知れないと、安心すると同時に、光に感謝をした。


「美夜を見つけてくれて、ありがとう。シェフ」


 美月は腕を伸ばし、身体を反らすと、大の字になって寝転がった。 


*******



 翌朝、美夜は昨日の延長で、相変わらず機械仕掛けのように動いていた。


「じゃあ、美月。先に行くね」


「うん。気をつけてね」


「うん。行ってきます」


 美夜は型に嵌めたような笑顔を見せた。美月はその笑顔を見て頬を引き攣らせる。

 事件以来、美夜の笑顔は「微笑」止まりだった。それが、歯を見せて笑ったものの、あの堅さは、双子の美月でも流石に退いた。


「大丈夫だろうか、あれは」


 美月は大きな溜め息を吐き出し、パンをかじった。



*******



 厨房の入り口に立つと、美夜は光の後ろ姿を見て、身体を硬直させた。


「おはようございます」


 いつもよりも小さな声で挨拶をすると、手を洗った。

 光は水の流れる音に気づき、振り向いた。


「あ、おはよ」


 美夜は光に顔を向けづに、俯いたまま「おはようございます」と言い、予定表を確認し、自分の仕事を開始した。

 光は妙に固くなっている美夜を見て、困ったように眉を掻くと、何も言わずに自分の仕事を再開した。

 手を動かし、菓子作りに集中していると、いつの間にか光と普通に話しをしていた。光も以前と何ら態度を変えず、美夜に的確な指示を与え、スムーズに仕事をこなしていたのだった。






最後まで読んで頂き、ありがとうございます!


「続きが気になる」という方はブックマークや☆など今後の励みになりますので、応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ